壱
彦星の ゆきあひを待つかささぎの 門わたる橋を 我にかさなむ ─ 菅原道真 ─
(新古今和歌集 巻第十八 雑歌下)
朔*の夜。
月のない夜闇に紛れ、ひとりの男が、帝のおわす内裏にもほど近い広大な邸の築地塀を越える。
わずかに白の閃く濡羽色*の袖を翻すその姿は、まるで異国の鳥を思わせる。この者こそが、近頃都で口さがない人々の噂の的となっている、『鵲』だ。
孤高の盗賊のように、いとも易々と殿上人の邸に忍び込んだその男が盗み取るのは、姫君たちの心。
ことの果てたのちの女の枕許には、黒い碁石がひとつ。そしてそれっきり。
心奪われたとて、二度と逢うことは叶わぬ男への高貴な女たちの嘆きが今、この都を覆っているという───
「……ですから、どうかお気をつけ遊ばしませな、姫さま」
開け放たれた半蔀から差し込む夏の朝の光を頬に受け、乳姉妹の葛葉に髪を櫛梳ってもらっていた彬子は、その言葉に思わず振り返った。
「なあに? 朝から何の話かと思ったら……。それが、このところ皆がこそこそ話している、鵲の君とやらのこと? ばかばかしい───」
「ばかばかしい、ではございませんわ、姫さま」
そう言いながら、彬子の頭を両手でぐいと鏡に向かせ、再びその黒々とした髪をまとめて葛葉は続ける。
「聞くところによると、鵲なる者が忍び込んだ邸はことごとく殿上人、それも名だたる上達部*のお邸ばかり。姫さまとて三条右大臣派の一の大納言家の姫君なれば、いつ忍び入られるやもしれず」
「そもそも、その噂がまことかどうかも分からぬのに……」
腑に落ちぬといった様子の彬子は、そう言って首を傾げた。
「それに、大納言家のと言っても、わたしは劣り腹ですもの。その、鵲の君とやらも、わたしを狙うようなことはないでしょうよ。それならば、二の姫こそ心配すべきではなくて?」
「またそのようにご自分を卑下なさる。よろしいですか? 咲耶さまの母君は、北の方のお腹ではなかったにせよ、前の兵部卿宮さまの姫君。何を卑屈になることがございましょう?」
「……落ちぶれた姫君の、ね」
より煌めきを増した光の中で、いつの間にか姫さま、ではなく幼い頃の呼び名に戻っていることにも気づかぬほどの葛葉の勢いに呑まれた彬子は、小さくため息をつくと無意識に左の首筋に手を遣った。
それを目敏く見つけ、葛葉はまた声を上げる。
「ほら咲耶さま、またお触りになっていらっしゃる。触れれば触れるほど痕は濃くなってしまいますと、いつも申しておりましょう? それに、咲耶さまのこの豊かな髪のお陰で、どなたにも見えませぬ。どうか、お気になさいませぬように」
「……なんだか、今日の葛葉は、いつにも増して口うるさいわね」
彬子はもう一度ため息をついて、ゆっくりと指を離した。
そこには、子どもの指一本分ほどの引き攣れた古傷。時を経て、もうほとんど色を失い目立たなくなってはいたけれど、それでもおおよそ高貴な姫君の姿には似つかわしくない、大きな傷だ。
「気になどしていないわ。本当よ。ただ……お母さまの話などするから、いろいろと昔のことを思い出しただけ」
そう言って瞳を伏せた主人の様子を鏡越しに見た葛葉は、出かかった言葉を呑み込み、それからこっそりくちびるを噛む。
あれから七年。もう七年なのか、まだ七年なのか───
「さ……あ姫さま。早くお支度を終わらせてしまいましょう。姫さまのお髪はまこと、多くて長いのですもの、大変ですわ」
己を奮い立たせるようにそう言った葛葉はまた、泔坏*の水に浸した櫛を彬子の髪に通した。
七年の間に、彬子の髪は背丈を越すほどに長く美しくなった。己と歳の変わらぬ主人が、あたかも蛹が蝶に変化するが如く美しくなっていくのを、高貴な血とはこのようなものかと眩しく思う。そして、その美しさを思うたび、今の彬子の暮らしを切なく感じてしまうのだ。
劣り腹という、あからさまな差別を与えられた今の暮らしを。
だから、葛葉は乳母子として、なんとしても彬子には素晴らしい公達と縁を結んでいただかねばと考えている。そのためには、幾千度と髪を櫛梳ることも厭わないし、その身体を傷つけることは、たとえ彬子本人だって許さないのだ。
そして何より、『鵲』のような者に彬子を穢されるようなことがあってはならない、決して。
「ねえ、葛葉」
鏡の中から彬子が呼びかける。
「わたしは、今の暮らしで幸せなのよ。忘れないで」
そう言って淡く微笑む鏡の中の主人の顔を、葛葉はじっと見つめた。
あの頃はよかった、と過去を懐かしむのは容易い。
それが、無垢な思い出に彩られた瞬間であればなおさら、もはや手が届かぬからこそ輝いて見えるものだ。
それでも、と彬子は思う。
もしもあのまま、父を拒んであの場所で暮らしていたなら、すでに命は尽きていたやもしれぬ。
たとえあの時、あの幸せを手放さなかったとしても、それはきっと、ほんの少しその時が延びただけだったろう。
今、彬子は生きている。否、生かされている。
そして、あの頃ともに生きていた大切な人たちは、今も彬子の心に生き続けている。
だから、多くは望まぬ。
ただこの、愛おしい思いの詰まった心を守ることさえできれば───あの頃のあたたかな記憶さえあれば。
彬子は、闇の中でもきっと生きていける。
***
今年で十六になった彬子が、生まれ育った嵯峨を離れ、父の邸に引き取られたのは九つの頃。
それまでは父に顧みられることもないまま、落飾して嵯峨に小さな庵を結んだ祖母の許で、母や乳母、そして、ほんの少しの身の回りの世話をする者たちとともに、ひっそりと暮らしていた。
あたりには寺や、祖母と同じような世捨て人の庵が点在し、そのはざまに風流を気取った都の貴族の別荘があるような静かな鄙の地で、土地の者たちと交わり、彼らが育てた菜や桂川の魚を譲り受けて送る暮らしは、貴族のそれとは大きく違っていたけれど、あたたかな愛情に満ちたつましい日々はこの上なく幸せだった。
祖母が前の兵部卿宮の妻の一人であったことも、だから母が宮筋の姫であることも、そしてまた、その母を見初めた、当時は少将だった父が物珍しさからほんの一時期だけ足繁く通い、授かった子が彬子であったことも、その土地の者たちは知らなかった。それでも、明らかに自分たちとは違う彬子たち家族を彼らは受け入れ、女だけの暮らしはさぞ心細かろうと支えてくれたのだった。
彬子は、祖母や母から書や和歌、音楽から裁縫までの手ほどきを受け、熱心に学び、その合間には近くの子どもたちと野山を駆けまわって過ごした。咲耶と鄙めいた名で呼ばれ、衵*の裾を絡げて走りまわる彬子を守るように、絶えず乳母子の葛葉と雑仕の子の乙丸がつき従い、叢の中の小川が流れ込む池から、面白い形の大きな岩のあるところ、とりどりに咲き誇る花園まで、彬子たちの知らぬ場所はなかった。
身分の差なく遊び、笑って過ごした日々は、それだけで何ものにも替え難い、光り輝いた瞬間だった。
***
朝の身支度が終わったのち、彬子は葛葉がいないのをいいことに、開け放たれた御簾の近くまで文机を引っ張り出した。すでに高く昇った眩い陽の光が、廂に置かれた文机のまわりにきらと飛び散り、彬子の口許がわずかに綻ぶ。
嵯峨に暮らしていた頃には、こうして光を浴びて過ごすことが当たり前だったのに、都の邸に暮らすようになってからは、光も届かぬ薄暗い対屋の奥のそのまた几帳の陰に、まるで押し込められるかのようにして時を過ごさざるを得なくなった。
それが都に暮らす高貴な姫として当然のこと、これだから鄙育ちは、などとあからさまな態度を邸の女房に見せられれば、彬子を守るのに必死の葛葉は、もう二度と端近に寄ることを許してはくれなくなったからだ。
母が遺してくれた書を繰りながら、ほんのひととき許された陽の明るさに身を置くことが、今の彬子にとってささやかな喜びとなっている。
じっとしていても汗ばむほどの陽気に、薄紫の羅の袿を重ねた彬子がうっとりと顔を上げた時、姫さま? と呼びかける声とともに葛葉が戻ってきた。案の定、金切り声が飛ぶ。
「姫さ……ま、まあまあま! このような端近にお寄りになられるなど……!」
「いいじゃないの。今日はほら、こんなに気持ちのいい───」
「なりませぬ、咲耶さま! 万が一、殿方にお姿を垣間見られでもしたら……早う、うちに!」
葛葉に叱られて気落ちする彬子でもないが、この点で反論しても無駄だと分かっているので、小さくため息をついて独りごちる。
「……だから、私のような劣り腹の姫を見ようとなさる殿方など、おられぬと思うのだけ……ど」
葛葉にきっ、と睨まれて、彬子は首をすくめ口ごもった。
せっかく彬子が明るい場所に置いたばかりの文机を、再びせっせと暗い奥に運び入れながら、葛葉は続ける。
「咲耶さまは全然、まったく、お分かりになっておられぬのです。いつも申しておりましょう? 咲耶さまは一の大納言家の一の姫君、迂闊なことをなさって、もしものことがあったらいかがいたしますか? 殿にも亡くなられた母君さまにも申し訳が立ちませぬ。もっとお気をつけ遊ばさねば───」
「はいはい、分かりました。……もう聞き飽きたわ」
「聞き飽きたくらいなら、このようなことはしないでくださいまし」
畳み被せるようにそう言うと、葛葉は文机の前に茵を置いてぽんと叩き、さあ姫さま、と彬子を振り返った。庭に目を遣っていた彬子は、暗がりに沈む茵を見て大仰に吐息を零す。
「……小さい頃はよかったわね。好きなだけ外にいて、走り回っていたもの」
再び陽の当たらぬ暗い影の中に入り、のろりと茵に腰を下ろした。一瞬でも輝く陽差しに慣れた目には、几帳の陰はなおさら暗い。
「あたたかな陽の光を浴びることができぬことだけは、昔の暮らしを懐かしく思ってしまう」
そう言いながらも、彬子はどこか醒めた心のうちで自分の言葉を否定するように、違う、と呟いた。
数えきれぬほどの者たちが働くこの広大な邸で、彬子はほとんど他の者たちの気配を感じぬ日々を送っている。それは、ただ邸が広いからだけではない。皆、彬子の住まう西北の対を避けているからだ。
誰もが、北の方腹でない姫君に関わってもろくなことはない、と考えている。葛葉と、仕方なく役目を仰せつけられた数人の女房たちのほかにはほとんど誰も足を向けぬ、この西北の対はひやりと冷たい。本当は、あたたかな光を浴びることができぬことが淋しいのではない、人のぬくもりが足りぬことこそが彬子の心を苦しめるのだ。
彬子の父である一の大納言は三条右大臣の弟、今上の外戚として我が世の春を謳歌する三条右大臣派の一人である。右大臣家の姫君は女御として帝にお仕えしており、幼い一の宮は春宮宣下を受けられたばかり。たとえ北の方の子でないとしても、彬子の身分は充分に恵まれたものであるはずだ。
だが、ここにきて今、その栄華に暗雲が立ち込めている。
帝のご体調が思わしくないのだ。春宮は未だ四歳で、妃を迎えたとしても御子が望めるようになるまで最低あと十年はかかるだろう。万が一、近く春宮が帝にお立ちになられたとしても、そのあとはどうするのか、それは右大臣派の大きな問題となっていた。
だからだろうか、ここ最近、邸の中もどこか張りつめた空気が漂っている。そして、その憂さ晴らしをするかのように、女房たちは暇さえあればこぞって『鵲の君』の噂を囁き合っている。
三条右大臣派の中でも軽んじられている彬子にとっては、そのような事情はほとんど関係ないはずだけれど、ただ、少しばかり気がかりなことがある。
彬子は文机に頬杖をついて、読むとはなしに書をめくっていたが、さまざまな物思いが次から次へと浮かぶばかりで一向に頭には入ってこなかった。
仕方なくぱたんと書を閉じ一言、暗くて読めやしない、と彬子がこぼすと、そうでしたわ、と後ろに控えた葛葉が思い出したように手を打った。
「久方ぶりに、母から文が届いたんです」
それを聞いた彬子は、頬杖からぱっと顔を上げた。
「本当に? 讃岐は元気に暮らしていて?」
「ええ、今は気候もよいので、調子も悪くないようです」
「よかった……。それで? 他には何が書かれていたの? 嵯峨の様子は?」
身を乗り出すように尋ねる彬子に、葛葉は胸元から文を取り出し視線を落とした。
「咲耶さまのことを気にかけております」
「会いたいわ……いつか」
それはでも、きっと叶わぬこと。そのことを、二人とも痛いほど分かっている。
ぽつんと落ちた気づまりな沈黙を払うように、葛葉が言った。
「これ……、いえ、乙丸を覚えておられますか、姫さま?」
その懐かしい名前に、思わず声をあげる。
「乙丸……あの乙丸!?」
「ええ、乙丸も今は元服して惟忠と名乗っているのですけれど、つい先頃、子が生まれたとか」
「子が……?」
彬子は少し不思議そうな顔で訊き返した。
それもそのはず、彬の記憶の中に生きる乙丸は未だ、十ばかりの童だ。
その乙丸が元服し妻を持ち、そして今、子を持つ父となったと言われても、想像もつかなかった。
「実は咲耶さま、何やら最近、母の許に身元の知れぬ男が幾度か姿を現したようで……」
それを聞いて、彬子は思わず眉をひそめる。
「何者なの?」
「それが全く分からぬようなのです。都の者らしいのですけれど……。それで、母が不安を訴えますもので、惟忠を探し出して母を見てもらえるよう頼んだのです」
「葛葉が?」
問われて頷く葛葉を、彬子はまじまじと見つめた。
常日頃思っていることだが、彬子の乳姉妹である葛葉は、少々口うるさいものの、かなり有能な女房だ。彼女がいてくれるから、この邸での暮らしも何とか平穏が守られている。彬子にもそのことは痛いほど分かっているから、たとえ言葉の上では反発していても、結局は葛葉の言うことを聞くと決めている。
「なんて気の利くこと。本当におまえは女房の鑑ね。讃岐もおまえのような娘がいて、さぞ心強いでしょう。……それにしても、よく乙丸が見つかったものね。もう七年も経つのに」
「ええ、それはもちろん、少しばかり伝手を頼みましたわ。嵯峨からそう離れていない地で、ささやかな暮らしを送っていたようです」
「そう……」
頷いた彬子の心は、すでに遠くなってしまった嵯峨での日々を憧れに満ちたまなざしで見つめる。
お祖母さまとお母さまがいらして、葛葉がいて乙丸がいた、鄙の地で過ごしたあの幼い幸せな日々。
春も夏も秋も冬も、毎日野山を駆けまわった。花を摘み、虫を捕らえ、雲を追いかけて笑い合った。
「乙丸は身体が小さくて身軽で、気づけばいつも木に登っていたわね。秋になると、柿をもいでくれた」
彬子が言うと葛葉は一瞬口ごもり、それからふっ、と笑いを零して続けた。
「覚えておられますか? 一度、皆でかぶりついた柿が、それはもう渋くて渋くて……咲耶さまは目に涙を浮かべてらっしゃるし、もう、どれだけ乙丸を叱ったことか」
「そんなこともあったかしら? わたしは美味しい柿のことしか覚えてないわよ? 葛葉は執念深いのね」
悪戯っぽく、ふふ、と笑うと、葛葉が顔を赤くして咲耶さま! と声を荒立て、それを見た彬子はまた、ころころと笑った。
おませな女童であった葛葉が、年上の気のいい乙丸を叱り飛ばすのはしょっちゅうだった。
遊びのお膳立てをするのはいつも乙丸で、それに葛葉は、やれ手際が悪いだの、きちんと見ていないからだの、何か起こるたびに容赦なく責めたてたのだった。
そう……あの時も。
「───耀君は、どうしているのかしら」
はっと顔を上げた葛葉は、ぽつりと呟いた彬子の指がそっと首筋に触れるのを見て、視線を逸らした。
「……実はわたしも、ずいぶんと手を尽くして探させたのですが、若君さまのことは結局分からずじまいで……」
彬子の指が傷を撫でているのを目の端に捉えながら、葛葉は申し訳なさそうに頭を下げる。
「そう……」
彬子は大きく息を吸い込み、そして、大きく吐いた。
触れてはならぬもののように、腫れ物にでも触るかのように、これまで口に載せぬようにしてきた『耀君』という名を、もう一度胸の奥にしまい込む。
薄暗がりに沈む袿の色が、伏せた瞳に映る。嵯峨でよく遊んだ、紫陽花の茂みを思い出した。
「せめて乙丸にだけでも……いつか会いたいわ」
主人の孤独な呟きに葛葉は、そうでございますね、いつか、と心の中で答えた。これもまた、叶わぬ願いだと知りつつも。
その時、少し離れた簀子から、女房の声がした。
「嵯峨の姫さま、西の対の女房が参っております。もうじき、二の姫さまお越しになられる由」
そのかたい声に大仰に溜め息をついたのは、今度は葛葉の方だった。
仮にも大納言家の一の姫である彬子を、『嵯峨の姫』などとよそよそしく呼ばうのは、北の方の手の女房たちだけだ。
「……またおいで遊ばしたのですね。いったい、何のご用事やら」
うんざりと葛葉が言うのに、彬子は気にもせぬ風に笑った。
「いいではないの。わたしは好きよ、二の姫のこと。それに二の姫だけだもの、わたしを訪ねてくださるのは」
そんな彬子の言葉に、葛葉は渋々腰を上げると、几帳を動かし座を設え始める。
間もなくして、やわらかな衣のざわめきとともに、二の姫が姿を現した。
朔
新月のこと。旧暦では月が満ち、そして欠けていくと1ヶ月でした。新月の日をひと月の1日めとし、月立ちと呼んだことから転じて、一日というようになりました。ゆえに、朔のことも「ついたち」と読むことができます。
濡羽色
からすの羽のように、濡れたような艶のある黒色のこと。
上達部
殿上人のうち、摂政・関白・太政大臣・左大臣・右大臣・ 大納言・中納言・参議、および三位以上の人たちを特に指してそう呼びました。ちなみに、参議は四位ですがこれに準ぜられました。公卿も同じ意味。
泔坏
整髪の時に、米の研ぎ汁を入れる器のこと。この時代、米の研ぎ汁に浸した櫛で髪を梳かしていました。
衵
裳着を行う前の女の子が上着として着る衣のこと。袿より裾を短く仕立ててあります。
───こんばんは。
今宵は七夕。皆さまの願いごとが叶いますように。
新しい物語をお届けいたします。お楽しみいただければ幸いです。