♯3 悪魔の取り分 5
警視庁捜査一課から退職し探偵社を立ち上げ、その後引退した男が血なまぐさい生活から切り離された落ち着くBARを見つけたところから始まるストーリー。
縁を切ったはずの世界から舞い込む事件がまとわりつく……
BARから出ずに推理するテレワーク探偵のミステリー。
紫のスポットライトで照らされた五人の自称魔族たちは高らかに歌い上げていた。
ファンたちは熱狂の渦なのだろうが私だけ混乱の渦の中にいた。
「うおおおお♪」
これがヘヴィメタという奴なのだろう。
ノリノリで歌詞を口ずさむ自称魔族のファンの横で私は聞いてみる。
「河口君」
「はい?」
「この罰ゲームはあとどれくらい続…?」
「罰ゲームって言わないでくださいよ、崇高なる魔界との交信の儀式なのですから」
「うんもうすっかり染まってるね、ヘヴィメタ魔界の住人と化してしまっているね」
「先生!」
いつになくキッとした表情で河口君の顔が強張る。
「何?」
「ヘヴィメタじゃありません。ヘヴィメタル、またはメタルです!」
「どうでもいいわ、くっそどうでもいいわ!」
ジャズやクラシックを好む私からすればその違いすらわからない。
「どうでもよくないですよ、ヘヴィメタは蔑称です。略称じゃないんですよ」
そんなやりとりをしているうちに画面の男は蛇が巻かれたスタンドを両手で掴み出した。
次回へ続く




