なな
「すごーい!雨の音がビンの中からするー!!」
見た目は透明の何も入っていないような小瓶。その小瓶に耳を澄ますと、雨音が聴こえてくる。
「ほっほっほっ、この『雨音』のビンは開けたときによって、小雨だったり大雨だったり、雨の降る音が違うんだ」
「へ~!おもしろーい」
「気に入ったかい?だったらその『雨音』のビン、あんたにあげるよ」
「えー!いいのぉ?」
「ああ、アメノミヤコに来た記念に持っていきな」
「ありがとう、おばあちゃん!」
少女が満面に微笑んでおばあさんにお礼を言った瞬間。はっと、おばあさんは何かに気づいたような顔をした。
「おや、そろそろ地上の雨が止みそうだね。雨が止んだら地上に帰れなくなるから早く帰りな」
「え?そうなの」
「ああ、地上で雨が降ってる時まれに、地上とこの『アメノミヤコ』が繋がる時があるけど…あんたはそのまれに繋がった瞬間に当たったんだねぇ」
そう言って、おばあさんは少女に微笑んだ。
「じゃあまた泳いで帰らなきゃ」
「泳いで帰るのもいいけど、シャボンの泡に乗って帰るといいよ。シャボンは私が作ってあげるから」
「シャボンの泡…?」
少女がきょとんとしていると、おばあさんは店の奥に入って行きそして、手に何かを持って戻ってきた。地上でもよく見る、シャボン玉の容器とシャボン玉を作るストローだった。
おばあさんはそのシャボンの液が入っている容器にストローをちゃぷちゃぷとさせ、普通のシャボン玉を作るようにして、ふうっと息を送ると。
((ぷわわわわ))
おおきなシャボン玉が少女を包みこみ、ふわふわと浮かんだ。




