第四十三話 称号系スキル
第四十三話!本格的な特訓は次回からになります!
そして、少しキャラが増えてきた(これからも増えます)ので活動報告の方にキャラ設定集的なものを作ろうと思いますので、明日は更新をお休みし、活動報告の方に投稿いたします!
画面下の作者マイページ→活動報告から閲覧できますので、よかったら見ていってください!
今日から特訓を始めようと思う…が、そもそも今僕が知っているノーマルスキルのほとんどは獲得してしまっていた。さて、どうしたものか…
「…って、悩んでたりしないかい?」
「心を読むのはやめてください、シルクさん」
特訓前にもう一度ステータスを確認しようと思って『鑑定屋シルク』に行って鑑定をしてもらった後、何故かシルクさんに心を読まれた。なんでわかるんだよこの人。
「そりゃあ、普通に知られてるスキルのほとんどを君がすでに獲得しているからさ。ただし、特訓で得られるものに限るけどね」
なるほど、確かにそんな自覚はある…ん?『特訓で得られるもの』は…?
「シルクさん、特訓以外で手に入るノーマルスキルってなんですか?」
そう聞くと、シルクさんはよく気づいたね、と言わんばかりにニヤリと笑みを浮かべて僕に言う。
「つまり、そのまんまの意味さ…ノーマルスキルの中には、取得条件自体が特殊な『称号系スキル』というものがある。例えば…『連続でゴブリンのみを1000体倒す』みたいな、沢山同じモンスターを討伐するっていう条件のものさ」
なんだその条件。普通に考えて難易度が高すぎる…わざわざ取得する人がいるのか?
「そんな難しくて面倒臭い条件なのに、わざわざ獲得しようとする人がいるんですか?そこまでの労力をかけて手に入れるほどの意味が分からないんですけど…」
僕は思ったことをそのままシルクさんに聞いてみる。すると、シルクさんはテーブルから身を乗り出してこう答えた。
「そう!そこなんだ!条件が面倒すぎてあまり知られていないんだけど、その効果がまたすごいんだよ!」
「そんなにすごい効果なんですか?」
どんな効果なんだろう。僕がそう聞くと、シルクさんはその質問を待ってましたと言わんばかりにテンションが上がって、こう熱弁し始めたのだった。
「ふっふっふっ…この『称号系スキル』、基本的にほぼ全部のモンスターを倒すことで得られて、その倒したモンスターの能力に対応するスキルが強化されるんだよ!」
ん?どういうことだ?倒したモンスターの能力に対応するスキルを強化する…よく分からないな…。
「すみません、どう言う意味ですか?」
「うーん、そうだね…例えば、『連続でミノタウロスのみを1000体倒す』っていう獲得条件の『ミノタウロスの覇気』っていうスキルなら、そミノタウロスが使う攻撃方法…具体的に言えば、『当身』の効果が1.5倍くらい強くなるんだよ!」
なるほど…って、強くないか!?1.5倍ってレベル一つ分くらい差があるじゃないか!そう驚いている僕に、したり顔のシルクさんはさらに驚くべきことを言い放つ。
「まだ驚くのは早いよ!この『称号系スキル』に適正ジョブはない…でも、君の『武芸百般』が乗っかるとどうなると思う?」
「………もしかして…2倍、ですか…!?」
「そう。正解さ、ラルクくん!どうだい?これを聞いてもまだ、意味がないと思うかい?」
スキルの強化倍率がさらに2倍になる。そんな強い能力だと聞いて、誰が意味がないだなんて思うだろうか?確かに取得条件は面倒くさくて大変だが…
「ノーマルスキルをさらに強化するためのノーマルスキル…充分取得する価値があると思います…!『称号系スキル』、侮れないスキルですね!」
僕は思った感想をそのまま口に出す。するとシルクさんの表情が少し曇った。何か悪いことでも言っただろうか…と少し心配になる。
「どうかしましたか?」
「……!いや、何でもないよ…ただ、その反応が昔の知り合いに似ていただけさ。ちょっと驚いただけだよ」
なんだ、そういうことか。気分を害したわけではないと知り、少しほっとした僕は席を立ち、お金を取り出す。
「今日はありがとうございました!これで特訓がまた捗りそうです。これ鑑定のお代です」
「…はい、しっかり金貨3枚ね!またいつでもおいで!話をしにくるだけでもいいからね!なんなら一緒に研究でも…」
「それは遠慮させてもらいます…それじゃあ今日はこれで」
「釣れないなぁ…それじゃあ、またねー!ご来店ありがとうございましたー!」
そう言って最初にあった時のテンションに戻ったシルクさんの声を後ろに僕は『鑑定屋シルク』を出て、明日からの本格的な特訓の計画を立てるため家に帰ることにした。
(そういえば、なんでシルクさんは『称号系スキル』のことを知っていたんだろう…?)
そんな疑問が浮かんだきたが、それはすぐに町の人の賑わいによってかき消されてしまったのだった。
家に帰った僕は、どうやって効率的に特定のモンスターのみを倒すか、どんなモンスターならどんなスキルが得られるかを考えた結果、明日からはまず、第20〜25層に登場するモンスター『バトルコング』の称号系スキルを得ることに決めた。
この『バトルコング』というDランクモンスター、とにかく力だけは強いのだ。動きは遅いため相手をするのは簡単だが、その大きな腕から放たれる攻撃は軽く木を粉砕する。多分もろに食らったら死ぬと思い、最初にそれを見た時には鳥肌がたった。
だから、倒しやすいというのと、おそらく『身体強化』か『覚醒』のどちらかが強化されると思うのでまずこいつの『称号系スキル』を獲得することにしたのだ。
(さて、明日からまたダンジョンに潜るか…)
そう思い明日からの特訓に備えて、今日は早く寝ることにしたのだった。
ラルクのステータス(特訓前)
ラルク LV.45
職業:冒険者
HP 42480
魔力 42480
力 45000(153600)
器用 45000(92160)
敏捷 45000(184320)
運 53
固有スキル 『武芸百般』LV2
ノーマルスキル
基礎スキル
『剛力』LV10『頑丈』LV10『精密動作』LV10
『神速』LV10『魔力操作』LV10
通常スキル
『当身』LV4『ステータス鑑定耐性』LV4
『粉砕』LV5『縮地』LV5『影分身』LV5
『跳躍』LV5『受け身』LV5『受け流し』LV5
『鋼の心』LV5『鋼の肉体』LV5『魔力回復』LV6
『不屈の精神』LV5『剣術』LV4『体術』LV4
『見切り』LV4『フェイント』LV4『思考加速』LV6
『覚醒』LV6『身体強化』LV6『威圧』LV6『衝撃』LV6
『索敵』LV6『魔法強化』LV6 『投擲』LV6
『体力回復』LV6 『気絶耐性』LV6『渾身の一撃』LV6
派生スキル
『陽炎』『第六感』『応用』『刺突』『反撃』『防御の型』
『一本投げ』『足払い』『袈裟固め』『意思を継ぐ者』
統合スキル
『初級魔法・全属性』LV-
『中級魔法・全属性』LV-
『上級魔法・全属性』LV-
『無詠唱・初級魔法』LV-
『無詠唱・中級魔法』LV-
『無詠唱・上級魔法』LV-
まだまだノーマルスキルは強くなっていきますよ!なんせこの物語はノーマルスキルで最強を目指すお話なので…。