第6話 神と悪魔
ふと目が覚めると、透は保健室のベッドの上だった。
「起きたか。」
風紀委員の斉藤 六華がそこにいた。
「って、言うか遅刻しただけで、アレはないんじゃないですか?」
「アレは、お前を試したんだよ。お前の力を見たかったから。」
「軽い一撃だったんだから、お前でも受けれただろう?なぜ、出さない?」
「いきなりすぎて、無理だけど…あのタイミング…」
アテナが姿を現す。
“六華とか言ったな。”
「これがお前の守護者だな。」
“そうだ、私はアテナ。戦いの女神。”
“今、ここで、さっきの続きをするか?”
「遠慮しとくよ…もともと戦う気はないから」
「校長に、確かめてくるように、言われただけだから」
さらに、六華は口を開く。
「校長が言うには、何かがおかしいそうだ」
「今まで、こんなに力があるものが、現れた記憶がないと…」
“それは同感だ。私も同じ事を考えていた。”
「あのー、いいかなー?」「俺の事は、ほったらかし?」
透が口をはさむ。
“すまない、忘れていた。体は大丈夫だな”
「全然大丈夫だよ。それより校長のところに、行ってみない?」
“そうだな。行ってみようか”
「そうね、私も報告があるし」
透、六華、アテナは校長室へ向かった…
『ドンドンドン』
「校長、いらっしゃいますか?」
「校長、いませんか?」
「斉藤さんね、空いてますよ」
「失礼します」
「報告があります。連れてきてしまいましたが…」
「いいわよ、三神君の話を聞きたいわ」
朝の出来事を話し始める六華
「彼は、力が解放されてます。」
「名は、アテナだそうです。」
「私の一撃を受けてもピンピンしてます。」
アテナが姿を現す。
“おい、不意打ちにも程がある。聞きたいことがあるなら直接聞けばいいだろう”
“私もお前に聞きたい事がある。”
“力のあるものが、次々に現れているが、どういう事だ?”
校長が話し始める。
「その質問の答えは…今の所はよくわからないわ。」
「一つあるとしたら…」
“ん?”
「神の一族がこんなに現れる時は…」
「悪魔の一族も、現れる可能性が非常に高いというところかしら。」
“やはり、そうか。”
「いいえ、これはただの憶測よ。まだ悪魔の一族の話は出てきていないわ。」
「可能性の話よ。」
“仮に、そうだとした場合、非常にやばいな。”
“全面戦争にならなければ、いいのだが…”
『キャアーーーッ』
突然の叫び声。
「中庭の方かしら?」
透がはっとする。
「中庭…二葉ちゃん?」
「それは、ないか。」
校長を残し、中庭へ向かう透達。そこで目にしたものは…