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きゅう
「───その後、雨が降るたんびに外に出て、水たまりをじゃぶじゃぶ踏んだんだけど、その『アメノミヤコ』ってところに行ける水たまりはなかったのよね~」
「へ~!わたしも行ってみたいな~アメノミヤコ!」
少女は母親の話に耳を傾けながら『雨音』と書かれた小瓶のコルクを開けた。小瓶の中からはサアアアと、小雨が降るような音がした。
すると。
─────パラッパラパラ…パララララ………
小瓶からではない雨音が、窓の外から聴こえてきた。
「あら、雨が降ってきたわね」
「!雨がいっぱい降ったら、水たまり探しに行く!アメノミヤコにわたしも行く!」
「ふふ、あらそう。見つかるといいわね、アメノミヤコ」
「ママが行けたのなら、わたしもきっと行けるよ!だって、ママの娘なんだから!」
「そうね…私の娘だもんね。きっと見つけられるわ」
「うん!絶対見つけるよ!」
少女はそう言って強く頷き、コルクの開いた『雨音』の小瓶を見つめた。
透明でからっぽの小瓶からは、優しい雨音が響いていた──




