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俺が研究員!?

この話ではまだ魔物が出てきません!次では必ず出します!

5月29日取調室?

刑事ドラマでしか見ない机、刑事ドラマでしか見ないカツ丼、エイリアン映画でしか見ない黒服、俺は非日常にいた。

「君さぁ、見ちゃったよねぇ?うん?うん?うーん?」

あのあといきなり黒服に縛り上げられ変な薬を打たれ、起きたらこの状況に陥っていた。

このうんうん言ってるロン毛の危なげな人が黒服のボスなのかな?と全く関係ないことに思考を巡らせていると、

「おっと自己紹介が先だね!僕は遠藤英治えんどうえいじ、ここの研究所のボスでね」

ボスだった。

「君はM大学法学部1年二月覚君につきさとる18歳家族構成は父、母、姉、へーフィリピンとハーフなんだ見えないね~」

一瞬背筋が凍る。なぜそんなことまで知られているのだろうか。

「ずっと日本で生活してますし、見た目もアジアとアジアとのハーフなんでそこまでかわらないんです」

「・・・・・・いいね混じり・・・・」

「えっ?」

「あーなんでもないない!!まあここは研究所だから研究をしてるわけだけどー、どんな研究してるかわかる?察しがついているかもしれないけど~」

「全然察しつきませんけど」

「じゃあお兄さんが説明したげよう!」

15年前日本、中国、フィリピン、アメリカ、ロシアの五国で空間に謎の亀裂が入る。次第に亀裂は大きくなり、そこから未知の生物がなだれ込んできた。五国は民間人がパニックを起こさないように事実を隠蔽しながら亀裂に対応していた。隠蔽にも限界を感じ始めた五国は秘密裏にサミットを開催して協力体制を組むことにした。この時、未知の生物を<魔物(umbra)>と命名した。(日本では魔物まものと呼称される)そこから13年にわたる人魔の戦いが始まる。この戦いを人魔世界間大戦と呼称する。13年にもわたる人魔世界間大戦は魔物軍側の撤退で幕を閉じる。五国は再度魔物軍が攻めてくると予想し、魔物の体の仕組みや生態を調べ次の戦争に備える魔物研究を開始する。しかし民間にこれを発表せず、この研究は秘密裏に行われてきた。

「ということ~」

遠藤は友達に昨日見たテレビの内容を話すように軽い口調で言った。

「信じられないかな~?」

「普通なら信じませんけどその魔物見ちゃいましたから」

遠藤は俺のその言葉を聞いた瞬間待ってましたとばかりにニヤリと笑い、

「見ちゃったならもう死んでもらわなきゃね~」

「え?」

「極秘だからごめんね~」

そう言うと懐から拳銃を出し俺の額に当てた。

「うあああああああ!!何なんだ!!いきなりこんな所に連れ込まれて挙句に死ねだぁぁぁ!!何様だお前!?」

―――バンッ

「イッ!?」

遠藤は拳銃を左下にスライドさせ発砲した。

「だまれ」

さっきまでの笑顔が消え、拳銃の砲身の先からは煙が立ち上る。

「でも一つだけ生き残れる方法があるんだよ!」

「そ、その方法はなんですか」

遠藤は笑顔を浮かべ拳銃を懐え戻し右手をこちらに向けた。

「民間人やめて、僕の仲間にならないかい?」


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6月5日魔物研究所前?

俺は驚いていた。黒服を着た男に案内され森の中を歩き、目的地についたのかよかったが

「ボロッ・・・・」

場所が場所なら近所の子供におばけ屋敷と不名誉極まりないニックネームを付けられそうなほどにボロい、大きめの一軒家らしき建物があった。

こんな所が魔物研究所のはずがない!特別な設備ゼロじゃん!!と心の中で叫んでいると、

「二月さん、ここが新しくあなたの家であり仕事場になる魔物研究所です」

魔物研究所だった。

「さあ中へ入りましょう」

「は・・はい」

まだ中はすごいかもしれない!!というかすかな希望を胸に足を前に動かした。


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5月29日取調室

「そんなのYESしかないじゃないですか」

「よかった~」

俺は遠藤の右手を握り返した。

「僕は何をすればいいんですか?」

「積極的だねーいいよ~積極性~大事大事」

遠藤は真面目な表情を顔に貼り付けると、

「君には魔物研究をしてほしいんだよ!つまり研究員になってほしい」

と言った。

「そ、そんなの僕が研究員にですか?魔物のことなんて全く知らないですよ?それに生活があります!大学に行かなきゃ!」

俺は別に博士号を持っているとか、生物学の権威だとかでもなく、そこらへんにいる大学生であったため抗議の声を上げる。

「大丈夫大丈夫、この世界には魔物のことをよく知ってる人なんていないから」

「僕にはできませ」

―――バンッ

俺の抗議など受け付けないと拳銃を鳴らした。

「できないかじゃない・・・やるんだ」

「・・・・はい」

「二月君には早めの夏休みをプレゼント~、親御さんには住み込みのバイトってことで・・・・ドヤッ!!」

俺は遠藤のドヤ顔にむかっ腹がたったが拳銃が怖いので静かにしていた。

「二月君にはね~魔物の体の仕組みを調べて欲しいのよ」

「僕解剖なんてできないですよ」

「えっ、ああハハハハ違う違う!ププッウフフフッ。」

相当ツボに入ったのか笑い続ける遠藤、

「なんなんですか!変なこと言いました?」

「ああごめんごめん。」

「いいですけど。」

遠藤はようやく落ち着いたのか席に座りなおす。

「魔物は死んだあと霧散して死体を残さないし、麻酔を打って解剖しようとしても麻酔が効かない、皮膚を切っても切ったそばから再生するから解剖なんてできないんだよ。人魔世界間大戦では打撃が主だった攻撃法だったらしいよ」

「よく勝ちましたね人間」

まったく信じられない話であったが、先ほど助けた一つ目の女の子が車に突き飛ばされてもピンピンしていたのを思いだした。あれ打撃効いてない!

「まあそんな話は置いといて」

「はい」

「君には研究対象まものと一緒に暮らし、その生態や体の仕組みについて調べた調査書を出してもらいたい。あとその研究所での研究対象との出来事を日記として書いて欲しいかな」

「はぁ、でもどうやって調べるんですか?」

「特別な器具を使ってね!取説置いとくから」

「あとどうやって魔物を連れてきて暮らすんですか?敵なのに」

そうそうに魔物との生活に不安を感じながらも素朴な疑問をぶつける。

「魔物軍撤退の際にね、亀裂を閉じちゃったんだよあいつら。そこで魔物の難民が出ちゃってそれを保護してあるんだ~、でも残念なことに戦闘要員じゃないメスの魔物ばかり残ったからオスが少なくてね~、多分メスが君の所へ行くけど仲良くしといてね!研究も生活も楽になるだろうから」

頭の中にあの女の子の顔がよぎった。

「メスってもっと言い方が・・・」

すると遠藤の顔から表情が消え、

「だって化け物のメスでしょ?」

当然だろといった感じで顔を傾けるた。

俺はそのあと遠藤から詳しい仕事の内容、場所と日時などを教えてもらった。


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6月5日魔物研究所内

剥がれたままになっている壁紙、穴がちょくちょく見当たる床、

「埃一つ無いですね!・・・・・ボロですけど」

ボロだった。

「まあ掃除はしましたから!・・・・・・ボロですけど」

黒服は申し訳なさそうに苦笑を浮かべ、二月は自分が修理しなければいけないのかとため息を漏らした。

黒服は嫌な空気を感じ取り早々と案内に戻った。

「ここが遠藤さんが言って特別な器具が置いてある部屋です」

―――キィィィィ

木製の重いドアを押し開けると中には大きな机、スケッチブック、調査書用紙、そして

「ルーペ?」

とルーペの取説だけが置いてあった。

「このルーペは膨らんだ方から見て使用してください。見たい物体からレンズまでの距離を6~8cmが見やすい距離です・・・・・・・こんなんで研究できるかー!!!」

叫び声を上げる。

「抑えてください二月さん!!これ普通のルーペじゃありませんから!!」

黒服はどうどうと、俺をなだめルーペの説明をしだす。

「そのルーペを対象に当ててスキャンと言うと政府の魔物対策部門に写真が送られて瞬時にその魔物について今現在分かっていることがそのルーペに映し出されるというものすごいルーペなんです!」

「そ、そうなんですか」

落ち着きを取り戻し、ルーペをまじまじと観察してみる。どこからどう見ても普通のルーペだ。

「スキャン!」

―――ブブーン

試しにルーペで黒服を見てみる。

―――データがありません

―――新種の可能性あり

―――容姿の似ている魔物ゴーレム

―――ゴーレムについて詳細を出しますか?

「「・・・・・・・」」

やってしまった感が漂う。

「確かに特別ですね」

黒服は苦笑しながら次の部屋の案内に向かった。

「ここがあなたが寝泊りする部屋です」

「結構広くて綺麗ですね」

初めて見るまともな部屋に頬が緩む。

そのあとはキッチンお風呂などを簡単に案内してもらった。

「お父様とお母様にはここで住み込みのバイトということにしてありますから」

「はあ」

「では明日ここに魔物を連れてくるので覚悟しといてくださいね。」

「わかりました」

黒服はそう言い残すと頭を下げて森を出ていった。

「明日か~」

俺は明日に思いを馳せながら、可愛い魔物だといいなーと的はずれなことを思った。

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