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机上の空論(4日目)

 中谷は昨日の夜、遅くまで考え事をしていたため起きたのは午前6時だった。考え事というのは、昨日の夜の特別捜査本部での情報交換の時に中谷の班ではない他の班が集めてきた情報だった。


 その情報というのは有村慎一が事件の2週間前に両親の2人ともに最大1億円が受け取れる生命保険をかけており、受取人は有村慎一になっていた。

 

 この情報により捜査本部は有村が保険金目当てに両親を殺害した保険金殺人だという線で捜査に取り掛かっている。しかし、中谷はこの線での捜査に疑問を抱いていた。保険金殺人なら死体に刻まれていた㊉のようなマークの説明がつかず、有村の家は裕福なので有村の通帳に親からの仕送りと、現在は無職だが以前逮捕される前にしていた会社員での給料を合わせて7000万円もの貯金があったこともわかっている。


 中谷は㊉の印の意味がわからなかった。少しでも何かの情報を掴もうとして殺人の現場にもう一度行ってみた。現在は現場検証も終わり規制線だけが貼ってある廃墟みたいな家になっていた。規制線の前に座っていた警官に会釈をしてから部屋に入った。


 中谷が最初に部屋に入ったのはマスコミや野次馬がたくさん集まってきている時だった。マスコミの波をかき分けながら家に入ったのだが、異様な光景だった。そこは血溜まりが出来ていて、被害者は裸にされており胸の辺りには包丁が刺さっていた。中谷は最初に入った時のことを思い出すと、一課に配属されてから約3年が経つがまだ吐きそうになってしま

う。


 被害者が死亡していた部屋に入ってみたが、特にこれといったものはなく中谷の興味を引く物はなかった。しかし、部屋の隅に少しの錆が落ちていることに気がついたが特に気にしなかった。


 中谷は倉敷署に帰ると今回の事件から今後ペアを組むことになった三笹伊字から衝撃的なことを伝えられた。


 今回から中谷のペアになった三笹伊字は元々違う刑事のペアとして活動していたが、その刑事が殉職したため中谷が元々の刑事と親交があり、三笹とも親交があったため中谷のペアになった。


 三笹が中谷に伝えた内容は中谷がいない間に捜査が大きく進展したということだった。他の班が持ってきた情報によると、有村は事件が起きた日に家にいなかったという事実がわかったのだ。その日有村は両親が暮らす住宅街から車で約40分のところにあるコンビニの防犯カメラに姿が映っており、有村を問い詰めたところコンビニにいたことは認めたがその理由を頑なに話さず沈黙を続けていることからまだなにか隠していることがあると判断し、有村をこの事件の重要参考人に指定し、有村の事件の日の動きを徹底的に調べる方針になったということだった。


 しかし、中谷は違和感を持っていた。"有村が保険金目当てに両親を殺害"というこの事件の理由として考えられている動機に中谷はこの事件はこんなにも単純なのかという違和感だ。中谷が勘ぐりすぎているだけなのかもしれないが、何かが違う感じがした。


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