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テオドール VS キングスライム

 僕達はインディさんからいただいたアドバイスを基に『監視衛星』で示された座標に向かった。

 『監視衛星』のオプションでナビゲーション(自動追尾)機能も活用出来たのでアイコン(目印)に従い迷うことなく目的地に当着した。

 アイラは探し物をするのに便利な機能ねと褒めてくれた。今後も使う場面が出てくるかも知れない。


 当着した場所は四角錐の石を積み上げられて作られた建造物───ピラミッドだった。

 状態は悪くないと思う。ほぼ損傷はなく、ジャングルの中をひっそりと隠れるように佇んでいた。 


「中にモンスターが住み着いているかも知れないから注意しましょう」

「わかった」


 遺跡の中には、前衛はアイラ、後衛は僕で進んだ。

 中に入って暫くすると早速、アイラから警告の声を発する。

 どうやら彼女の固有スキルであるソードマスター(剣の達人)で敵気配を探知したようだ。


「この先に巨大コウモリがたくさんいる。・・・やっかいね」


 巨大コウモリはダンジョンに棲み着いている定番モンスターだ。

 数が多く鋭い牙を持っており、集団で襲われると脅威だ。

 こちらは攻撃力が高いだけで防御力はからきしなわけだから。防戦になったらとことん弱い。


「どこらへんにいる?」

「あっちの方だけど、どうするの?」


 アイラが前方を指す。

 『ガトリングガン』を起動する。


「先手必勝。数を減らそう」


 ガガガガガガッッッ!!!

 指さされた場所を指定された場所に弾を撒き散らす。

 巨大コウモリがバタバタと落ちてくる。


「グッド!」

「どうかな、まだいる?」


 『ガトリングガン』を撃ち尽くし『投石』を構える。


「ううん、気配はないわ。一網打尽よ」


『ガトリングガンの習熟度が上がりました』


 聞き慣れないシステムメッセージが流れる。


『ロストテクノロジー!』


────────────────────

LV4

使用可能テクノロジー

 ▼投石▼

  ガトリングガン(LV2)


 ▼パワードスーツ▼


 ▼衛星監視▼

────────────────────


「どうしたの?」

「『ガトリングガン』が強化された。使えば使う程パワーアップするみたい」

「えっ、もっと強くなるの!?本当にテオは規格外ね」


 遺跡巡りは<ロストテクノロジー>のルーツを探ることと、鍛えることの、両方の側面を持つことになる。

 賢者にはなれなかったけど、歴代のサイエンス家の名に恥じない人物でありたい。そのためにもっと修行しないと・・・。


◇ ◇ ◇ ◇


 その後も遺跡探索は破竹の勢いを遂げる。

 先手必勝、サーチ&デストロイだ。


「テオ、前方ゴブリン3体」

「『投石』!』

「テオ、前方コボルト20体」

「『ガトリングガン』!」


 少人数で多数のモンスターを撃破した結果、僕達はメキメキとレベルアップした。

 結果こうなったわけである。


────────────────────

LV6

使用可能テクノロジー

 ▼投石(LV3)▼

  ガトリングガン(LV3)

  火炎放射(NEW)


 ▼パワードスーツ(LV2)▼


 ▼衛星監視▼


 ▼光学迷彩▼(NEW)

────────────────────


 新しいスキルを2つ覚えた。

 火属性の攻撃と変身魔法だろうか?前者はモンスター攻略。後者は隠密行動だろうか?どちらも役立ちそうだ。


「遺跡に潜る前から強かったけど、更に磨きがかかったわね。凄いわ」

「火力が強化されたのもそうだけどアイラの『気配察知』のお陰だよ。ほぼ確実に先制攻撃出来るからね。相性いいと思う」

「ちゃんと私を見てくれてるのね。素敵!やっぱりテオの隣には私がいないとね。」


 ちなみに攻撃力が上がって別の問題点が浮上した。手加減出来ないこと。

 『投石』と『ガトリングガン』に関してはレベルが上がると威力が上がる。上がった威力は下げることが出来なかった。手加減するために魔法の修行もまた必要だろう。


「テオ、前方。大きいわ。何かが這うような気配。何かしら・・・・」

『投石!』


 レベルが上がって石がより固くなった投石が相手襲う。

 肉と骨が砕ける音ではなく、『ビチャッ』という音が響く。そして不気味に這う音だけが聞こえてくる。


『ガトリングガン!』


 ガガガガガガッッッ!!!

 『ビチャビチャビチャ』と粘性の高い音が響き渡るが、やはり這う音だけが聞こえてくる。

 ───そして這っていたものの正体を現す。

 スライムだ。体内に石や体内が取り込まれ、そして排出された。お返しとばかりに液を吐きかけてくる。

 よけると壁に液が付着する。すると刺激臭とともに壁が溶けて内部機構が露わになる。


「最悪。こんな所でキングスライムだなんて」


 キングスライムは斬撃、射撃といった物理攻撃を無効化することが出来る難敵。そして防御無視の消化液を吐きつけてくる。それ故にスライムの王様、キングスライムと呼ばれている。


「分が悪いわ。テオ、一旦退却しましょう」

「賛成。もっと開けた所で戦おう」


 撤退を決めた矢先に突如異常音が鳴り響く。


『異常発生を確認。隔壁を閉じます。職員は至急離脱ください』  


 ───出入り口が閉められてしまった!

 キングスライムが僕達に追いつき、袋小路になってしまった。退路を封じた上で消化液を吐きかけようとしてくる。───避けられない!


『ロストテクノロジー!』


 現在の状況を打開するスキルは・・・『火炎放射!』

 粘性の強い炎が消化液及びキングスライムを舐めるようにまとわりつく。どちらも高温のためか瞬時に燃え尽きる。臭いすらも残らず汚物は消毒された。


「ちょっとテオ、いつの間にそんなすごいスキル覚えたの!?」

「ついさっきだよ。間に合ってよかった」


 『火炎放射』を出し惜しみしてたのにも訳がある。どの位強力なのか分からないからぶっつけ本番で本当は使いたくなかった。可能であれば使用可能魔法、ファイアボールを連打して妥当を考えていた。結果的にうまくいって本当によかったと思う。


「またテオに助けられちゃった。ありがとう。────扉は開きそうもないし、更に潜るしかなさそうね」

「うん、出入り口は1箇所だけじゃないだろうし、迂回路を探してみよう」

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