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第5話 法の女神

「呼び止めて申し訳なかったっす!」

「ニケの知り合いだったとは思わなかったっす!許してほしいっす!」


一宮が謝ってきたが、個人的には何とも思ってなかったりする。


「いや、別にいいよ。こっちは怪我一つないし、まぁ気にするな。」

「それより、一宮は大丈夫?竹刀も折れちゃったし、部活で使うやつでしょ?」


「透さん、優しいっす!無礼を許すばかりか、体の心配や、竹刀の事を考えていたなんて…」

「完敗っす!この一宮 京子、今日から透さんの事を師匠と呼ばせていただきます!」

「師匠!よろしくお願いいたします!」


「いや…一宮さん?ちょっと意味が…」


「これは、いけない!遅刻してしまうっす!師匠急ぐっす!」


(何で、こんな展開になっちゃったんだ…意味わかんねーよ…)


こうして、一宮 京子は勝手に透を『師匠』と呼ぶのであった。


アテナとニケはお互いの体に戻り学校に向かう2人。

その途中、アテナが頭の中から話しかけてくる。


“おい、透。”

「何だよ。って言うか、頭の中ではキレイなお姉さんなのに、外に出てくると、ぬいぐるみみたいな。ギャップがスゲーな。」

“うっ、うるさい!”

“キレイとか、言うんじゃない!”


「あれ?照れてるの?」

「ますます可愛いね」


『ポン』


“おい、あまり調子に乗ってると、私がお前を切ってもいいんだぞ!”


そう言って、剣を向けるアテナ。その顔は、怒って赤いのか、照れているのか、わからない表情だった。

そして、また中に戻り話を続けた。


“ニケ、彼女は昔、私の側で戦った女神だ。彼女がいると負ける気がしなかった。勝利の女神とはよく言ったものだ。”


「うんうん、それで」


“それはいいとしてだ。そもそも私たちは、外の世界には出ては行けないのだ。なのに、私といいニケといい…昨日の女の子、彼女にもいる。何かの前触れの可能性が高い…”


「何かって何?脅かしてんの?」


“脅しと言うよりも、現実に起こりうる話だ。”

“まだ多くの物が姿を表すことも考えられる。その時はその時だが…”


心配そうなアテナだが、透は深く考えてはいなかった。状況を理解できてないと言うのもあるが、ノーテンキなだけかもしれない…


2人は学校へ着いた。ギリギリのところで一宮はチャイムと同時に、門をくぐりセーフ。透は門を抜けられなかった。


無視して中に入ろうと思った矢先…


「おい、お前!堂々と中に入ろうなんて、いい度胸してるじゃないか。」

「この私、風紀委員の斉藤 六華を前にして越えられると思うなよ!」


「いや、あの、いつも見逃してもらってるんだけど…今日は厳しいんだね。」


「ええい、うるさい!今は私が法律だ、それでも通りたいなら、覚悟しなさい!」


「出でよ!法の女神、テミス!」


「えっ!?この人も…」


「やはり、お前にも見えるか、校長の言った通りだな。お前の力はなんだ?早く出した方が身のためだぞ。ん!」


「こないなら、私からいこう。」

「ゆけー、テミス!」

“法の裁きを与える!リーガルフォース”


『ズドォォーン』


一撃で透はKOされてしまった。

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