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01.おれんじ色
淡いオレンジ色の夕日が私たちを照らしている。
君の横顔を照らす、太陽。
どんなにまぶしくても、太陽は見つめるコトが出来るのに。
どうして、君を素直に見つめるコトが出来ないのだろう。
「玲菜?見て?夕日が綺麗」
君は私に語りかける。
私にとって、君は夕日なんかよりも、ずっとずっと綺麗なんだよ。
「玲菜?月がみるく色だよ」
「そうだね、優しい色」
君みたい……。
そう思う私は君にベタ惚れか。
「和也?そろそろ戻ろっか、授業始まる」
「……いいよ」
夕日に反射された二つの陽炎を見つめながら私たちの物語は少しずつ始まっていった。