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02.きみどり色

いよいよ第2話です。

でわ、どうぞ。



――ガラガラガラガラ――


静かに鳴り響いたドアの音が私たちに緊張感を与えた。



「高梨ー、遅せぇよ 早く席着け。

 和泉もだぞー」



同時に聞こえた怒鳴り声、主はもちろん担任だ。



「「はーい、すいません」」


「んじゃー、授業続けんぞ」



黒板に向き直る先生の背中見つめながら、私たちは静かに席についた。

私の席は、窓際の後ろから2番目。

和也の席は、私のななめ後ろだ。



「んじゃぁ、この問題は……よし、高梨解け!」


「「「和也ドンマイ」」」



皆からの視線を受け流した彼は黒板へと向かう。



「ねっ玲菜?」



後ろから背中を突かれた。

後ろを向くと、期待に胸を膨らませる、親友……夏帆の姿があった。



「さっき、高梨君と一緒だったんでしょ

 もしかして、付き合っちゃったとか?」

「ちっ違うよ

 まぁ、私の片思いなんだけど……」


私の初恋を奪った彼に私の気持ちが届くはずもない。

ただ、初恋のこの想いが実ってほしいと願うだけ。

ああ、でも届かないよ、そう簡単には。



「そうだよね

 だって高梨くんでしょ?

 元カノがモデルらしぃよ

 玲菜ってばお近づきになれただけでも、ラッキーだって」


「私はそんな、お近づきとか、考えた事もないんだけど……」


「あぁー、アンタが羨ましいよ、何でこんなかわいい顔してんだよぉ――…」


「そんな事ないって、私は夏帆の方が羨ましいよ」


「ああん?喧嘩売ってる?」


「違うって

 だって夏帆、あんな優しい彼がいるじゃぁん」


「まぁねーって、そんで?

 高梨君とは、何か進展あった?」


「進展って言っても……

 ただ、私が一方的に好きっていうか、これだけでも幸せーって言うか」


「なぁにっ言ってんの!!

 アンタもう高校生なのよっ?

 充分彼氏いて、可笑しくないのにっ

 ――これだけでも幸せ――

 なんて、言ってられないっつーのに!」


「だってー、初恋なんだもんっ

 恋とかしたことないし……分かんないし」


「そんな捻くれてないでっちょっとは自分から話しかけてみたら?

 さっきは何か話したの?」



「ん――…

 みるく色の話とか……」


「なんじゃそりゃっ」







――キーンコーンカーンコーン――




「んじゃー授業終わりー、日直号令」



「起立礼、」



「「「「「ありがとうございましたー」」」」」



あっさりとした授業は終わって、私たちはまた恋バナに胸を焦がしてみた。



次回:純粋に和也を好きになった玲菜。

   そんな彼らの出会い。

   運命とはーーーーーー

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