第四十五話 ルキアさんとの出来事
第四十五話です!ルキアさんの暗黒面が明らかに…?
『ところで…あなた、何者です?』
そう唐突に聞いてくるのは、さっきまで楽しく(?)しゃべっていたダンジョンのシステム音…ルキアさんだ。
「…何者?質問の意味がわからないんですけど…」
何者、とはどういう意味だろう?僕はただの10歳の子供で、強いスキルを授かっただけにすぎないだけのはずだ。
『ん?そうですか…気のせいですかね?あなたから感じたことのない感覚を憶えましたので…なんでしょう、まるで何かがいるような…』
僕の中に何かがいる?僕はそんなこと感じた記憶はないのだけれど…
『ものすごく歪な何か…大切ななにかが欠けているような存在が、あなたの中にいる』
歪な、何か?僕がそんなものを体の中に入れる機会なんて一度もなかったはずだが…
「それ、大丈夫なものなんですかね?そう言われると怖くなってきたんですけど…」
『まぁ…とても弱い反応ですし、あなたに危害を加えることは無いと思いますが…せいぜい、気をつけるくらいですかね』
気をつける…か。まあ、僕もそれ以外にその『何か』の対処法なんてわからないし…そうしておくか。
「…って、なんで唐突にそんなことを?」
よく考えたらおかしい。さっきの話の流れからなんで急にそんな話になったんだ?
『なぜか分かりませんが…急に反応が強くなりましたので…』
急に反応が強くなった…?何かに反応したのだろうか………ん?反応?その瞬間、僕はあることを思い出す。さっき僕が思ったこと…
【これじゃただの、1人で喋ってるヤバい人じゃないか】
……僕は恐る恐る周りを見る。誰もいない。『索敵』を使う…木の影に5人くらいいる。よくそこを見る。めっちゃこっちを覗いている。めっちゃ引いている。まさにドン引きしている。『えぇ…なんかやばい人いる近づくのやめとこう…』っていう顔をしている。
つまり、僕が今すべきことは…
「見なかったことにしてくださぁぁぁぁい!」
僕は手に入れたばかりの『俊足』と、『跳躍』『縮地』をフル活用してダンジョンから飛び出したのだった。
時は少し遡り。ちょうどラルクがダンジョンに到着、分身を解き放った頃のお話。
side:ラルク(分身)
………。僕、なんで生きてるの?確かこの前、あの黒いモンスター…本体の記憶によるとブラックオーガというらしい奴に命懸けの突進をして、それで…死んだはずだ。
分身は死んでも消えるだけ。クールタイムが終われば、また新しい記憶と人格を持った分身を作り出せる。だから、僕がここにいることはおかしいのだが…どうしてだ?
まぁ…そんなことはどうでもいいか。今は分身としての役目…本体からの命令を実行しよう。そう考えてしまう分身の性にしたがい、僕はバトルコング狩りを始めたのだった…
そして、とにかくモンスターを狩りまくり、『ゴブリンの覇気』『ウィンドウルフの覇気』『バトルコングの覇気』を手に入れ、本体の命令を待っているあいだ、こんな声が聞こえてきた……いや、頭の中に響いてきた。
『はぁ…やっと見つけましたよ。あなたですか、これの元凶は』
っ!?なんだこれ!?これは…システム音!?それが話しかけてきたっていうのか?
『ええ、そうです。私はルキア。あなたの言うシステム音、という存在ですね』
心が読まれ…
『あぁ、その問答、あなたの本体ともやりました。私は心が読めます。あるスキルのせいでこうやって話せるようになったのです』
もはや心に考えていなかった疑問さえ読まれている!?エスパーかこの人!?というか…
「それよりまず、なにがなんだか分からないんですが」
『あ、そうですね、では最初から説明しましょう』
その後、僕はルキアさんから本体に教えたという概ねの事情を聞き、そしてそれを引き起こしたスキル…『意思を継ぐもの』について話される。
『これ取得したのあなたですよね?なにがあったらこんなスキル取得したんですか…初めて見ましたよ』
「すみません…よくわかりません、もう色々と必死だった時にいつのまにか手に入れてたので」
『本当に…はぁ、まぁいいでしょう。あなたが【反則】使いでないならまあよしと致しましょう』
【反則】…?
『【反則】とは…この世の理に反すること、としか言えません』
なるほど、言えないなら仕方ないな。めちゃくちゃ気になるけど…
『ああ、知らなくてもいいですよ。【反則】してる人がいたら私が直々にこの世界から存在ごと消し去りますので』
怖っっっ!!存在ごと消し去るってなに!?てかルキアさん何者!?
『これ、他人に言ったらわかってますよね?』
あ、僕消される。分身だけど怖すぎるよこれ。僕は無言で首を縦に振るのだった…
この回はちょっと個人的に書きたかったお話(ちょっとSなシステム音さんとの対話回)でした。




