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つぶき~ぼやき&つぶやき~その2

作者: あきチャン


 僕は卵です。

 真っ白な卵です。

 スーパーの特売で売られ、この家にやってきました。

 10人兄弟の末っ子です。


 この家に来てから3日が経ちました。

 寒い箱の中で兄弟綺麗に並んで過ごしていました。

 

 でも気付くと、お兄ちゃん達が次々に居なくなりました。

 今は僕一人ぼっちです。

 寂しいなぁ…皆何処に行ったのかなぁ…

 また皆に会いたいなぁ…


 数日すると新しい仲間が寒い箱の中にやってきました。

 僕は嬉しくて嬉しくて。

 友達になりたいので話しかけました。


 「僕、一人ぼっちでさみしかったの。僕の友達になって」

 ……

 「この箱、寒いよね」

 ……

 皆、口を聞いてくれませんでした。悲しかった。

 「なんでお喋りしてくれないの?」

 僕は勇気を出して聞いてみました。

 「……だってお前、白いじゃん。安物じゃん」

 「お前とは育ちが違うんだよ。話しかけるなよ安物」

 どうやら僕が特売卵なのが原因の様です。

 

 確かに新しい仲間は茶色だし、大きいし。

 僕とは違うんだなぁ…そっか…寂しいなぁ…


 ある日この家の長女が冷たい箱の扉を開けたんだ。

 なにか探しているのかガサゴソしているよ。


 …僕と目が合った。

 僕は長女の持ち上げられたんだ。

 お出かけするのかな??嬉しいな!!うれしいな!!


 長女は僕を持ち上げ歩き出したんだ。

 何処に行くのかな??

 

 長女はいきなり、僕を叩きつけるんだ…

 固い角に僕を叩きつけるんだ。

 

 痛い!!痛い!!痛いよ~~!!!

 体が割れちゃうよ!!!


 僕の体は粉々になった。長女の手のひらは僕の中身で濡れている…


 僕は死んじゃったみたい…


 

 母さんがやってきて大声をあげているよ…

 きっと僕が死んじゃって悲しいって思ってくれているんだ…

 痛いけど嬉しいや…


 「なにやってるの~~床がぐしょぐしょじゃない!!」

 「あ~~、卵勿体ない…まぁ、白い方で良かったけど」


 !!!!!…やっぱり…そっか…おや…す…み…


 

 

 

 

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