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サングラス(新作エピソード)

池図女学院部室棟、あーかい部部室。




「白ちゃん……来てたのか。」




ひいろがドアを開けると、中で白ちゃんが机の上に上半身を横たえていた。




「養護教諭に休みは無いのよ……。」




机の上には展開されたまま画面が暗くなったパソコンが1台。いつも白ちゃんが仕事で使っているものだ。




「イカしたグラサンかけてホリデー決め込んでる誰かさんとは違ってね。」




白ちゃんは上半身を起こさずひいろが掛けていた鼈甲色のイカしたサングラスを指差した。




「ああ、これか?」


「眼鏡やめたと思ったら今度はグラサンって、親御さんびっくりしちゃわない?」


「ビックリも何も、これはおばあちゃんの趣味だよ。」




ひいろはサングラスを外すと丁寧に畳んでカバンにしまった。




「外しちゃうの?」


「ここは眩しくないからな。」


「本来の用途で使ってる人初めて見たわ……。」


「まったく、良い迷惑だよ。」


「迷惑?」


「ああ、ここに来るまでに職質されたものでな。」


「ブフッwww」


「笑い事じゃないんだぞ……!」


「ごめんごめん……w」


「ったく、悪ぶる為に使う不届者のせいでワタシがこんな目に……!」


「あ〜、確かにそっちの道の人たちがつけてるイメージあるわね。」


「なんなんだろうな、アレ。」


「つぶらなお目目を隠すため……とかそんな感じじゃない?そっちの人って、迫力ないと示しがつないんでしょ?」


「迫力が欲しいならハカでも踊れば良いだろう……マウリ族みたいに。」


「ハカって……。」


「知らないか?足を踏み鳴らしたり、手を叩いたり、大きな声を出して踊る伝統舞踊だ。……圧巻だぞ?」


「テレビで見たことはあるけど……そっちの道の人がやってたらシュールね。」


「ドンパチやるよりよっぽど平和だろう。」


「どっかと抗争でもすんの?」




あさぎ入室。




「あら、あさぎちゃんも来たの。」


「暇だったもんで。……ひいろもでしょ?」


「ワタシは静かなところで勉強でも……と思ったんだがな。」


「ったく、お休みなのにわざわざこんなとこ来るなんて揃いも揃って暇なのね羨まし。」




今日は土曜日、授業もないので学校に来ているのは部活の生徒くらいである。




「それで、どことやり合うんですか?」


「いややらんわっ!」


「サングラスの話をしていたらそっちの道の人たちの話になったものでな。」


「あ〜、確かにそっちの道の人がつけてる印象あるね。」


「ほんと、良い迷惑だ。」


「迷惑?」


「サングラスかけて来たら職質されたんだって。」


「フッ……www」


「笑い事じゃないんだぞ……!」


「ごめんごめん、ってことは今ひいろサングラス持ってるの?」


「ああ。今日みたいな日はあると便利だぞ?」


「そんなに変わるもん?」


「試しにつけてちょっと外に出てみると良い。」




ひいろはカバンからサングラスを取り出してあさぎに手渡した。




「黒じゃないんだ。」


「イカすだろう?」


「じゃあちょっとお借りして……、おお!ちょっと暗い!?」




あさぎがサングラスをかけると部室を見渡し、そのまま部室棟の廊下にちょっと出てすぐに戻って来た。




「これ、あるのと無いので全然違うね。」


「だろう?」


「……そんなに?」


「白ちゃんもつけてみるか?」


「わーい♪」




白ちゃんもサングラスを借りると、部室棟の廊下をひとっ走りして帰って来た。




「わりと早かったですね。」


「そのまま持ち逃げされるかとヒヤヒヤしたぞ。」


「ごめんごめん、サングラスかけるとなんだか走りたくなっちゃって♪」


「テレビでたまにやってる、スーツ来たグラサンが追いかけてくるヤツですか?」


「そうそう、それそれ♪」


「サングラスの印象が本来の用途からどんどん乖離していく……。」


「しょうがないよ、カッコいいし。」


「カッコいい……か。」


「そうそう、ひいろちゃんも似合ってたわよ♪」


「あ、そういえばひいろがかけてるとこ私見てない。」


「見せてないからな。」


「見せて見せて。」


「……笑うなよ?」




ひいろは白ちゃんからサングラスを受け取ってかけた。




「あ〜…………。」


「なんだその反応は。」


「いや、似合ってるけど似合いすぎて職質されそうだなって。」


「でしょ〜?」


「おい。」








あーかい部!(4)




ひいろ:せっかくだから投稿したぞ


あさぎ:うん知ってる


白ちゃん:っていうか直接話せばいいじゃない


きはだ:え、なにみんな部室いるのぉ?


白ちゃん:暇人どもが勝手に集まって来たのよ


きはだ:良いなぁ〜


あさぎ:きはだも来る?


きはだ:きはだちゃんは豚さんの面倒見ないとだから


ひいろ:ミニブタでも飼っているのか?


きはだ:一口大の角切りのやつを……ね


白ちゃん:角煮……!?


きはだ:ピンポーン♪大正解〜


あさぎ:なんかきはだお休みの日いつも料理してるね


きはだ:暇だからねぇ


白ちゃん:けっきょく暇なんかい……っ!


ひいろ:タイミング悪かったか?


きはだ:ん〜ん、今はお鍋見ながら休憩中

きはだ:何か面白いことあったのぉ?


あさぎ:ひいろが職質された話


きはだ:草草の草ァ!

きはだ:草食ってる場合じゃねえッ!

きはだ:読んでくる




きはだ:お休みの日くらい眼鏡にしときゃ良いものを


ひいろ:悪かったな


白ちゃん:写真撮らせてくれないのよねえ……


ひいろ:当たり前だ!


きはだ:こいつぁ買うしかねえな


あさぎ:せっかく作ってるのに?


白ちゃん:角煮の方じゃないんだわ


ひいろ:きはだが買うことはないだろう


きはだ:のんのんのん、ひいろちゃんにかけさせる為に買うのだよ


あさぎ:あ〜それは断れないかも


ひいろ:そこまでするか?


きはだ:い〜じゃない、い〜じゃない

きはだ:グラサンおそろにして肩で風を切って歩うじゃないかい


あさぎ:わっるぅ……


白ちゃん:職質されたらどうすんのよ


きはだ:ハカ踊って撃退してくれるんでしょ〜?

きはだ:白ちゃんが


白ちゃん:踊らんわっ!

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