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カズヤ1

 赤い飛沫が目の前に飛び散り、遅れて右肩に痛みが走る。

「チッ」

 オレは一つ舌打ちをすると左腕を前に出す。


――攻撃プログラム発動、パターン3登録、始動――


 頭の中にそのような言葉が響く。と、ブオンッという音とともに左手の平から輝く剣が現れる。同時にオレは足を踏み、一気にガルデルムの眼前へと迫る。

「でりゃああっ!」

 掛け声とともにガルデルムの頭上へと剣を振り下ろす。

 だが、ガルデルムはそれをあっさりと横へとかわす。

 続けて、地面に剣が届く前にオレは勢いをのせた剣を横に振り払う。

 今度は手応えがあるが、それはガルデルムの手で止められていた。その腕が微かに光っていることから、ヤツも能力を使ってこれを受け止めたのだと分かる。

 オレは後ろに飛び退くと、体勢を整える。

「なるほどね。この前よりもそのアームとやらの扱いがうまくなっている。その上、お前自身の運動能力も常人並ではない。しかし…これが避けられるか!?」

 再びガルデルムが上にかざした手から、今度はいくつもの閃光が放たる。

 それらの光は全てオレへと一直線に向かってくる。

「甘い」

 ぽつりと呟く。

 オレには自信があった。このアームの強さに絶対の自信が。

 このアームさえあれば負けるわけがない。どこからこの自信がくるのだろう? どういう訳かオレはそう思っていた。


――防御プログラム発動、パターン1登録、始動――


 また頭の中にそのような機械音のような言葉が響く。と同時に、目の前に光の盾…というよりも、金色のベールの様な物が現れる。

 ガルデルムの発した光の槍は全てそのベールに弾かれ、何もなかったかの様に虚空にかき消えていく。

 しかし、そこに一つの影が現れ出る。

「ガルデルム!」

 オレは咄嗟に後ろへ飛び退こうとするが間に合わない。

 ガルデルムは右手に目も眩まんばかりの閃光を携えていて、それをベール越しに叩き付ける。

 そう、始めの攻撃は囮だったのだ。オレを油断させ、この攻撃を確実に命中させるための。

 ベールは一瞬その拳を受け止めたかのように見えたが、ベールを突き抜けた光をまとった強力なブロウがオレの腹へと叩き付けられる。

「ぐはあっ!」

 オレはそのまま十数メートル後ろまで吹っ飛ばされ、地面に激突する。

 間髪容れずにその場に膝が入る。

 喉から込み上げてくる不快なものを何とか堪えると、オレは横に転がってそれを避ける。


――攻撃プログラム発動、パターン1始動――


 飛び退きながら光の砲撃を撃ち放つ。だが、ヤツは空中へとひらりとかわす。

 空中に飛び上がったが為に動きに制限が出来るかと思ったが、そんな事は無かった。

 オレが追加で放った連続する光の砲弾を、ガルデルムは空中で上下左右に自由に動き回って全て避けて行く。

 だが、そのままでは終われない。


――パターン2変更、始動――


 オレはすかさずヤツを追って左腕を伸ばす。その先からは、光の蔓が伸びていく。蛇の様にその蔦はガルデルムを追い続け、ついに獲物を捕らえる。

 ヤツのもとに届いた光の蔓は、その腕に巻き付くと動きを止めた。

「何?」

 予想外だったのか、ガルデルムは驚きの表情を浮かべたようであった。

 だが、オレにはそんなものを気にしている余裕などない。

 左腕を一気に引きつけると、それに引っ張られてヤツはバランスを崩し、地上へ向けて引き下ろされる。

 オレは反動を利用して、ぐっと地面を踏み込むと宙へと跳び上がる。


――パターン3変更、始動――


 目前に迫ったヤツの体へと、光の刃へと変化した蔓をオレは逆袈裟に振り上げる。

 確かな手応えを感じたオレは、再び刃を振り下げようとして唖然とする。

「なっ、いない?」

 確実に手応えはあったはずだ。だがしかし、そこには既に何も存在していなかった。

 そして背後から、

「ジ・エンドだ」

と、冷ややかな声と共に、冷たい物が「カチャリ」とオレの後頭部に当てられた。


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