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白い封筒

机の上に、白い封筒が置かれていた。差出人の記載はなく、宛名もない。ただ無地の封筒が、まるで最初からそこにあったかのように鎮座している。


帰宅したばかりの私は眉をひそめた。ポストに投函された形跡もなく、家族が置いた様子もない。仕事鞄から荷物を出したときに気づいたから、私自身が持ち込んだとも考えづらい。


奇妙に思いながらも、つい手を伸ばしてしまう。中には一枚の紙。真っ白だ。何も書かれていない。ただ、封筒に収められていたせいか、ほんのりと紙が湿っているように見えた。


私は首を傾げながらも机の引き出しに仕舞い込み、そのまま夕食を取った。忘れてしまえばそれで終わるはずだった。


だが翌朝、目覚ましの音に気づいて身を起こすと、枕元にあの封筒が置かれていた。確かに机の引き出しにしまったはずなのに。


寝ぼけた頭で中身を確かめる。やはり一枚の白い紙だ。ただし、今度は中央に淡い鉛筆書きのような影が浮かんでいた。人の顔のようにも見えるが、輪郭は曖昧で判別できない。


気味が悪くなり、私は紙を丸めてゴミ箱に放り込んだ。封筒もビリビリに破いた。もうこれで終わりだと思いたかった。


その日の夜。帰宅して部屋の灯りをつけると、机の上に新品同然の封筒が置かれていた。中を覗くと、白紙のはずの紙には、はっきりとした文字が浮かび上がっている。


『まだ読まないで』


文字は確かに、私自身の筆跡だった。

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