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エルダーストリア‐純白彩加の魔勇譚‐  作者: 秋山静夜
第四譚:理念夢想の人形譚
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第99話 魔工の街イニエスタ

 イリアたちはホーグロンを出て次の街、魔工の街イニエスタへと辿り着いていた。


「なあ、いちいち途中の街なんか寄らずに一直線で目的の場所、刀神の里だかに行った方が早くないか?」

 わざわざ街に立ち寄ったことが理解できないアゼルは、ぶーぶーと文句を言う。


「いやいやふざけないでよアゼル。目的の場所まで何日かかると思ってんのさ。アタシだってそんな強行軍で行ったらぶっ倒れるっての」

 体力バカなアゼルに呆れ顔で答えるエミル。……だが、


「いや、ふざけるなはお前の方だエミル。ホーグロンで馬車を探したら、お前がいるってだけでどいつもこいつも乗車拒否してきたんじゃねえか」

 アゼルはアゼルで諸悪の根源の責任を追及する。


「えぇ、それってアタシのせいじゃなくない? 向こうの器が小さすぎるんだよ」

 しかし、当のエミルに気にした様子はまったくない。


「今までの行いに少しは反省しなさいよ」

 これにこそアミスアテナは心底呆れていた。


「せめて、あのオジサンたちが見つかればよかったですけど。もうホーグロンにはいないみたいでしたからね」


 イリアの言うように、ハルジアを出立して以降イリアたちを運んでくれた男連中がいれば(一部区間は誘拐なのだが)、エミルを含むパーティでも乗せていってくれたかもしれない。

 しかし彼らもすでにホーグロンを出立した後のようだった。



 そんなこんなでワイワイと騒ぎながらイリアたちはイニエスタの街を歩いている。

 封印されたアゼルとイリア、元々幼い容姿のエミルたちの姿は、傍から見れば仲の良い子供たちにしか見えないことだろう。


 しばらく彼らが歩くと賑やかな露店市の通りに辿り着く。



「お、やってるやってる。ねぇ、ちょっと覗いていこう」

 エミルはウキウキとした様子で早速露店に向かって歩いていく。


「おいおい、それこそ道草だろが」


「いいじゃんいいじゃん。この街で売ってるのは他のとこより質がいいんだよ。掘り出し物も見つかるかもしんないしさ」


「まあまあ、アゼル。少しくらいいいじゃないですか」

 イリアも露店市に興味がないわけではないのか、アゼルの手を引いて進んでいく。


「…………まあ、いいけどよ」

 結局しぶしぶと付いていくアゼル。

 その様子を見て、


「……チョロい」

 どこかの聖剣の、小さな声がした。



 いざ露店に辿り着くとそこには大小様々な装飾品が置いてあった。


「─────へぇ、クロムの店で見たようなアクセサリーが並んでるんだな」

 

「逆だよ逆、あのおっちゃんのとこに色んな小物が置いてあったのがおかしいんだって。そういうのはこのイニエスタが主流なんだから」


「ほう、そうなのか。それにしても結構色々と置いてあるもんだな。ん? 魔石っぽいのもあるぞ」

 アゼルの指摘通り、魔石を少し加工した物がどの店にも並んでいる。


「イリア、絶対に触っちゃだめよ。むしろ近づいてもだめだからね」

 起こりうるだろう惨劇を回避するためにアミスアテナは事前にイリアに忠告する。


「うん、さすがにここ一帯の魔石を弁償するとなったら目も当てられないからね」

 前回貴重な魔石を破壊してしまったイリアは緊張しながら一歩引いた位置から陳列されている商品を眺める。


「でもこんなに魔石なんて用意しても、どこに需要があるんだ?」

 アゼルの素朴な疑問。


「何言ってんのアゼル。魔石が一番売れ行きの良い商品なんだから置かないわけがないじゃん」

 何を当たり前のことを言っているのかと、エミルはアゼルの無知を指摘する。


「は? なんでそんなに魔石が売れるんだよ」


「あのねぇ。魔石、っていっても純度の低いクズ石じゃ意味ないけど、安定化した純度の高い魔石ってのはどの家庭にとっても必需品なの」


「え? そんなになんですか?」

 何故かここでイリアが驚く。


「何でイリアが知らないのさ、って。そうか、イリアは触れたら壊れちゃうから魔石には縁がないのか」


「う、まあそうなんですが」


「それにキャンバス村にはその手のモノは一切入れない結界を張ってたから、イリアも私もその辺りは分からないわね」

 アミスアテナもその辺りの知識はさっぱりといった様子である。



「それじゃあ仕方ないか。一応、常識として教えといてあげるよ」


 そしてエミルの魔石講座が始まった。

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