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妹加入

 『監視衛星』の座標に従い岩壁の前に到着した。

 

「本当にここに遺跡があるの?」

「そのはずなんだけど・・・」


 『監視衛星』のナビゲーションは確かに壁の内側に続いている。

 壁に手を当てようとすると、手が壁の中にめり込む。


「うわっ!?」

「テオ大丈夫!?」

「う、うん。大丈夫」


 壁のように見えるけど、壁ではない。体ごと中に突っ込むと洞窟が続いていた。

 当然の如く、ナビゲーションは洞窟の奥を示している。

 アイラも僕の後に続いて洞窟に入った。


「テオ、お手柄ね。これじゃ誰も気付けないわ」

「たまたまだよ。たまたま」

「ふふふ、そのたまたまは、何回目かしら?」


 いたずらっぽくアイラが僕に笑いかけてくるが────急に表情が引き締まる。


「人の気配がする。大人の男の声、女の子の泣き声。・・・どうするテオ?」

「行こう。まずは状況を把握してから決めよう」


 アイラが『気配察知』を使用して先行する。僕がその後を続く。

 先には男───身なりからして山賊が小さな女の子と、キュリー・サイエンスに乱暴をふるおうとしてしている。えっ!?何でキュリーがいるの。迷っている暇はない。


 『投石』を使って山賊達を攻撃する。


「ゴバッ!」


 乱暴を働こうとしていた山賊に投石が命中する。壁際まで吹っ飛び、山賊はピクピクしている。


「えっ、兄様、何でここにいるのですか!?」

「キュリー、無事か?」

「は、はい、無事です」

「よかった。細かいことはここにいる奴らを倒してからだ」


「何だてめえらは!」

「お前達に名乗る名前はない!」


 比較的身なりが整っている男、山賊の頭領に怒鳴り返す。

 

「クソガキが、舐めた真似しやがって、お前らやっちまえ!」

「「「ヘイ!」」」


 斧を片手に3人の子分が襲いかかってくる。

 『投石』で3人とも吹き飛ばす。


「おっ、親分。コイツ強すぎっす」

「俺達じゃ手も足も出ねぇ」

「『投石』じゃなくて『巨石』の間違えじゃないのか」


 3人共、ピクピクしていて立ち上がる気配がない。


「兄様すごい!」


 キュリーも歓声を上げる。


「チッ、約立たずが。俺様に切り札を使わせたことを後悔するんだな。来い『ビッグ・ゴーレム(巨大魔法人形)』」


 頭領が懐から取り出した長方形のガラス板を押すと室内が揺れ出し、壁をなぎ払いながら『ビッグ・ゴーレム』が出現する。


「なんて大きなゴレームなの」

「お兄ちゃん、逃げて!」


 通常、ゴレームのサイズは人間サイズだ。目の前の巨人は人間の3倍。6mサイズの背丈を誇る。

 『投石』で牽制をかけてみる。すると『バゴォッ!』とすごい音がする。ビッグ・ゴーレムがちょっと凹む。


「ふ、ふん。その程度の攻撃がなんだってんだ。行け、ビッグ・ゴレーム!」


 地響きを立てながらビッグ・ゴーレムが前進する。

 このまま『投石』や『ガトリングガン』で倒すことも可能かも知れないが、その場合キュリーや女の子が無事でいられる保証ははない。早急にビッグゴレームを倒す必要がある。今の局面で役に立ちそうなスキルをヒストリアさんからもらっている。


『モンスターサーチ!』


──────────────

名称:ビッグ・ゴレーム(古代兵器)


HP:2900/3000


MP:100/100


属性:無属性


  :弱点→腹部のコアユニットを破壊すると完全停止する


▲基本情報▼

古代で土木作業用の重機として使用されていた。

――――――――――


 ちょっとこれ、便利すぎやしないか!?

 ここまで詳細に相手の情報が出てくるなんて予想してなかったぞ。

 これなら、誰も怪我人を出さずにやれる。


『パワードスーツ!』


 全身にプロテクターが装着され、身体能力が一気に向上する。

 ダッシュでビッグゴレームに近づく。

 ビッグ・ゴーレムも殴りかかってくるが───遅い!拳でコアユニットを叩き割る。

 するとビッグ・ゴーレムが明滅しながら機能停止する。そのまま後ろに倒れて頭領を下敷きにする。


「たっ、助けてくれぇ!」


 頭領が下敷きになりながらジタバタする。


「あなたは、反省しててください」


 頭領は頬っておいて、牢屋に閉じ込められていたキュリーの基に向かう。


「キュリー、無事かい?」

「はっ、はい、無事です兄様。本当に兄様なんですよね?」

「僕は僕だよ。キュリーは酷いな。偽物に見えるのかな」

「───いえ、確かに兄様です。助かりました。兄様が来てくれなかったら一体どうなっていたことやら」

「キュリー、ちょっと後ろに下がってて。せーの、はっ!!」


 牢屋の鉄棒を勢いよくひん曲げる。

 牢屋から出るための出入り口を作った所でパワードスーツは稼働時間終了。


「さぁ皆さんは自由です。外に出て下さい」


 中の人々に声をかける。


「ありがとうございます!」

「兄ちゃん、ありがとう!」

「冒険者様、ありがとう!」


 次々にお礼を言いながら牢屋の外に出てゆく。

 そして最後にキュリーと女の子が出る。


「お兄ちゃん、ありがとう!」


 女の子が抱きついてきて、受け止める。


「怪我はないかい?」

「うん!」


 頭を撫でてあげると嬉しそうに女の子が笑う。

 キュリーがおずおずと質問してきた。


「兄様、その力はなんなのですか?」

「授かったスキルだよ。外れスキル───と思われていたんだけど、どうやらそうじゃないみたいなんだ」

「そんな活躍見せつけられたら、誰だって外れスキルとは思わないわ。どうやら父様は馬鹿なことをしでかしたようですね。それだけははっきりしました」


 キュリーが冷めた表情で父上のことを語る。


「久しぶり。キュリーちゃんは、これからどうするの?」

「アイラ姉様もいらっしゃったのですか!?家はどうしたのですか?」

「んー、飛び出してきちゃった。キュリーちゃんもテオを追いかけてやってきたとか」

「そうです。兄様が気の毒すぎて、父様の態度が許せなくて飛び出して来ました」


 キュリー、お前もか。心配してくれたことに心がじんわり温かくなってくる。


「実家に戻るつもりはないかい?」

「ありません!兄様のいない実家なんて、ないも同然です。───兄様お願い、私も一緒にいたいです」


 この状態で実家に帰れとは言えないよな。


「分かった。暫く一緒にいよう。でも、ワガママは出来ないから覚悟してよ?」

「はい、兄様と一緒にいられるならどこにでも行きます」


 こうしてキュリー・サイエンス仲間に加わることになった。


『戦闘勝利により、ロストテクノロジーがレベルアップしました。使用可能スキルが追加されました』

────────────────────

LV7

使用可能テクノロジー

 ▼投石(LV3)▼

  ガトリングガン(LV3)

  火炎放射


 ▼パワードスーツ(LV2)▼

  ソーラー式外付け魔力ブースター(NEW)


 ▼衛星監視▼


 ▼光学迷彩▼


 ▼モンスターサーチ▼

────────────────────


あっ、レベルも上がったぞ。

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