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♯3 悪魔の取り分 1

警視庁捜査一課から退職し探偵社を立ち上げ、その後引退した男が血なまぐさい生活から切り離された落ち着くBARを見つけたところから始まるストーリー。


縁を切ったはずの世界から舞い込む事件がまとわりつく……


BARから出ずに推理するテレワーク探偵のミステリー。

悪魔の取り分、と言う言葉がウイスキーの世界にはある。別名デビルズカット。恐ろしい響きだが樽熟成でウイスキーを取り出した後に樽に染み込んでしまった分の酒のことを指す用語で真意を知れば怖くは無い。

 


世の中にはこの用語よりも恐ろしい悪魔がいることを思い知らされることになるのは奇しくもいつものバーにいる時のことであった。



 

「…って言うのを悪魔の取り分と呼んでるんですよ」

 

その日私はバーオリジナルのウイスキーを飲みながらバーテンダーの本山さんの説明を聞いていた。

 

「へええ、なるほど。昔の人はウイスキー作りの際に出てしまうやむをえないロスを悪魔に持ってかれてしまうって皮肉を込めて付けたんだろうね。」


クイっとグラスを傾けて腕時計に目をやるとまもなく夜の七時になろうとしていた。


今日は事件が舞い込むことはないだろう、というか…そうであれ。

 


しかしその思いはウイスキーを持っていった悪魔が嘲笑うかのように打ち砕く。ドアが開きだれかが入ってきた。

 

次回へ続く

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