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13話「再び訪れる恐怖」

「美穂は鎌鼬がどんな生き物なのか知ってる?」

 食後の片づけが終わった頃にネアラが突然そんなことを聞いてきた。

「え?」

 あたしはネアラの問いに固まってしまう。あの時の恐怖を思い出してしまったから。

 ここにはいないのに、襲われるはずなんてないはずなのに急に不安になってくる。いきなり、襲われるんじゃないか。いきなり、あたしの体に切り傷が生まれてくるんじゃないかって。

 小刻みに体が震え始める。こうなるともうだめだ。恐怖と不安が連鎖してそこから抜け出せなくなる。

「まだ、ダメだった」

「それはそうだろ。一般人があんなことがあってそれがトラウマにならない、なんてことほとんどないだろ」

「それはわかってる。だけど、これは話しておかないといけないこと。下手をしたらまた美穂が危ない目に遭う」

「確かにそうだな。でも、どうするんだ?俺達が話そうとするたびにこんな状態になるんじゃ話すことなんてできないんじゃないのか?」

「そう。だから、どうにかするしかない。……でも、内容が内容だからそれほど注意を引かなくてもちゃんと美穂には届くと思う」

 ネアラとフェンが言葉を交わしている。今のあたしにはそれらを文章として、会話として聞くことができない。ただ、二人が何かを言っている、ということだけが理解できる。

「美穂、聞いて」

 ネアラがあたしの名前を言っている。けど、そんなことに構っていられないくらいあたしの心は恐怖で塗りつぶされている。

「たぶん、鎌鼬はまた美穂を襲いにくる。鎌鼬は人の魔力で自らの生命を維持しているから」

 その言葉はあたしの恐怖を無視してしっかりと理解することができた。そして、不安が、恐怖がさらに大きくなる。また、あんな思いをしないといけないのか、と叫びたくなる。

 でも、それはできない。思うように口が動いてくれないから。もう少しだけあたしが強かったらここで叫べていたのかもしれない。弱すぎるあたしは恐怖にも不安にも負けて何もすることができない。ただただ、体を小刻みに震わせるだけしかできない。

「美穂、大丈夫か?」

 フェンが心配そうな声色で聞いてくる。だけど、あたしは反応を返すことができない。

「そういえば、あれがあったはず。取ってくるから、美穂のことよろしく」

「あれ、ってなんだよ」

「セラフィナイト」

「ああ……、確かに今の美穂には必要だな。わかった、美穂のことは見といてやるよ」

 ネアラが立ち上がったのが気配でわかった。だけど、どんどん、心が潰れていくあたしはそんなことを気にする余裕がない。

 嫌だ嫌だ嫌だ。恐怖、不安、痛めつけられた記憶。それらにあたしの心は苛まれていく。

 誰か助けてっ!心の中でそう叫んだ。だけど、そんな思いは誰にも届かない。それに、もし届いたとしても今のあたしには心の外の世界のことが見えない、聞こえない。意識は心の暗く深い方へと引き寄せられて視覚が、聴覚が、機能しなくなる。暗い空間にあたし一人だけ投げ込まれたようなそんな感覚におちいる。

 もう、あたしなんてどうなってもいいや。あたしはそう思って心を閉じようとした。

 その直前にあたしの心の中に上から光が注いできた。

 心の中のあたしは上を見上げた。そこに見えたのは眩しいくらいに白い光。その光は何枚、何十枚もの羽から放たれている。

 何の光だろう、と思った。答えるように、あれは天使の羽だよ、という声が聞こえてきた。

 それはあたし自身の声だった。自分が自分の質問に答えることがあるんだな、と少し驚く。

 ……あれが、天使の羽、なんだ。あれを見ていると心が落ち着いてくる。恐怖や不安はまだある。だけど、自分の心を閉じてしまおうとは思わなかった。

 怖いけど、なんとかなるだろう。そう思うことができた。

 そうして、あたしは視覚を取り戻した。目の前にはネアラの顔があった。

「ネアラ?」

 呟くような声であたしはそう言った。それと同時に聴覚も戻ってきているってことがわかった。

「美穂、大丈夫?」

 ネアラの青い瞳があたしをじっと見つめていた。必然的にあたしもネアラの瞳を見つめることになってしまう。

「う、うん。たぶん、大丈夫、だよ」

 もう大体落ち着いてきている。自分でもなんでかはわからないけれど恐怖や不安は感じるのにさっきみたいに取り乱したりはしない。

「そう、よかった」

 安心したように呟いてネアラはあたしから少し距離をとった。ふと、あたしの胸の当たりに何かが当たったのを感じた。

 見てみると、緑色を基調とした宝石のようなものがチェーンに繋がれていてあたしの胸の前で揺れていた。どうやら、ペンダントのようだ。

「このペンダントは?」

 さきほどまで、あたしはこんなものつけていなかったはずだ。だとしたら、これをつけてくれたのはネアラかフェンしか考えられない。

「セラフィナイトのペンダント」

 どうやら、ネアラがこのペンダントをつけてくれたので間違いないようだ。でも、なんだってこんなものをあたしにつけてくれたんだろうか。

「なんで、あたしにこのペンダントをつけてくれたの?」

 わからないことがあれば聞くのが一番だ。特にネアラは魔法とかに関わっているから余計にだ。

「美穂の心を落ち着けるため。セラフィナイトには人の心を落ち着かせる力がある」

 そっか、突然あたしの心が落ち着いたのはこれのおかげだったのか。

「ありがとね、ネアラ」

 そうやって理解したあたしはそう言っていた。言葉だけでは足りないくらいの感謝の気持ちがあたしの中にはある。もし、ネアラがこれをあたしにつけてくれていなかったらあたしはどうなっていたかわからないから。たぶんだけど、心を閉じていれば何もできなくなっていたかもしれない。

 だから、あたしの感謝の気持ちはとても大きい。

「どういたしまして。……そうだ、さっきの美穂の様子からして何が原因でまたああなるかわからないから当分の間はそのペンダントははずさない方がいいと思う」

「……うん、わかった」

 ああなる、っていうのがなんのことを指しているのかわかったからこそ返事が遅れてしまった。あの状態になってしまったあたしは自分一人の力では立ち直ることができない。しかも、外部からの刺激をほとんど排してしまっている。だから、普通の方法でも立ち直ることができないと思う。

 そう考えるとこういう不思議な力を持ったものを持っておいた方がいいに決まっている。

「……ねえ、このペンダントについてる宝石ってネアラが手を加えたものだよね?」

 よくよく考えてみれば宝石が人の心を変えるほどの力を普通に持っているとは思えない。

 そして、普通じゃないのなら誰かが手を加えたはずだ。ネアラのような特殊な人間が。

 足りない知識であたしはそんなことを思っていた。なんだか別の方法でも作れそうな気がするけれどあたしが知っていることから推測する限りでそれくらいしか思い浮かばない。

「そう」

 ネアラは短くそれだけ答えた。あたしの考えは合っていたようだ。

「それよりも本題。美穂は、また鎌鼬が襲ってくるかもしれないって私が言ったのを聞いてた?」

 鎌鼬、という言葉にびくり、としてしまったけどそれ以上は何もなかった。どうやら、セラフィナイトの力がしっかりと働いているようだ。でも、やっぱり不安なあたしはチェーンの先についた緑色の小さな石を右手で握りしめる。

「……うん、ちゃんと、聞いてたよ」

 そうして、あたしはどうにかそう答えた。少しだけあたしの体が震えているのがわかる。

「じゃあ、鎌鼬が美穂を襲った理由は聞いた?」

 そんなこと言っていただろうか。あたしは思い返してみる。

 そんなこと、言っていたような気もするし言っていなかったような気もする。でも、内容が思いだせないのなら聞いていなかったのと同じだ。だから、

「ごめん、聞いてなかったよ」、とあたしは答えた。

「謝る必要なんてない。あんな状態でまともに話を聞けるとも思えないし、私自身それほど詳しい説明をしているってわけじゃなかった。だから、今から鎌鼬について説明する。いい?」

「うん、……いいよ」

 本当はあの時のことを思い出してしまうからあんまり聞きたくなかった。だけど、知っておかないといけない。あたしを襲ってきた鎌鼬、という妖怪がどういうものなのかということを。

 ネアラはあたしの返事に対して一度、頷くだけだった。更にいろいろと言われてから説明をされるよりかはいくらか気が楽だった。

「まず鎌鼬、っていうのはイタチの姿をしていて前足が鎌になってる」

 今日の朝あたしが見た鎌鼬が脳裏に浮かぶ。後ろ脚二本で立ち前足は鎌になっている。そして、あたしをじっと見つめる殺意のこもった瞳―――。

 ここまで考えてそれ以上思い出すのはやめた。こんなことをしても恐怖しか浮かんでこない。今は鎌鼬についての知識を手に入れなければいけない。今日あたしが出会ったあの鎌鼬そのもののことではない。

「彼らは自分の姿を風そのものに変えることができる。だから、気づかれずに腕についた鎌で襲いかかることができる。そして、その鎌の切れ味は大木でも真っ二つに出来るくらい鋭い」

 あれ?、とネアラの言葉にあたしは疑問を感じた。大木も真っ二つにできるというのになんであたしはそうはならなかったんだろうか。人の体が大木よりも丈夫だとは思えない。

 その気持ちが伝わったのか、それとも単なる偶然かあたしの心の中の疑問に答えるようにネアラが続ける。

「鎌鼬の鎌は人の体から魔力を吸い取る、という力も持ってる。だから、魔力量の多い人に対しては切れ味が鈍くなる。もし、美穂に魔力がなかったらとっくに死んでたはず」

 死、という言葉に恐怖が大きくなる。どくどくどく、と心臓が速く大きく脈打つ。心が暗い深部へと向かっていく。

 ぎゅっ、と手が痛くなるくらいに右手を握りしめる。手の中にある硬く冷たい感触を感じて沈みかけた意識が浮かび上がってくる。

「おい、ネアラ」

 フェンがネアラの名前を呼ぶ。

「なに?」

「一度、死にかけた人に死んでた、とかそういう言葉は使わない方がいいぞ」

「……それもそうか。私自身が死から離れた存在だから気がつかなかった」

「まあ、確かにそうだな。……俺自身もそうだしな」

 二人の交わした言葉の内容は理解することが出来なかった。

 死から離れた存在?そのまま意味を取るなら死なないって意味なんだと思う。でも、まさかそんなことはないと、思う。

 非現実的だからそう思うわけじゃない。ただ、死なないって言うのは寂しいことだからない方がいい、と願っているからだ。

 じゃあ、さきほどのネアラの言葉が暗喩だとしよう。あたしはその言葉に隠された意味を考えてみる。

 死から離れた存在。あたしよりも若いから死ぬのが遅いって意味なのかもしれない。でも、フェンの年齢はわからない。それにどれくらい寿命があるのか、ということも。

 うーん、と頭を働かせる。だけど、知らないことが多すぎるから仮説にたどりついても確信を得るまでにいたらない。

 だから、結局、直接本人たちに聞いてみることにした。

「ねえ、死から離れた存在、ってどういう意味なの?」

「言葉のそのままの意味」

 変わらずネアラは端的な言葉を返してくる。だけど、珍しくその声には何かの感情が交じっていたように感じた。だけど、その感情はあまりにも小さすぎて何の感情なのかはわからなかった。

「それって、要は死なない、ってこと……?」

「…………そう」

 少しの沈黙の後に静かに答えた。

「何年生きたのかなんては覚えてねえけど普通の人間の寿命よりは長く生きたな。まあ、俺たちみたいな妖怪では珍しくねえんだけどな。美穂のところにいる若藻も何百年かは生きてるだろうな」

 対してフェンはいつもの通りの口調で答えてくれた。だけど、そう思ったのは少しの間だけだった。

 よく見てみるとフェンの瞳が揺れていたからだ。その瞳からフェンがどんな感情を抱えているのか、っていうことはわからなかった。だけど、あたしの勘のようなものは寂しがっているんだろう、と思った。

 そして、それはきっと間違っていないんだと思う。

 あたしは不老不死でもなんでもないけれど生き続けるっていうのは寂しいものだと思う。知っている人たちがどんどん死んでいく。そのことで自分の時間だけが止まってしまったような錯覚を抱かせるから寂しくなってしまうんだと思う。それは、苦しくなっていくことだと思う。人と関わるのが嫌になっていくものだと思う。死にたい、と思ってしまうことだと思う。

 そんな想像だけで胸の辺りが苦しくなる。だったら、本当にこういうことを体験してきたネアラとフェンの苦しさはどれくらいなんだろうか。それこそ想像することができない。

 けど、苦しいのが本当に、本当に嫌なものだっていうのは理屈じゃなくて経験からよく知っている。それなのに、なんでネアラはこんな不思議なペットショップの店長をして人と関わったりしているのだろうか。

「ねえ、なんでネアラはペットショップなんかをしてるの?」

 だから、これは自然と口から出た質問だった。

「それは、秘密。まだ、美穂には教えない」

 教えられない、ではなく、教えない、だった。話したくない理由があるんだろうか。

 だけど、ネアラはまだ、と言っていた。それなら、これからネアラが話したくなるまで待っていればいい。それがいつになるかなんていうのはわからないけれど。

「……話が脱線した。本題に戻るけど、美穂、もしまた鎌鼬に襲われたときのことを考えて若藻を連れていたほうがいい」

「それだったら、若藻も嫌な目に遭っちゃうよ」

 外に出たら危険な目に遭う可能性が高くなってしまう。だから、若藻は外に出てほしくない。あたし自身がああいう目に遭ってしまったから他の人には余計、辛い目に遭ってほしくないと思う。

「大丈夫。鎌鼬が妖怪を襲うことはほとんどない。それに、あったとしても別の妖怪から襲われた場合だけ」

「そうなんだ」

 ネアラの言葉を聞いてあたしはほっとする。若藻が、一人でいる時に襲われたりしないだろうか、とも心配していたから余計に。

「そういえば、九尾の狐、って鎌鼬を止められるような力を持ってるの?」

 ちょっと気になったので聞いてみた。

「無理。鎌鼬に魅了の力は効かないし九尾の狐は魅了以外に妖力を使うことができない」

 その言葉にえ?、という言葉が漏れてしまう。

「だったら、なんでネアラは若藻を連れていたほうがいい、って言うの?」

「もしもの時の連絡係。今の美穂に鎌鼬を追い払うのは難しいと思うから美穂が魔力で壁を創り出して攻撃に耐えている間に若藻に私を呼びにいかせれば私が助けに行けれる」

 そういうことか、と納得する。若藻に守ってもらうわけじゃなくて危なくなったときに若藻にあたしを助けてくれる人を呼びに行ってもらうということだ。

「でも、ネアラはお店があるのにわざわざあたしを助けにくるような余裕はあるの?」

 若藻を連れていく理由もわかったし、ネアラが守ってくれるってことで多少は安心している。だけど、ネアラにはネアラの事情があるはずだ。それなのに、守ってもらうっていうのは悪いような気がする。

 だけど、ネアラはあたしの心情なんかしらないかのようにいつもの冷静な口調でいう。

「どうせ、お店の方は暇だからいい。あと、力がある人が、周りにいる人たちを守るのは当たり前のこと」

 本人がそう言っていてもやっぱり悪いような気がする。だけど、次に放たれたネアラの小さな呟きによってその気持ちは消え去った。

「……それに、これはあたしが引き起こしたようなものだからあたし自身がどうにかしないといけない」

 今までほとんど感情のこもることのないネアラの口調だったけど、このときだけは真剣な感情がこもっていた。

 それは、ネアラが本当に責任を感じている、ということだ。だけど、あたしはネアラの責任だとは思わない。だって、鎌鼬を連れてきたのはネアラではないはずだからだ。

「ネアラのせいだとは思わないよ。ネアラが捕まえてきた鎌鼬を逃がしたわけじゃないんでしょ?」

「そうだけど、鎌鼬がここにきた原因を作ったのは私。美穂は自覚ないかもしれないけど美穂の魔力は妖怪たちにとってちょうどいい量。強すぎもないし、それなりに満足することができる。だから、それを求めて妖怪たちが集まってくる」

「?でも、それだと、ネアラのせい、というよりはあたし自身のせいって感じがするんだけど?」

 あたしの魔力の量は妖怪に襲われやすい量、ということらしい。でも、いくら考えてもそれがネアラのせいだとは思えない。

「忘れた?美穂の魔力を表に引き出させたのはこの私」

「うん、そうだけど、それと今回のこととは関係ないよ。……運が悪かったんだよ」

 そう言ってあたしはどうしようもない気持ちが浮かんできた。色で表すなら黒色。

 運が悪かったっていうだけであたしはあんな目に遭ってしまったんだろうか。なんだかそんな言葉で片付けれられるのは嫌だ。だけど、ネアラのせいでは決してない。

 ネアラがくれたこのペンダントがなかったらあたしは取り乱してしまっていたかもしれない。それに、このままあたしが取り乱してしまえばネアラに自己責任を更に感じさせてしまう。

 だから、無理やり黒色の気持ちを抑え込む。それから、ぎこちないながらもネアラに笑いかけた。

「……そう思ってくれるんだ。会ったときから思ってたけどやっぱり美穂は変わってる人」

 微かに微笑みを浮かべながらネアラは言った。

「そう、かな?あたしは普通だと思うよ」

「私の個人的感想だからそんなに気にしなくていい」

 それもそっか、と思いあたしはそれ以上ネアラに変わってる、と言われたことを考えないことにした。

 ふと、先ほどまでフェンがいたはずの場所を見てみるとフェンはいなくなっていた。たぶん、居心地が悪かったからどこかに行ったんだと思う。

「………」

「………」

 沈黙が流れる。あたしはなんだか頭がぼーっとしてきた。まだ、体力が回復しきっていないからだと思う。何か話した方がいいのかな、と思うんだけど思うように頭が働かない。

 ネアラはどうして黙っているんだろうか。

 なんだかよくわからないけどあたしとネアラは見つめあうような状態で停止してしまう。

「美穂、眠いなら寝た方がいい。まだまだ、美穂の体力は回復しきっていないから」

 そっか、あたしは眠いから頭がぼーっとするんだ。ネアラに言われてやっと気がついた。

「うん、じゃあ、寝させてもらうね」

 あたしはペンダントをはずして枕元に置いてすぐにそこで横になった。フェンがテーブルを布団の前に置いてくれていたのであたしは動く必要がない。

「おやすみ、美穂。ゆっくり、眠って」

 あたしがその言葉に頷くとネアラは毛布をかけてくれた。そして、あたしはまぶたを閉じる。

 意識はすぐに途切れた。


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