【最終話】エピローグ
闘技場の事件から数日後。インディさんの書斎。
部屋には僕とアイラ、インディさんの3人がいる。
「やぁ、テオドール君とアイラちゃん調子はどうかね?」
「お陰様でよくなりました」
「私もです」
魔族と戦闘の後、インディさんが陣頭指揮をとって怪我人の治療といった事後処理を行ってくれた。僕も微力ながらヒール(回復魔術)で協力させてもらった。日が暮れるまでは不眠不休で治療を行っていたら、教会から声がかかったが丁重に断らせていただいた。後、冒険者ギルド関係者からもスカウトをちょうだいしたが、すべからく辞退させていただいた。
バタバタとした数日が過ぎ、やっと僕達は日常を取り戻しつつある。結果的にすべてが上手くいったためだ。
魔族撃退後にルーズに兄さんは意識を取り戻した。負けたとは一言も言っていないが、敗北を認めたルーズ兄さんは何も言わずに帰ってくれた。ああ見えて一度約束した義理堅さはあるから、きっと父上には上手く取り計らってくれるのではないかと期待している。キュリーの所在が父上に露見して実力行使に出たとしても、今の僕だったら時間稼ぎ位は出来るはずだ。
そして最大の懸念点は魔族の動向だ。
人間と魔族の仲は良くない。それでも100年近くは互いに不干渉を貫くことで争いなく暮らすことが出来た。しかし、今回は魔族の方から突如人間に攻撃をしかけてきた。関係悪化は不可避だろう。
それに魔族を『モンスターサーチ』した際に表示されていた内容も気になる。やつらは陽の光を嫌う。浴びた瞬間に灰になるということはないが、長時間浴びていると肌荒れのような事象を起こすから日中見かけることはごく稀だ。しかしあの魔族は陽の光を浴びても平然としていた。魔族の間でも間違いなく何かが起きているのだろう。
魔族の件をヒストリアさんに報告した。すると僕の予想通り今回の一件は魔王───悪い古代人が絡んでいるだろうとのこと。今後の対策として『監視衛星』の使い方を教えてもらった。会ったことのある人物であれば、その動向をリアルタイムで追いかけることが出来るとのことだ。今回の魔族が人間領に侵入してきたらアラート(警報)が鳴るように設定した。前回のように一方的に蹂躙されるのではなく、迎撃することも出来る。今の僕だったら多少はロストワールドの人達に聞く耳を持ってもらえる。
「それで、君達は今後どうするつもりなのかね?」
「遺跡に潜って古代技術をもっと上手に使えるようになりたいと考えています。古代技術には夢がたくさんありました」
「私はテオについてきます」
僕はアイラに破顔する。
「アイラ、ありがとう」
「なっ、なによ急に。あ、あなたには私がいないと駄目でしょ!」
赤面しながら必死にアイラが澄まし顔をしようとする。
まだ見ぬ古代技術と彼女に胸を高鳴らせた。
長期間お付き合いいただきありがとうございました。
お陰様で無事に完結させることが出来ました。
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