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{故郷は弱肉強食③}


「そう言えば、もうそんな時期か…」

「ビボルダー討伐依頼や、引っ越しですっかり失念していた」

腕を組みうんうんと頷くアルドラ。


「びりゅ~~!」

「ぼりゅ~~!」

子ビボルダー達が石化光線でノミたちを石に変えて面白そうに遊んでいる。


「そうだ!」

不意に表情を輝かせるアルドラ。


「せっかくだからあれを試してみようではないか!

セス、クリフ、面白いものを見せてやろう」


上機嫌のアルドラについていく俺と獣人。


そこは最上階。

古代の遺物、【夢幻の綸溝】の前だった。



「な、何だよ…」

ニコニコのアルドラに対し警戒の色を強める鏡。


「先日久し振りに鏡の取扱説明書を読んでたら、面白い機能があったようで

お前が寝てる間に、アップデートしておいた」


「はぁ!?てめぇ、俺様の許可無くかっ」

「ヘイッムゲリン!」


チョリーン!!


俺たちを映し出していた鏡面が、見たこともない操作パネルに切り替わった!


「クソ主!、誇り高き古代の傑作たる俺様に、あん!あ、あ、ぅう~~あん!!」


アルドラが、「王都の宮廷魔術師団情報はどこだったかなぁ~」と呟きながら、

気も留めずにパネルをタッチしながら情報を詮索していくと、

その無骨な指から繰り出される繊細な愛撫が鏡を快感の海へと誘っていた…


「お、これだこれだ!」


「くふ~ん、あ、あん!!」

悶える鏡…


「ノミダニキ・エール錠Ωを1000粒っと…

いや~キュマゾンは便利だな~、これで明日には薬が届くぞ!」


って、

ヘイ、シリ、ならぬムゲリンって『むげんのりんこう』略しただけじゃねーか!

ってか、ア〇パッドかよ!…

しかも商品名が〇林製薬かよ!!


と言う怒涛のボケに対し、突っ込みの3連撃をお見舞いしつつ、俺は溜息をついた。

(キュマゾンはスルーした)

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