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浦川 日歌里ノウラジュウニシ【side:U】

垂れるは雫ばかりにあらず

作者: 歌川 詩季

 こんなもんですか?

 ひと(しずく)では まるでたりねえぞと

 もんくを()れる連中になぞ おれだって

 もうひと(しずく)たりとも しぼりだしてやりたくない


 だからって

 (かわ)きを見て見ぬふり

 きめこんでやるまではできないし

 ましてや 生き倒れされちゃ めざめがわるくて


 だからこそ

 もんくを()れる その姿でいくらか救われる

 むしろ じゅうぶんだって へりくだってくれちゃあ

 なんとかしてやりたいって気がもたげてくるからさ

 どうぞ そのまま もんくでも()れててくれよ



 ひと(しずく)でも なんてありがてえと

 こうべを()れる連中になら おれだって

 もうひと(しずく)くらい しぼりだしてやりてえが


 だからって

 (かわ)きをいくらか

 ひきうけてやるまでのつもりはないし

 ましてや 共倒れなんて まっぴらだ


 だからこそ

 こうべを()れる その姿がいたたまれなくなる

 いっそのこと もっとよこせと せびってくれれば

 なんとかしてやりたいって気も失せてくるからさ

 どうか これ以上 こうべを()れないでくれよ

 そんなもんでしょう。


挿絵(By みてみん)


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【同一課題作品】
それはきっと朝露のせい
作者:日浦海里先生
― 新着の感想 ―
[良い点] 一雫をどう受け取るかで印象が随分変わりますよね。 考えさせられる素敵な詩でした。
[良い点]  たくさんある中のひと雫ではなく、しぼりだしてのひと雫。  量は同じでも、重みが違いますよね。  見限る理由にはなりますけど。  少し腑には落ちませんよね。  どうせ同じだけ身を削る…
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