♯3 悪魔の取り分 6
警視庁捜査一課から退職し探偵社を立ち上げ、その後引退した男が血なまぐさい生活から切り離された落ち着くBARを見つけたところから始まるストーリー。
縁を切ったはずの世界から舞い込む事件がまとわりつく……
BARから出ずに推理するテレワーク探偵のミステリー。
「きた!大技出ますよ先生!」
「大技って?」
「この曲の後半でイービル小倉がマイクスタンドを両手で水平に持ち上げてグルグル回すんですよ、そういうパフォーマンスをするんです!」
相当興奮しているのだろう。説明が早口になる河口君の話を聞きながら画面を観る。すると男は一度掴んだスタンドをパッと離して両手を広げて歌い続けた。
「あれ?おかしいな、やらないな、『エデンのプロペラ』。」
首を傾げる河口君。
「技名だっさいな」
魔界のセンスについていけない人間界の私は冷静にツッコミながらも画面のライブを見続けた。
その数十秒後にイービル小倉はマイクスタンドを持ち上げ例のパフォーマンスをしだし
「あ、ほらほら先生これこれ!これですよ『エデンのプロペラ』」
グルグルと回すためスタンドに括りつけていた蛇のレプリカのいくつかが遠心力で外れ飛び、ステージや客席の最前列付近にバラバラと落ちていく。そのうちの一つが蠢いたように見えたが激しく打ち付けられ地面でバウンドしたようにも思えた。
それから十数分間。苦行の時間、いやライブは続いていた。
「…おかしいな」
河口君が首を傾げ始める。
次回へ続く




