5月25日(水曜日)
目が覚めた、時刻は真夜中だと思う
外はまだ真っ暗で月もまだ出ていた
隣ではクマのぬいぐるみと可美奈がすやすやと寝ていた
「まだ子供だな…」
可美奈の寝顔を見ながら口に出た
「まだ夜か、ちょっと喉乾いたな」
俺は可美奈を起こさないようにそっとベッドから出て部屋からリビングに向かった
冷蔵庫を開けて中からお茶を取り出した
「ん?」
どこからか風が吹いていた
「おかしいな窓は全部閉めたはずなのに」
俺は風が吹いている方を向くとそこにはテレビの横にある窓が空いていた
「おかしいな、寝る前はしめ……」
窓を閉めようと近づこうとした瞬間に気付いた
鍵周りのガラスにガムテープが貼ってあり割られていた
「(防音と飛散防止!?まさか!)」
ガラスを割る時にガムテープを貼ってその上からハンマーなどで叩くと防音とガラス飛散を防げる
今この時間帯でガラスを割られている、この状況で考えられるのは一つしかなかった
「(強盗!)」
俺は部屋に戻って可美奈を起こそうと振り返った時にうしろには黒いパーカー姿の人物が立っていた
「おまえは!うっ………」
姿に見覚えがあった、声を出そうとした時に口元を塞がれ腹にナイフが刺さった、そしてナイフを刺したのは一度のみならず何回も刺され俺は倒れた
刺された痛みが全身を駆け巡り、声は出すどころかうめき声にしかならなかった
黒いパーカー姿の人物はリビングから出ていった、どこに向かうか分からない、けれどもしかしたら可美奈の所に行くかもしれない
「(待て!俺は死ぬ訳には行かないんだ!可美奈、十華……)」
俺の意識はそのまま沈んで行った
「ーーーハッ!!」
目が覚めた、そこは病院のベッドじゃなく
俺の部屋のベッド
隣には誰もいない
「今はいつだ!今日は何日だ!」
俺はベッドから勢いよく起き上がり机の上のカバンから携帯を取り出し日付を確認した
ーーー5月25日(水曜日)ーーー




