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第三十話 予想外の善戦ともう一つの闘いの始まり

モンスターのランク指標


ランクF 子供でも倒せる。スライムクラス。

ランクE〜A 1ランク下の冒険者なら倒せる。

ランクS Aランク冒険者数人で倒せる。魔龍クラス

ランクSS Sランク冒険者がギリギリ倒せる。

       古龍(エンシェントドラゴン)クラス

ランクSSS 国内のSランク冒険者全員で倒せる。

       魔王クラス

ランクSSS以上(測定不能) 世界全てを賭けて倒せるかどう

            か。魔神クラス。

(嘘だろ…!)


 戦慄する僕の眼前に迫るのは、3000を超える数のD〜Cランクのモンスターの大群。こんな大群を制圧できるのはAランクパーティくらいだぞ…!


「あ!リール!まだまだ来てるよ!強いやつ!」

「あ!マール!たくさん来てるよ!強いやつ!」


 まずい!マールとリールが敵陣に突っ込んでる!このままでは2人がやられてしまう!!


「リール!マール!駄目だっ!こんなのAランクでも……ん?」


 ドン!ゴス!バキッッ!!……という音が鳴り響く。あれ?なんか全然余裕で闘えてる!?

 そうか!『殺戮高揚(キリング・ハイ)』の効果でステータス上昇がかかってるんだ!


「「安心して!大体今のステータスは全部10000を越してるよ!」」


 つっっっよ。でも、これならまだ対抗できるかもしれない。ならば…


「『縮地』!『縮地』!!」


 僕は急いでシュヴァルツさん達の元へ戻る。


「シュヴァルツさん!クレイくん!前線は頼みます!」


「ラルク!?何をする気だ!?」


「『分身』20体と一緒に後ろから殲滅に!」


「むむむ、無茶だよラルクくん!前線が持たないって!」


「…そうか。無茶はするなよラルク」


「シュヴァルツさんまで!?ラルクくんも僕たちも死んじゃいますよ!」


「大丈夫、最悪『陽炎』で逃げてくるから!」


「もう…分かったよ!早く帰って来てくれないと泣くよ!」


 こんなやり取りをし、何とかクレイくんの反対を乗り越え、僕 (+分身20体)は前線のさらに奥に向かったのだった。そろそろ『あいつ』も準備が終わっただろうしね。



 そして『縮地』で距離を詰めて、『跳躍』と土魔法【アースウォール】で安全に内部に潜り込む。


「「「「「「グォォォォォ!」」」」」」


「凄いことになってるな…」


 中級風魔法【フライ】で滞空しながら、眼下のモンスター達を見下ろす。そして…


「いくぞ!上級魔法…【フレイムメテオ】×21!!」


 僕は【フレイムメテオ】…初級魔法【ファイアボール】を大きくしたものを10発頭上から撃ち落とす魔法…を放つ。

 さあ、始めようか…ここからは、僕のターンだ。




side:シルク


「大丈夫かなぁ…」


 ラルクくんが、急な迷宮氾濫(モンスタースタンピード)の討伐にBランクだけのたった5人で向かったらしい。いくら彼とはいえ、そんな無茶な…


『シルクさん、お願いがあります』


 入り口からラルクくんの声が…って、え!?ラルクくん!?もう帰って来たの!?


「ラルクくん、帰りが早くないかい!?」


『違います、僕は分身ですよ』


 ああ、なるほどね…って、何の用だろう?


「わざわざこっちに分身を一体送るなんて…何か急用かい?」


『それもありますが、僕に上級火魔法を教えて下さい』


 火の上級魔法?そんなに数が多いのか…


「いいよ。じゃあ詠唱を復唱して…………よし、出来たね。多分習得できたはずさ」


『ありがとうございました。ではまだ用があるので僕はこれで』


「そうかい…あ、待って!」


『はい?』


「本体には伝わらないと思うけど…頑張れ!ラルクくん!」


『……!はい!』


 頑張れ、ラルクくん。私は戦いには行かないけど…出来る限りの応援とサポートはさせてもらうからさ!




 side:ラルク


 僕は分身達と共に計21発の【フレイムメテオ】を放つ。すると上空から200個以上の巨大な【ファイアボール】が広範囲に降り注ぐ!!


「「「「「「「グォォォォォ!!!」」」」」」」


 さすが上級魔法!辺りのミノタウロス(ランクC)やグランドゴリラ(ランクD上位)などの魔物がほぼ全滅した!100体くらいいたはずだが…流石上級魔法!


 上級魔法以降はは1発当たりの消費魔力量が跳ね上がり、スキル『上級魔法:火属性』を持っていても800も魔力を持っていかれる代わりに、威力も一気に跳ね上がる!


 分身達は3発しか放つことができないが…それでも効果は絶大だ!


「まだまだいくぞ…『跳躍』!!」


 僕は次の攻撃を撃つために、また群れに突っ込んで行くのだった。




side:ウォード


 俺はある奴を誘い出すため、ラルク達を見送った後にギルドの訓練場に1人で来た。


「おい、居るんだろ、ミファレス。さっさと姿見せろ、引きずり出すぞ」


「あぁら?見つかっちゃった?ウォード、カンは衰えてないみたいねぇ?」


「なあ、今回の迷宮氾濫(モンスタースタンピード)…起こしたのはお前だな?」


「ええ、そうだけど?まあ、アタシはそんなことどうでもいいのよ。ただ、貴方を惨殺できれば、それでね!」


 十年前、魔王との戦争で俺が引退まで追い込まれるほどの傷と引き換えに致命傷を与え撃退した魔族、ミファレス。

 俺の前に立つその魔族は、激しい恨みの感情とともに俺に向かってくるのだった。

ラルク達の戦いの中始まったウォードVS迷宮氾濫(モンスタースタンピード)の主犯:魔族ミファレス。

どちらが勝利するのか…!


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[一言] ミファレスが一瞬ファミレスに見えた
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