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第四十七話 新たな『索敵』の使い方

第四十七話!ラルクは称号系スキルをコンプリートできるのか………⁉︎

 3日目


 ダンジョン『アークトゥルス』21〜25階層。

 そこは村はずれの『約束の森』よりも大きな木々が生い茂っていて、他の階層では類を見ないほど多い種類…その数なんと11種類のモンスターたちが生息している、まさにジャングルのようなところだ。


 僕が既に称号系スキルを獲得しているバトルコングに加え、群れで襲いかかってくる知能の高いモンスターや擬態能力の高いモンスター、さらには木々の間を滑空したりするモンスターなど、特殊な生態を持ったモンスターがたくさんいる階層なのだ。


 それはつまり…


(絶好のスキル獲得チャンスじゃないか!!!)


『いや、なんでそうなるんですか』


 僕の心の声に、ルキアさんからツッコミが入る。最近はもう急に頭の中に声が響いてきても驚かなくなってきた。


「そりゃあそうですよ!だって空を滑空するスキルとか持ってませんし…普通では手に入りづらいスキルがたくさん手に入るんですよ!?」


『だから称号系スキルも手に入りづらいんですって』


 もうそれは考えないことにした。そういうものだ…って思うことにしたよ。


『そういうもの、って…それで済ませて良いんですかねぇ…』


「大丈夫ですよ!多分!」


『そこまで自信を持てる理由がわかりませんよ、本当に』


 またルキアさんに呆れられてしまった…。ということで僕は腹いs…称号系スキルを得るために分身たちとともにモンスターたちを倒しに行くのだった。




 5時間後。


「全然見つからない!!!」


 狩りに慣れたことと、群れで動くモンスターが多かったこともあり9種類のモンスターの称号系スキルを得た僕は、残り一種類…コンシールカメレオンというモンスターを探していた。


 このモンスター、とにかく逃げ足と擬態能力が高い。木々に張り付きながら、それとほぼ体を同じ色にして近くで見ないと分からないほどに木に擬態しているのだ。


 『索敵』を使っても大体の位置しかわからないので、結局手探りで探すしかなく、適当な攻撃をして、ほかのモンスターに当たればそれまでの苦労が水の泡だ。


(どうすれば捕まえられる…?)


 このまま闇雲に探していてもキリがない…というか疲れた!そう思った僕は今持っているスキルの中で使えるものはないかと考える。


 うん、思い付かない。このまま狩りをしても効率が悪いだけなので、作戦を練るのも兼ねて今日は一旦ギルドに戻ることに…


『珍しくまともな悩みを抱えていますね』


 したのだが、帰り際にルキアさんが唐突に話しかけてきた。


「『珍しく』ってなんですか。僕は常にまともですよ」


『だから……もう言っても無駄ですね…。私は基本助言できる立場にありませんので、頑張って自分で考えて下さいね』


 ああ、最後の手段として残していた『ルキアさんに聞く』作戦ができなくなってしまった…。思いつかなかったらどうしようかな…?

 そんな少しの不安とともに、僕は町に戻るのだった。


 


 いつも通り冒険者たちで賑わっている冒険者ギルドで今日の分の魔石買取を終えた僕は、どうしようかという相談がてら『鑑定屋シルク』に向かった。しかし…


(いつもより人が多いな…)


 いつもと違ってこみやすい時間帯に来たせいで、店内には結構な量の人達が集まっていた。いつもはあまり人がいないか、いても少しだけなのにな…。いつもは広く感じる店内も、人が多くて狭く感じ…


(……待てよ…広く…混み合う…密集……あっ!)


「その手があったか!!!………あ…、ごめんなさい」


 僕は店内の様子をヒントに、コンシールカメレオンを見つけるためのアイデアを思いついた!!喜びのあまり、つい声が出てしまった。店の中が気まずい空気になってしまった…。僕は謝りながらそそくさと店を出て、今日は家に帰ることにしたのだった。




 4日目


 昨日考えついたコンシールカメレオン対策を実践するため、僕は今日もまた『アークトゥルス』の21〜25階層に来ていた。


(じゃあ、やるか…!まずは…『索敵』っ!)


 スキル『索敵』を使い、コンシールカメレオンを探し出そうとするが…


(…やっぱり、出ないか…)


 コンシールカメレオン以外の様々な反応が引っかかったり、反応があっても擬態していらので見つからない…といっても、ここまでは予想内。僕の作戦はここからだ。


(スキル複合発動…『魔力操作』『索敵』)


 僕が思い出したのは、スキル『索敵』の能力。『魔力を広げて敵を探す』能力なのだ。つまり…()()()()()使()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 体の中から密度の高い魔力が広がっていくのを感じる。狭い範囲だが、その中にあるものが、生物が、動きが手にとるようにわかる。もちろん…


「そこっっ!【アクアランス】!」


「キァァァ!!」


 コンシールカメレオンの位置も、だ。いくら姿形が似ていても、そこにいるということは変わらない!!僕は水魔法【アクアランス】を使い、コンシールカメレオンを穿つ。これならいける…そう思った僕はコンシールカメレオン…及び26〜30階層のモンスター(3種類のみ)を倒しに向かったのだった。




 3時間後。


『獲得条件を達成…スキル『ミノタウロスの覇気(オーラ)』を獲得しました…え、本気で全部獲得しちゃったんですか……』


「終わっ……たぁぁぁあ!!」


 ついに…ついに僕はダンジョン『アークトゥルス』の全モンスターの称号系スキルを手に入れたのだ!!

 僕は喜びのあまり、石造りの床と壁が広がる薄暗いフロアの中、1人で叫んだのだった……そういえばかけた時間が4日間だけだったのに気づいたのは、家に帰ってからだった。

もうルキアさんはラルクの異常性に慣れてきたようです…。スキルの詳細とかはまた次回紹介します!!


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https://ncode.syosetu.com/n6670gw/
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