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○○恐怖症

作者: 定色カケル


 僕は物心ついた時から気付いてしまった。普通の人に比べて不幸な人間だということに……。

 現在、中学生の僕はこの自分の特異体質に途方にくれていた。

小学校の頃は色んな病院に通い治そうと頑張っていたが全て実ることはなかった。  

僕は医者にサジを投げられた、世にも珍しい多数の恐怖症の持ち主なのだ。


 まず、一般的なモノでは高所恐怖症、閉所恐怖症がある。前者は幼い頃、家族で出掛けた遊園地の観覧車で遊んだ時に発覚したモノだ。どうやら中で失神したらしい。


 後者は、今でもよく迷惑している恐怖症だ。特にトイレ。

 学校のトイレは広くて良いが、家のトイレは一人用でとても狭く気が狂ってしまう。

 最近、症状が悪化してきて六畳ほどある自室、十二畳ほどある居間にも恐怖を感じるようになってしまっていた。いつか学校の教室にも……。


 一番親に迷惑をかけたのは、やはり暗所恐怖症だろう。幼い頃両親と一緒に寝ていたが、勿論部屋の電気を消して就寝に付く。僕は恐怖の余り泣き狂った。

 暗闇に恐怖を覚える恐怖症だ。正直目を瞑るのも恐かった位だ。

 豆電球を付けても拒絶反応が消えるはずがない。

 仕方なく、両親は僕が一人で眠れるようになるまで電気を付きっぱなしにしてくれた。

 今では、自分の部屋で寝ているが電気を消したことは一度もない。 

 

 その他にも、先端恐怖症、蜘蛛恐怖症、刺竹恐怖症、対人恐怖症、動物恐怖症など、僕の体はあらゆる恐怖症で生活の自由を奪われていた。


 最近は『広すぎる場所にも恐怖する』という広所恐怖症にもかかりつつある。


 あれ? 閉所恐怖症と矛盾してね? ハハハハハハハ。


 でも、一番重症なのは『対人恐怖症』だ。

 ここ数年ずっと登校拒否で親ともろくに会話した覚えがない。

 だから家に引き籠もっていたいけど、閉所恐怖症で、もう自分の部屋も落ち着かない。

 でも広所恐怖症も出てきて、広い公園とかに行ってもやはり落ち着かない。

 

 今の僕に安らぎの場所は存在するのだろうか? 


 今日も僕はベッドの上で、フトンに包まりながら震えている。何もする気が起きない。


 と、言うか何も出来ないのかもいしれない。


 ずっとこんな不安定な生活を続けるのか?

 ……死のうかな……外は危険が多い……。


 あっ、新たに死恐怖症が生まれました。

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