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special candy 2

こんにちは。

えと、今回は。

あか色、みず色、むらさき色です。

でわ、どぞ。

*あか色*



突然のキスに驚く玲菜。


そんな玲菜を見てる俺の頬も赤く染まってく。


そんな顔を隠したくって。


「じゃぁな。」


それだけ告げ、屋上から出てゆく。



*   *   *



「おい和也、やべぇぞ。

 アイツがお前を探してる。」


葉月に呼び止められる。


「アイツ?」


「お前の元カノの、凛香だよ。」


ーーーーーーー凛、香。


久々に響いたあの名前。


「凛香!?何で今さら・・・。」


「分かんねぇ。でもお前今、やべぇんじゃねぇの?

 和泉玲菜と付き合ってんだろ?」


「ああ。付き合ってる。」


「だったら逢わせねぇ方が和泉の為だ。

 凛香、この学校に来るらしいぜ。」


「はっ?」


凛香がこの学校に来る!?


まさかっあの時みたいに・・・・・・・。


「アイツ何仕出かすか、分かんねぇよ。

 ちゃんと、ケリつけろよ?」


「・・・・・分かってる。

 俺は玲菜の事が好きだから。」


「んーじゃぁ、大丈夫なんじゃね?

 和泉の事、大事にしろよな?」


「何でお前が言うんだよっ」


「そんな怒んなよっ

 心配してんだよ、和泉を。

 凛香から、守ってやれ。」


「・・・ありがとな?

 葉月。」


「おうっ。」



葉月と別れてからも、俺はずっと玲菜の事を考えてた。


凛香から、守る。


何としてでも。


同じ過ちは繰返さない。


*   *   *



ガラガラガラガラ


「おはよう。」


「「「「おはようございまーす」」」」


担任が威勢良く教室に入って来る。


「えー。今日は、転校生が来ます。」


まさか・・・・。


「「えっまじで?」」


「女?男?」  「どんな子?」



「まぁまぁ、落ち着け。

 んーじゃあ、風宮。入れ!」


風、宮?


ガラガラガラ


「風宮凛香です。よろしくお願いしますっ」


其処には、忘れもしない凛香の姿。


「「「「まじ、で?」」」」


「アイツ、確かモデルじゃね?」 「凛香だよね?あの雑誌のモデルの」 「信じられない、何で凛香が!?」



「んーじゃあ風宮、席着け~」


「はぁ~い」


甘い声で阿呆な男子共を虜にする凛香。


2年前と同じだ。


このままだと、玲菜が。



凛香は指名された席へと向かわず、真っ直ぐ俺を見つめる。


「和也?久しぶりだね?逢いたかったよ?」




キーンコーンカーンコーン



チャイムが鳴っても。


凛香は俺を見つめてる。



「おっチャイム鳴った!

 んじゃ、静かに休み時間だぁ~」


「「「静かじゃ意味ねぇじゃんっ」」」



クラスの奴らの会話なんて、耳にも入らねぇ。



「っ凛香、ちょっ来い。」


「・・・いいよ」


凛香の手引いて。


体育館裏に行く。



玲菜に見つかんないように。



「何で来た?」


「え?和也に逢う為だよ?」


・・・・・・え。


「和泉、玲菜ちゃん。咲ちゃんに、そっくりだね?

 また、同じ過ちを繰り返したいの?」


「玲菜に関わんな!」


「それは、和也があたしと付き合ってくれるなら。」


2年前と同じ。


「嫌。」


「じゃあ、玲菜ちゃんが咲ちゃんみたいになってもいーの?

 今度は、本気で殺すよ?」


「辞めろ・・・・。」


「咲ちゃんみたいに・・・・・」


「辞めろ!!!」


「じゃああたしと付き合って!!!」


また大切な物を失いたく、ないんだ。



「・・・・・分かった。」



だから俺は。


2年前と同じように。


また、幸せ手放した。



「ねぇ和也?」


「・・・・・・・。」


「キスして。」


「・・・・・・・。」


「和也?」


2年前。


咲守れなくって、ひたすら泣いた。


なのに・・・・。


また、守れない。


それでも・・・・。


玲菜を少しでも守る事が出来るんなら。




ーーーーーー



黙って俺は凛香にキスした。




*みず色*



ーーーカタンッーーー


音のする方に顔向ける。


そこには・・・・。


そこには、涙浮かべた玲菜の姿。



「っ玲菜!!!!」



必死で叫んで、追いかけようとしたけど、玲菜は既に走り出してた。



「待って・・・・。玲菜!!!!」



追いかけようとした俺の腕を強く、強く凛香は掴む。



「何すんだよっ。」


「玲菜ちゃんがどうなってもいーの?」


「っざけんな。」


「ん?」


「ふざけんな!」


「ねぇ。あたしじゃ駄目?あんな女より、よっぽど可愛いし。

 和也の事、一番に思ってる。」


「・・・・・・・・・。」


黙って目逸らす。


「あたしを、見てよ。」


「・・・・・・・・・。」


「あたし、諦めないよ?だって和也はもう、あたしからは逃げられないから。

 あたしたち、付き合ってんだから。」


悔しくって、言葉が出ない。



自分の生き方ってさ。何?


自分らしさって何?


そうゆうのって。


簡単に人に変えられんじゃん。


自分だけでは、どうしようもねぇじゃん。




“神様は乗り越えられる試練しか与えない”



そんな言葉どっかで聞いたけど。


じゃあ咲の死は、必要な試練だった?


玲菜と出逢ったのも試練?


俺の幸せ奪われるのも、乗り越えられる事?


乗り越えられないから、俺の心に穴が開いたのに。


神様・・・・本当に存在しているのなら。


アンタは残酷だ。







*    *    *



玲菜との、全ての関係を断ち切る為に。


あの屋上に玲菜呼び出す。 


何があったとしても、俺が玲菜傷つけた事は紛れも無い事実。


玲菜には。


幸せになって欲しい。


俺に関わらず。幸せに。生きて欲しい。



「玲菜・・・・?ちょっといい?」


「・・・・・・・・・和也?」


「・・・・あのさ。俺たち、別れよう?」


「え」


「ごめんな。」



これ以上玲菜と居ると、気持ちが揺れ動くから。


わざと目合わさないようにして、そっと屋上から出た。



“幸せになれよ?玲菜・・・・。”







*むらさき色*



涙が頬を伝って、地面に流れ堕ちる。


ワッダサイな。



俺やっぱ。


玲菜の事好きだ。





玲菜と出逢ったから、こんなに幸せな想い知る事出来た。


玲菜と出逢ったから、嫉妬だって知った。


玲菜と出逢ったから、暗い世界が明るくなった。


そんな玲菜を苦しめたくない。



*   *   *


「ッ和也。お前本当にこれでいいのかよ!」


「いんだよ。もぅ。」


「和泉の事、好きなんじゃ、ないのかよ。」


「・・・・・・・・。」


「オイ答えろよッ本当にこのままで、いぃのかよ!!!」


「好きだよッ!!!!俺は玲菜の事、大好き。けど、俺はこれしかできねぇから。」


「そう言って逃げんなよ!」


「葉月・・・・。」


「俺は、心配してんだよ。」

「俺な?お前が和泉と出逢った時の笑顔。今でも覚えてんだ。

 もうあの時のお前には、戻れねぇのかよ。」


「ムリなんだ、もう。じゃぁ俺もう、行くわ。じゃな。葉月。」


「おい待てよ!!!和也!」


葉月の言葉無視して、走る。


俺の決意が揺るがないように。


走ったら何か涙溢れてくる。








『なー知ってる?和泉玲菜。』


『あー。可愛いよなー。』


『俺、告っちゃおっかな。』


『はーまじでー?てか、西山健と付き合ってるんじゃね?』


『まじかぁ。西山だったら、勝ち目なくね?まー高梨の方が勝ち目無かったけどさ。』


『だよなー。俺最初、和泉狙ってたんだぜ?』


『まじでー?』





玲菜。新しい恋、見つけたんだ・・・・。


これで・・・・。いいんだ。


玲菜が幸せなんだったらそれだけで。俺は幸せだから。





「かーずやっ」


「凛香・・・・。」


「今日一緒に帰ろ?」


「判った。」


断る理由も無く。受け入れる。


凛香は俺を一途に思ってる。


一途な気持ち分かるけど。


でも。凛香の遣り方は間違ってる。


そんな凛香を俺は。


愛する事は出来ない。


どんなに離れてたって。


俺はいつも。


玲菜が好きだから。









やっぱり和也side、難しい。

ここまで読んでくださった皆様。

本当にありがとうございます。

抱えきれない程の感謝を。


次回:とうめい色、しるばー色、みるく色です。

   その後をお贈りしようと思ったんですが。

   入りきらないので、また別で書こうとおもいます。

   

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