“苦肉の策の新天地①”
「と言う訳で…、退去命令を出されてしまいました…」
エヴァンスがもじもじと申し訳なさそうに話す。
「はぁ!?」
混乱に陥る3人。
「ですから…王都から出て行かせるようにと…」
突然の悲報。
下された退去命令の原因は勿論、子ビボルダーだった。
マーヴィックとエヴァンスはソコには触れない様、上層部へ報告したのだが、
蘇生した5名の魔導士たちが瞬く間に広めてしまったらしい。
「そうか…」
沈痛な面持ちのアルドラ。
王都の中心部からは外れているとはいえ、市場や主要施設にも近く、地下を含む2階建て構造。なかなか良い物件だった。
「ボルダーとビルダーが原因か…」
アルドラが子ビボルダーを見つめる。
筋肉しか連想しない名前を勝手につけるなぁーーー!!
「ぼりゅぅ~↓」
ちょっと悲しそうな雰囲気を醸し出す怪物。
「えっとぉ、王都から少し離れてしまいますが、マーヴィック様が転居先を紹介して下さいました」
「ほう!それは助かるな!」
アルドラとセスは顔を輝かせる。
俺は嫌な予感しかしないのだが…
「では、早速下見に行きましょう!、馬車を下で待たせていますので!」
こうして4名は馬車に乗り込んだ。




