04.ぴんく色
いよいよ第4話です☆
でわ、どうぞ。
夕日が綺麗。
いつかの日、彼が言ってた。
” 夕日は、いつ見ても綺麗だけど、俺は月の方が綺麗だと思うんだ ”
” えっ?何で? ”
” だって月は、こんな綺麗な夕日にも負けないくらい、ずっとみるく色で輝き続けるんだよ ”
” 輝き続ける? ”
” ああ。そういうのって1番――…、すごい事じゃん? ”
1番……すごい事。
月は、どんな空にも一心にみるく色で輝き続ける。
どんな色にも染まらない……。
空を見上げるとそこには、綺麗に輝く夕日と、負けじとみるく色に輝く月があった。
みるく色の月――…
まるで、和也みたい。
気づいたときにはgoサイン。
私は君に夢中だ。
*
「玲菜――…!」
後ろから、彼の声が聞こえた。
空耳かな?
とぼけてみせる私は阿呆だ。
もっと期待したいよ、もっと彼を好きになりたいよ。
だけど、うまく伝えられないこの気持ち。
息苦しい。
「――…和也?どうしたの?」
「玲菜っ、屋上行こっ」
私の返事を待たずに、私の手を引く彼。
嬉しそうな瞳で。
「はぁっはぁっどっどうしたの?」
「嫌だった?」
「嫌じゃないけど……、」
「見せたかったんだ。
この景色」
「へっ……?」
目の前に広がる光景に視界が歪んでみえた。
その空は息も呑んでしまいそうなぐらいオレンジ色で、真っ青な蒼い空を連想させる。
そんな空の真ん中には月がどうどうと私たちを見下ろしていた。
「綺麗だね」
「――…だろ?俺、玲菜と一緒に見たかったんだ。」
「えっ私?」
彼の一言の声にも過敏に踊る私の胸はこれが恋であることを告げてゆく。
……ああ、私こんなにも和也のことが好きなんだ。
夢中になった恋は何があっても止められないよ。
彼は私の顔を見ると、クスクス笑う。
「玲菜、顔赤いって」
「えっほんと?」
「……んな可愛い顔すんなよ。
照れる。」
「――…っえ?」
瞬きを忘れた。
いっしゅん、彼の顔が私に近づいたかと思えば、彼はそっと私にキスをした。
私の頬もイジワルな和也の顔もどっちも同じぐらいピンク色に染まってる。
次回:こんなに嬉しくて、どうしようも無い思い・・・。
どうしても、貴方に伝えたい。
でも私は、見てしまったんだ・・・。
貴方がーーーーーーーーーーーー