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エルダーストリア‐純白彩加の魔勇譚‐  作者: 秋山静夜
第二譚:灼銀無双の魔法譚
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第49話 決着

 空が青く、



 清々しいほどに澄み渡っている。



 はたして、この光景を眺めることができるのは勝者か、…………敗者か。




「私たち、カッコ悪いですね」



「ん? ああ。二人掛かりで形振(なりふ)り構わずやって、このザマだからな」



 イリアとアゼル、ふたりは揃って大の字で仰向けになり、ボロボロな姿で地面に倒れている。

 


 エミルを倒す為に、全力の、さらに全力を振り絞ったのだ。



 もう二人にはまともに動く力が残っていない。


 





 世は理不尽だと人は言う。





 イリアはそんなことはないと思っいる。


 力と心を尽くせば覆すことのできない不条理なんてないのだから。







 世は理不尽だと人は言う。






 アゼルはそんなはずはないと首を捻る。


 いかなる不条理も、もって生まれた力でただ捩じ伏せればいいのだから。




 だが、




 確かに、




 世に理不尽は存在する。


 今まであらゆる不条理を寄せ付けずに生きてきた勇者と魔王が、全ての力を振り絞ってなお及ばない相手がいるのだから。




「あー、楽しかった! やっぱりアンタたち最高だね。……んっ」


 イリアたちと同様にボロボロの格好になりながらも、まだ何時間でも戦えそうな様子で元気にエミルは立っていた。


 虫でもいたのか軽く右手を払う。





 アゼルは思う。


 ついこの前、イリアに生まれて初めての敗北を喫することになったが、それは自分の中身の全てを吐き出した上での負けるべくしての負けだった。


 背負っているのが自分である以上、負けて失ったのも自分自身だけだ。



 今回は守るべき魔族の子供たちがいて、負けて失うモノは彼らの命だ。

 下らない自分自身よりもはるかに大切な子どもらの為、自分を負かした勇者と共闘してまで戦って、それでも届かなかった。



 同族の命運をよりによってこんな戦闘狂に預けるなど、なんたる屈辱であろう。



 しかし…………






 イリアは思う。


 やはり最強の魔法使いは最強だった。


 例え彼女の方が上手く事を修められるとしても、自身の想いは自身で成し遂げるべきだと必死に勝ちにいったのだが、それでもやはり届かなかった。


 戦いを楽しみたいというエミルの気持ちに付き合うつもりはなかったが、終始にこやかに笑いながら戦っていた以上、彼女は楽しかったに違いない。




 だから…………





 エミル(アイツ)に任せておけばきっとなんとかなるのだろう。





「二人とも起きる元気はある? あっ、ない? ま、そりゃそうだよね。立ち上がれるようならもう一戦しないとだもんね」



 ニコニコ笑いながらエミルは二人に話しかける。



「よーしそれじゃあ、今回はアタシの勝ちってことで、まあ後のことはアタシに任せ……ッコフ!!」



 急に咳き込むエミル。



「? あれ?」



 彼女の心臓には一本の槍が突き立っていた。

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