表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/49

♯2 甲州 4

警視庁捜査一課から退職し探偵社を立ち上げ、その後引退した男が血なまぐさい生活から切り離された落ち着くBARを見つけたところから始まるストーリー。


縁を切ったはずの世界から舞い込む事件がまとわりつく……


BARから出ずに推理するテレワーク探偵のミステリー。

私は両手で口を覆うようにして彼に続けるよう促した。

 

「はい、ここから先は決して漏らさないようにしてほしいんですが。とある資産家の方から依頼を受けまして。一昨日の昼、ここの御子息が誘拐されたと脅迫の電話が入ったんです」


「電話で犯人はなんて?」

 

「『息子は預かっている。一週間以内に三千万円用意できたらそれと引き換えに返してやる』と。用意できた頃にまた連絡するそうです」

 

「警察には?」

 

「『届ければ息子の命はない』と。それで私が呼ばれたんです。東京から夜通し運転して」

 

なるほど。極秘裏に解決させるためにというわけのようだ。


「その子がいなくなったのはいつ?」


「奥さんからは一昨日の朝、小学校に行くのを見送ったのが最後だからその後だろうと。夕方になっても帰らないのを心配していたその日の夜7時あたりに電話がかかってきたそうです。」

 

「その日学校に来ていたかどうか問い合わせてみたかい?」


 数秒の間が空いて間が抜けた声が聞こえてきた。


「…あっ」

 

「…あ、じゃないよ早く問い合わせてもらいなさい。一度切るよ。」

 

通話を切った私はバーテンダーさんに

「すまないけど多分しばらくしたらもう一度私宛に来るかもしれないから」

 

といいながら受話器を置いた。


グラスを傾けておいた後今度は自らの首を傾けた。

彼を後継者にしたのは失敗だったかもしれない。


同じ酒を呑んでいるはずなのに電話の前と後では違う味がした気がした。

次回へ続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ