第1話 僕の家系
僕の名前は「三神 透」あの日が来るまでは普通のありふれた高校生だった…。
あの日とは、高校1年の16歳の誕生日を迎えた時だ。
16歳の誕生日の朝、いつものように目覚ましが鳴り響く。
『ジリリリリリリィィィン♪』
『ジリリリリリリィィィン♪』
「はいはい、起きますよーzzz」
『ジリリリリリリィィィン♪』
『ジリリリリリリィィィン♪』
と、まあこんな風に毎日同じ事を繰り返していたわけだ。
顔を洗い、部屋に戻り着替える。
「ん?何だこれ?」
「何で腕が汚れてるんだ?」
鏡に映る自分の体、肩から二の腕にかけて何か黒いものが…
よくよく見てみると。
「エーーーッッッ!タトゥー?何で?急にタトゥーが出たけど…」
『バタバターッダンダンダンダン!』
急いで一階に駆け下りる。
「かあさーん!おやじー!」
「何だ、朝から騒々しい!階段くらい静かに下りろ!」
「違うんだって…、見てよこれ!タトゥーだよタトゥー!」
「あぁ、見ればわかる。それがどうした?」
「エーーーッ!何でそんな冷静に返せるわけ?記憶にないんだけど…」
「そうか、今日は16の誕生日か。まあビックリするのも無理はないな。
とりあえず、そこに座りなさい。」
言われるがままにソファーに腰をかける。
「誕生日が来てから話そうと思っていたんだがな、うちの家系は神の家系なんだよ。」
「!?!?!?!?」
「母さん!ちょっとこっちに来なさい。」
「はい、あなた。」
「背中を見せてあげなさい。」
「はい。」
「母さんの背中にもあるだろう、透と同じタトゥーが。」
「って言うか、意味わかんねーし…。神の家系とかタトゥーとか…。」
「厳密に言うと、母さんの家系が神の血を引いている。私の家系はただの人間なんだよ。
その昔、行き場を無くした神たちが人間界に舞い降りた。
自ら望んで降りてきたもの、追放されたもの。理由は様々だ。
ただ、この世界で暮らすには力が強大すぎる。そこで彼らは自らの血を薄める事でこの世界に馴染もうとしたんだ。結果的に薄める事は出来ている。だが、何故か神の血を引くものは16歳の誕生日を迎えると体に紋章が浮かび上がり能力が生み出されてしまう。だから、それはタトゥーではなく、神の紋章なんだよ。」
「マジ?全然意味わかんないんだけど…?」
「そのうち、貴方にもわかるはずよ。神の血を引く意味が…」
「母さん………。ん?ってー遅刻しちゃうよ!とりあえず学校行ってくるわ!」
この日を境に、僕の不思議な学園生活が始まるのだった。