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第三十二話 ウォードVSミファレス その1

総合評価300pt突破いたしました!2つ目の目標の500ptまであと半分!応援よろしくお願いします!

 side:ウォード


(やっぱり面倒くせえ…!!)


 ミファレスとの戦いが始まって、俺がまず思ったのはそれだった。

 魔族は邪神を信仰しており、女神から与えられるものとはまた違う固有スキルを持っている。


 そしてミファレスの固有スキルは一言で表すなら…俺のような直接攻撃型のスキルの天敵のスキルだ。


 この固有スキルのせいで俺が迂闊な攻撃をするとその反動が何倍にもなって自身に返ってくる。不意をつかない限りダメージを与えられないどころか、自身の体が粉々になってしまう…

 そんな緊張感のもと、それでも俺は思いっきり飛び込んで、攻撃を仕掛け…


「見えてるわよっ!『弾けなさい』!!」


 まずいっ!


「『筋肉は裏切らないパワー・イズ・ザ・ベスト』ッッッ!!」


 物理法則を捻じ曲げる!なんとか拳が当たるギリギリで空中で方向を変えて当たらないようにする。あっっっぶねぇぇぇ!死ぬかと思った!!


「あら?攻撃してこないのかしら!?ならワタシから殺しに行ってあげるわっ!『吹き飛びなさい』!」


 憎悪の籠った声でミファレスはそう叫び、俺に飛びかかってくる。俺はそれを見て、10年前のことを思い出していた。



 ファイルガリア北部砦。大きな石造りの砦であり、魔族の住む国に最も近い砦であるため、しばしば魔族が侵攻を仕掛けてくる場所だ。そんな所であるため、その周りには軍事施設以外は何もない殺風景な所だ。


 その日、Sランクである俺は冒険者ギルドからの強制依頼で、そこに呼び出されていた。

 邪神を信仰する魔族が侵攻してきたらしく、相手の軍の大将…ミファレスという魔族がすざましい強さを持っているという。

 魔族軍が撤退している今のうちに、それを倒してこいと言われたのだ。


(面倒臭えなぁ…)


 そんなことを考えながら、俺は砦を出て兵士とともに敵地に進軍していった。まさか、あんな死闘をするとは、この時の俺は知らないのだった。


 


 雑草すら生えていない荒地を進軍し始めておよそ5分。ちらほらいる魔族の残党を倒しながら進んでいると、不意に戦場に声が響く。その声は目の前の鎧さえ着ていない、翼を生やした女の魔族が発したものだった。


「あら?ワタシの下僕に何してくれてるのかしらぁ?これは…お仕置きしないといけないわね。『吹き飛ばしなさい』」


 そう言って、その魔族は俺の頭上に魔法で岩を作り出し、それを落とす。これなら壊せるが…


(なんだこの殺気は!?ここにいたら不味い!!)


そう思い、咄嗟にその場を離れる…


 ズドォォォォォォォォォォン!!!


 その直後のことだった。俺の立っていたところを中心にクレーターが作られ、一緒にいた兵士たちは1人残らず吹き飛ばされた。


(なんだコイツは…!!)


 俺はその光景を見て戦慄する。今、あいつは何をした!?なにが起こったのか分からない。スキル『危機察知』がガンガン反応している…コイツ、強い。


「やっぱり躱されたわねぇ…アナタ、Sランク冒険者の『理不尽』ウォードでしょう?」


「何故それを知っている?」


「ワタシのスキルはあまり戦闘には向いてないの…だから、冒険者ギルドにも何人か部下を潜り込ませてあるのよ…ふふっ?驚いた?」


 なんだろう…コイツ、物凄く…不気味だ。そんな重要そうなことを俺にペラペラと喋るなんて、それ程までに俺を殺す自信があるのか?そう考えると、少し不安になってくるが…


「いや、驚きやしねぇよ…今はただ、テメェをぶっ飛ばすだけだ!『衝撃』!」


 そう言って思いっきり殴り飛ばすために奴のいる空中に飛びかかり、『筋肉は裏切らないパワー・イズ・ザ・ベスト』により強化された打撃とスキル『衝撃』によるコンボ攻撃で一気に勝負を決めにかかる。


「そう、なら試すといいわ…『弾けなさい』」


 そう奴が言った瞬間、俺のスキル『危機察知』が警鐘を鳴らす。何かこのまま攻撃したらヤバいことになる!そう思い、俺は『筋肉は裏切らないパワー・イズ・ザ・ベスト』の能力で物理法則を捻じ曲げ、強引に拳を逸らす。

 すると、『衝撃』のみが飛んでいき、それが奴にそれが着弾する。


 その瞬間のことだった。とてつもない爆音が響き渡り、俺がいた方向に衝撃波が走り結構な量の土が抉り取られた!


(もしも避けて無かったら…鳥肌立ってきたぞ…!)


 もしも避けていなかったら、今頃俺は吹き飛ばされ甚大なダメージを負っていた…恐らくだが、奴の固有スキルの力だろう。

 さらに、それを受けたはずの箇所は少し赤くなっていただけで、ほとんどダメージを受けていないようだった。いくら防御力が高くても、俺の放った『衝撃』を受けきれるわけがない。

 HPが高いほど防御力は上がる。だが、コイツのHPがそんな高いようには見えない…つまり、これも奴の固有スキルの能力だろうな。


「あら…躱されちゃった上に、痛いじゃないの?そんな酷いことしないでくれないかしら?」


 当の本人は余裕の表情。痛いと言っているがさほど気にしてもいなさそうだ。攻防共に使える固有スキル…厄介だな。

 これは迂闊に攻撃するよりも、奴のスキルの能力を解き明かすのを優先しよう。


 そう思い、俺はスキル『簡易鑑定』LV4を発動する。このスキルは、相手の補正後のステータスと固有スキルの名前のみ見ることができるというものだ。するとそこには…



HP 4528

魔力 6293

力  2186

器用 5421

敏捷 3164

運  61


固有スキル 『数量操作』



 なるほど、固有スキルの名前は『数量操作』か…そう思って熟考していると。


「あら?他のことを考えている余裕なんてあるのかしらぁ?『吹き飛びなさい』」


 そう言って奴は虚空を殴り、衝撃波を飛ばしてくる!


「うおっ!?」


 この威力…俺の飛ばす『衝撃』といい勝負だぞ!このままこれを撃たれ続けたら俺の体力が保たねぇ!

 早くどんなスキルかを解き明かさねば…俺は少し焦りつつ、戦いながら奴のスキルについての考察を進めるのだった。

少しずつ改稿していくので、投稿ペースがおちてしまうかもしれないです…ですが、毎日投稿はできる限り続けますので読んでいただけると幸いです!!






【作者からのお願いです!】


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