「コカ肉こそ至高②」
転移してきた辺境の地では何故かコカトリスが多数繁殖していた。
そんな危険地帯にこれまた何故か集落をつくった目前の群衆。
凶悪なモンスターに日々怯え暮らしていた。
そこへ颯爽と現れた謎の男たちが定期的にコカトリスと言う脅威を狩りとって行くものだから、村民たちは神の使いと崇め、こうして来訪を待ちわびているのだ。
アルドラが
「どこだ」
と静かに尋ねると、村人たちは一斉に北東を指さす。
「よし」
アルドラが頷くとズンズンと歩を進め始めた。
俺たちも付いていく。
森を抜けたあたりでアルドラが、右腕を水平に伸ばし、俺たちを遮った。
首を左右に振り、警戒しているコカトリスが居た。
アルドラが真剣な表情で呪文の詠唱を始める。
睡眠魔法か攻撃魔法で不意打ちか!?と当初はワクワクしたものだ。
「あれは駄目だ。脂肪が多すぎる」
世界広しと言えども、対象物のタンパク質含有量を測定する魔法を習得しているのはこの筋肉バカしか居ないだろう。
俺は深くため息をつく。
まぁ、確かに見た目からも通常のコカトリスの2倍はあろうか、あきらかに太っていた。
次の得物を求めて湖畔周辺を彷徨っていると、2匹目のコカトリスを崖上に発見。
「あの雌コカトリスを狩るぞ」
アルドラが目標を定めた。
コカトリスとは鶏の頭部と体部に蛇の尻尾を持ち、石化と猛毒を駆使する大変獰猛なモンスターであり、並みの戦士では歯が立たない。
なのだが、、、
身を低くし、気取られぬよう背後から接近。
間合いに入った瞬間、アルドラがマントを脱ぎながら奇声を発し飛び掛かった。
案の定、、、
ほぼ裸だった。