親友
「どうしたの、カヨ!?」
チャイムが鳴ったので家のドアを開けるとカヨコが泣いていた。
「は、入って」
「ありがとうぅ」
一体何があったのか、全く分からない。
私はカヨを部屋に入れた。
「で、どうしたの?」
「うぅ、あのね、健介ったら酷いのよ」
「なんだ、彼氏とケンカ?」
心配して損した。いつものことじゃないの。でも、泣く?
「私別れる! もつあんな奴好きじゃない!」
「えー、もうすぐ1年でしょ? せめてさぁ」
「健介とは私合わないよ。ただ······」
凄いペースでウチのティッシュを消費しながらカヨは目を伏せた。
「嫌いって言えないよ······」
「素直に謝ってきな?」
カヨなら相手だって嫌いになってないよ。なれないよ、きっと。
「そうだね、ごめんね急に。悩み打ち明けたら楽になるの」
はいはい。そんなこと言われると照れるな、はは。
「さ、善は急げ。どこなの?」
「市営水族館」
「はぁ!? バス使っても30分は掛かるでしょそこ!」
「だって、悩み相談して楽になりたかった······誰でもいいわけじゃないの!」
カヨはそう言ってバタバタとウチから出ていった。大声で言った「お邪魔しましたァー!」は後から聞こえた。
まったく、嬉しいこと言ってくれるじゃん
あー、友達って大切(笑)
読んでくださりありがとうございます! 感謝ですっ。