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第5章:仲間と共に山へ

こんにちは、5話目です! 読んでくれてありがとうございます。今回はアキラが加わって、カンパとマタギと3人で山へGO! サバイバル講習が始まるけど、アキラのテンションと猪の足跡が…どうなることやら。賑やかさとちょっとした緊張感を楽しんでもらえたら嬉しいです。初めての方も、アキラのマイペースっぷりに注目して読んでみてください。感想や応援、気軽にお願いします!

12月30日の朝


夜間の吹雪はやみ、寮の食堂は静かだったがマタギの部屋からアキラの「マタギちゃん、起きて~!」という声が響き、少し賑やかだ。


木野カンパは暖炉のそばでホットココアを飲みつつ「アキラ、寝てもテンション下がらないな…」と苦笑い。


そこへ、種子島マタギが寝不足気味の顔で登場。髪が乱れ、目が半開きだ。


「おはよう、マタギ。寝れてないだろ?」


「おはよう…アイツがうるさくて…」と低い声で返す。


続いてアキラが浴衣姿で「おはよ~!マタギちゃんの部屋、最高だったよ~! サバイバル道具見て興奮して寝れなかった~!」と元気いっぱいに現れる。


「私が寝れなかったんだ、喋るだけ喋っていきなり電池切れたみたいに寝るし…」マタギが洗面所に向かいながらぼやく。


そんな様子を見てカンパはアキラに「おはよう」と言い、彼女の姿に幼少期の記憶を重ねる。近所の友達が飼い始めた子犬が、世界の全てに全力で飛びついて楽しむ姿とそっくりだ。



「何だか懐かしいな…」


「え~、何!?」とアキラはカンパに絡むが、「あ、いや何でもない」と笑って流す。



3人の朝食中、邦衛さんがキッチンを片付けながら


「なぁ、マタギちゃん。今日も山行くなら、アキラちゃんも連れてってやれよぉ。昨日懐いてたし、サバイバル教えてもらいたがってたろ」


マタギが「…またか」と渋るが、アキラが「え~、行く行く! マタギちゃんの講習受けたい!」と目を輝かせ、カンパも「俺も行くよ。水源探しとか面白そうだし」と乗る。


マタギはため息をつき


「…分かった。今日は水源探しだ。昼前に戻るから、準備しろ」と仕方なく頷く。




雪が膝まで積もる中、3人はコートとブーツを着込み、山の斜面へ向かう。アキラが「冒険みたい~!」とスキップ気味に歩き、カンパが「転ぶぞ」と笑う。


マタギは無言で先を進み寝不足を冬山の朝の空気で覚ましながら


『急に賑やかになったな』


と、祖父と山に居る時とも一人で山に居る時とも違う新鮮な気持ちを楽しんでいた。




サバイバル講習:水源探し


山の斜面を登り、雪に覆われた木々が密集する場所に着くと、マタギが「ここでいい」と立ち止まる。風が冷たく吹き抜け、雪が静かに降る中、彼女は淡々と宣言する。


「今日は水源探し。雪の中でも水がなきゃ生きられない」。


カンパが「雪を溶かせばいいんじゃないのか?」と聞くと、マタギが「それだと足りない時もある。自然の水を見つける方法を教える」と返す。アキラが「マタギちゃんの水探し! サバイバル!」と興奮し、マタギが「静かに」と一蹴。


マタギがまず雪をかき分け、地面に耳を近づける。「水は音で分かる。流れてるなら、雪の下でも聞こえる」と説明し、静かに耳を澄ます。


「へぇ…マジで聞こえるのか?」


「私もやる~!」


アキラが雪に手が触れると、「冷たい~!」と叫んで跳ね上がる。カンパが「素手で触る必要ないだろ」と笑うと、マタギが「静かに。聞こえない」と呆れるが、口元が少し緩む。


水源の音を見付けたらしいマタギは顔を上げ、


「水源は低いとこに集まる。斜面の下とか、木の根元を見てみろ」


マタギが近くの木の根元を掘ると雪の下から湿った土と小さな水たまりが現れ「これだ」と2人に説明する。


「すげぇ…こんなとこに水があるのか」カンパは驚き、アキラが「マタギちゃんすごい! 私も掘る~!」と勢いよく雪をかき始めるが、勢い余って雪をカンパにぶつける。「おわ、顔にかかった!」とカンパが文句を言うと、アキラが「ごめん~!」と笑う。


マタギが「カンパ、お前もやれ」と促し、カンパが木の根元を掘ると、少し水が滲む。


「お、マジで出た!」カンパは喜ぶが


「私の勝ち~! こっちの方が水多いよ~!」


とアキラが自慢。マタギが「量じゃない。飲めるかどうか」と冷静に言うが、アキラが「マタギちゃん、褒めてよ~!」


「…まぁまぁだな」


マタギは目を細めて微笑んだ。




2人の水源探しが進む中、マタギが2人を呼び雪の表面を指し、「これ、瓜坊の足跡。昨日より新しい、数も増えている」と言う。カンパが「え、また猪か?」と緊張し、アキラが「瓜坊って何~? 可愛いの~?」とキョトン。


「小さい猪の群れだ。母猪が近くにいるかも」分析を口にするマタギ


「母猪って…デカいんだろ?」カンパは森を見回しながら言う


「え~、ジブリのボスキャラみたい! マタギちゃん、戦うの~?」興奮するアキラを「極力戦わない。危ない」と諫めるマタギ


その時、遠くで「ゴソッ」と重い音が響き、3人が一斉にそっちを見る。アキラが「何!? 今の音~!」と間延びした声を上げ、カンパが「猪か!?」と身構える。マタギが目を細め



「…分からない。木が倒れたか、風か。でも足跡増えてるから、気をつけろ」と警告。寝不足を忘れ、冷静に状況を見極める。アキラが「マタギちゃん…」とくっつくと、「離れろ、かえって危ない」と振りほどきつつ、「昼前だし、戻るぞ」と決める。


アキラが「え~、もう終わり~? 水もっと探したい~!」と駄々をこねるが、マタギがアキラを引っ張る、カンパが「確かにヤバそうだし、戻ろう」と賛同。帰り道、アキラが「マタギちゃん、猪来たらどうやって倒すの~?」と絡むと



「プロトンパックでも背負うか?」


マタギがお化けを怖がった幼少期に祖父が話してくれた映画の話で適当に返す。


アキラが「ふゆごなこーる! 私も手伝う~!」とテンションが上がり、カンパが「それ多分猪じゃないな」と笑う。マタギは「冗談だ」と返すが、『近づいてる、猪…』と心の中で警戒を強める。



寮への帰還とその後


寮に戻る三人、


「おお、楽しかったか?」邦衛さんがロビーで迎える。


「水源探し面白かったですよ」


「マタギちゃんが水見つけてくれて超かっこよかった!」



「…」


澄ましているが照れがうっすら見えているマタギ、邦衛さんが「マタギちゃん頼りになるなぁ。アキラちゃんも気に入ってるし」とニコニコ。


話題を変える様にマタギが瓜坊の数が増えている事を邦衛に報告してから道具を片付けた。



3人は暖炉のそばで休憩し、カンパが「なぁ、マタギ。水源探しって他にもコツあるのか?」と聞くと


「雪の積もり方とか、動物の動きでも分かる」とマタギが静かに言う。


「え~、マジで~! 映画みたい~!」と興奮したアキラにカンパが「逆だな、こっちが本物」と笑う。


マタギは寝不足を感じつつ、「何かあったら教える」と言い、昼寝をしに部屋へ戻っていった。


着いて行こうとする愛犬を制止して


「寝かせてやろう。」



慈愛に満ちた目でカンパは言った。

この日のサバイバル講習はこれで解散。


カンパが部屋に戻る前アキラが大学ノートと色ペンセットを邦衛から受け取っているのを見たが、夕飯の際アキラが午前のサバイバル講習のレポートをマタギに見せた。


アキラらしく可愛らしい色でカラフルにまとめられたもので、とても分かりやすくかつ見やすい。見た目の印象と裏腹に内容は非常に実践的だ。



アキラの意外なマメさに驚くマタギとカンパ、特にマタギはアキラのレポートを見ながら嬉しそうに更に講義を開始、真面目にノートを取るアキラと質問をするカンパ


和やかに過ごす3人を邦衛がにこやかに見ていた。

5話まで読んでくれてありがとう! 3人でのサバイバル講習、どうでしたか? アキラの「水探し勝負」とか、マタギの冷静さとか、書いてて楽しかったです。カンパもちょっと頼もしくなってきた…かな? でも、猪の足跡が増えてきて、次はもっとハラハラする展開になりそう。邦衛さんの反応も気になるよね。感想や「アキラやばい!」みたいな突っ込み、ぜひコメントで教えてください。次も頑張ります!


6章は3/29夜8時公開です。よろしくお願いいたします!

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