第二十八話 濃すぎるメンツと迷宮氾濫
第二十八話です!自分でも書いてるキャラが濃すぎてどう扱えば良いのかよくわかっておりません☆
見ただけで分かる!メンバーの個性が濃すぎる!なんだこの人たち!?2人は殺意が満々だし、1人はなんかよくわからないことを呟きながら変なポーズとってるし、残りの子はめっちゃ怯えてるし!
ウォードさん、本当にこのメンバーで大丈夫?
「本当にこのメンバーなんですか…?」
「ああ、多分この5人が現状動かせるトップの戦力だ。Aランクのパーティ…『神狼の咆哮』と『龍の息吹』は両方護衛依頼で別のところにいっちまってるからな…だが、ここにいる奴らもBランク以上の実力を持ってる奴らだ。安心しろ、なんとかなるさ。ということでリーダーは頼んだぞ」
ちょっと待ってリーダーって!?僕がリーダーでいいの!?『ということで』ってどういうことだよ!
しかも『なんとかなる』って…どこにも安心できる要素が無いんですが…まあ、そんなことをウダウダ言っていてもしょうがない。そこはもう割り切ろう!(ヤケクソ)
ということで、とりあえず戦闘時に連携やコミュニケーションをとりやすいよう、自己紹介を行うことにした。
「えっと、僕の名前はラルクといいます!一応ウォードさんからリーダーを任されました!お願いします!」
うん、無難だがいいんじゃなかろうか。
次に発言したのは、12歳くらいのモンスターに対する殺意がすごい容姿が瓜二つな双子の人たちだ。
「あたしはマール!呼び捨てでいいよ!モンスターいっぱい狩ろうね!」
「あたしはリール!呼び捨てでいいよ!モンスターいっぱい殺ろうね!」
殺る気満々でなによりですね。はい次。
今度は…なんだこの人?見た目は14歳くらいの、眼帯をつけた男の人だ。
「我が名はシュヴァルツ…闇に生き、闇より穿つもの…」
闇魔法の使い手なんだろうか?ちょっとカッコいいと思ってしまった…
次は、弱気そうな口調の僕と同い年くらいの男の子。
「ぼくは…クレイです……ただ薬草採取してただけなのに…」
待ってなんで呼ばれたのこの子!?薬草採取してただけって言ってるけど!?
「ウォードさん!この子なんで迷宮氾濫に連れていくんですか!薬草採取してただけって言ってますよ!?」
「あぁ、そいつ、薬草だと思ってイビルフラワーを狩ってくるくらいの実力はあるから」
イビルフラワーってCランクの魔物じゃねえか!なんで間違えたんだよそして狩れちゃったのかよ!頼もしい戦力だわ!てか結局名前以外何もわかんなかったな…ダンジョンにいきながら聞くか。
「…ということで、とりあえず『アークトゥルス』に向かいましょうか!道中で作戦は立てましょう」
「「はーい!なるべくいっぱい殺そうね!」」
「ふっ…いいだろう、乗ってやろう…」
「了解です…行きたくないなぁ…」
本当に大丈夫かなぁ…?と、一抹の不安を抱えながら、僕たちは『アークトゥルス』に向かうのだった。
道中で話し合ったことをまとめよう。まず、彼らの大まかな能力だ。
まず、マールとリール。
固有スキルは2人とも『殺戮高揚』。魔物を倒すと一定時間ステータスが上昇するというスキルらしい。
この時、時間内にさらに魔物を倒すとステータス上昇が重複するらしく、連戦向きのスキルだそうだ。
そして次はシュヴァルツさん。
固有スキルは『暗黒魔法』。闇魔法に加え、影に実体を持たせて操ったり相手のステータスを低下させたりと、実用性の広いスキルなようだ。
そして最後はクレイくん。
固有スキルは『窮鼠猫を噛む』。自身が危険に感じる相手と戦う時にステータスが大幅に上昇する能力。彼自身の臆病な性格もあり、実質常にステータス上昇状態で戦えそうだ。
ということで作戦は、僕の分身とマール・リールが突っ込んで敵を倒し、後方から僕本体とシュヴァルツさんが援護、取りこぼしたのをクレイくんが倒す形にした。これでうまくいけばいいのだが、念のため予備の作戦も用意してある。
…と、こんな風に作戦を立て終わったころ、ちょうど『アークトゥルス』まであと5分ほど…というところに差し掛かった。するとダンジョンの周りに、何かが蠢いているのが見える。あれって…
「冒険者の方ですか!?…って、これだけ!?どうしてこんなに少ないんだ!」
「ダンジョンの門番さんですね!今の状況を教えて頂けますか?」
「ああ、だが、心して聞けよ?あれは普通の迷宮氾濫じゃない…量が異常だ。軽く2000は超えてやがる!」
「「「「「2000!?」」」」」
全員で一斉に声を上げる。そんなに数がいるなんて聞いていない!いつもならおよそ1000体くらいと言われているのに、その倍なんて…僕たちに敵うはずがない。
「どうしましょうか…。一旦戻って救援を要請するとか?…いや、ダメだな…」
「「どうして?」」
「マール、リールよ…もしもあれを放っておいてみろ、付近の村が危ないであろう…しかしあの軍勢、我が暗黒魔法ですら打ち破れるか…」
「わかりました。僕の分身を町まで飛ばします。その間はあれを食い止めましょう」
「ぼくたちにできるのかなぁ…全力は尽くしますが…」
「1人で100体くらい倒せればいけるか?」
シュヴァルツさんやめて?何かそれすぐやられそうだよ。
「「とりあえず、みんなぶっ飛ばせばいいよね!」」
「まぁ、そういうことですね!じゃあ、そろそろ行きましょうか……絶対勝つぞー、おー!」
「「おーー!」」
「おー!…ククク…悪く無いものだな…」
「ぉ、お〜!」
少し締まらないが、こんな感じで僕たちの迷宮氾濫制圧は始まったのだった。
次回、2000の魔物たちvsラルク一行、開戦!




