第二十六話 暗躍する影のモノ
第二十六話です!ブクマが何と!50件突破いたしました!スタートラインと呼ばれている100件まであと半分!これからも投稿頑張りますので応援よろしくお願いします!
「よしお前今日からBランクな。異論は認めん」
「もう勝手にして下さい…半裸変態筋肉馬鹿、本部から叱られても私は知りませんからね…」
「大丈夫だ…ギリギリ権限内だから(…多分)」
ウォードさんとの闘いの後のこと。僕は何故か(半ば強制的に)Bランクにされた。いや、しかし…
「…本当に僕なんかがBランク冒険者になっていいんでしょうか」
あの怖い受付嬢さんに小声で聞く。
「それは、実力のことですか…?それなら全く心配いりませんよ。あの筋肉は馬鹿ですが相当の実力者なので」
まあ、何となくそれは分かる。めちゃくちゃ強かったもん。彼が本気を出していたら、恐らく軽くやられていた。
受付嬢さんの言葉で、大幅な昇格に少し納得した僕はギルドマスターの部屋を出て魔石の代金を受け取りに行ったのだった。
(大漁、大漁!まさかこんなにお金がもらえるなんて…これで家にいっぱいお金が入れられるな)
魔石買取の結果は
ゴブリンファイターの魔石×2 銀貨6枚
ホブゴブリンファイターの魔石×2 金貨1枚
ゴブリンジェネラルの魔石 銀貨8枚
シャドウウルフの魔石×4 銀貨28枚
シュヴァルツウルフの魔石 金貨1枚
レッドリザードマンの魔石×4 銀貨36枚
ボルケーノリザードの魔石 銀貨15枚
ハイオーガの魔石×4 金貨4枚
レッドオーガの魔石 金貨2枚
パワードゴリラの魔石×4 金貨6枚
マウンテンボスゴリラの魔石 金貨3枚
グランドミノタウロスの魔石 金貨8枚
ブラックミノタウロスの魔石 金貨5枚
計金貨37枚と銀貨3枚。平民の1ヶ月の収入が大体金貨20枚なので…2ヶ月分のお金を稼いだことになるな。
僕はとりあえずそのお金を持って、【鑑定屋シルク】に向かうことにした。
side:???
「へぇ…?ここが『剣聖』の故郷?辺鄙ねぇ」
『王』の命令でワタシがきたのは、次代剣聖の故郷の村。『王』曰く、この『剣聖』が生まれた村は危険だという。こんなに辺鄙なところが危険?本当かしら。
『王』はワタシにこう言った。
「『剣聖』はよい…だが、『奴』だけは逃してはならぬ。我にこれほどの深傷を負わせた『奴』が、いずれ全てを思い出す前に…あの村を、『剣聖』の生まれ故郷を滅ぼせ」と。
何のことだかワタシにはさっぱりだけど…まぁ、いいわ。ワタシは戦闘はあまり得意じゃあないから、バレないうちにさっさと終わらせてしまいましょうか。
ここら辺で手頃なのは…「アークトゥルス」かしらね?ワタシはそこに『転移』し、固有スキルで最下層に向かう。
「ブモォォォォ!」
あら、うるさい牛ねぇ…
「固有スキル発動…『消えなさい』」
そう言いながら触れた瞬間、その牛は粉々に砕け散る。
さて、邪魔者もいなくなったことだし…ワタシは持っていた黒い球を取り出して、それに魔力を注ぐ。そして…『王』が直々に形成された魔法を発動する!
「支配魔法【ハザードオーバー】ーー発動。『溢れなさい』」
その瞬間、黒い球から瘴気が溢れ出し、壁や天井に染み込んでいく。
(さて、じゃあ、作戦の唯一の障害…元Sランク冒険者、『理不尽』ウォードでも狩りに行きましょうか…少しは楽しめるかしらね?)
『理不尽』ウォード。今はワタシとの闘いの怪我により一線を退き、こんな辺鄙なところのギルドマスターをしているらしいが、ほんの10年ほど前まではその身一つでどんな防御も打ち砕き、あらゆる攻撃を耐え凌いだまさに『理不尽』なまでの力を持っていた男。
今は全盛期の半分ほども力がないと言われているが…それでも構わない。あの男に後悔を与えられるなら、それで。
(あの時の借りは、もうすぐ返してもらうわよ…)
暗いダンジョンの底で、嗜虐的かつ恍惚とした笑みを浮かべながらそんなことを考える。
(あぁ、早くあの男の…ワタシに敗北と敗走という屈辱を与えた男の、絶望と苦痛に歪む顔が見たい!)
そんな期待に胸を膨らませながら、ワタシはまた固有スキルを発動し、地上に戻るのだった。
支配魔法【ハザードオーバー】
予め黒水晶に含めた魔力を使用し発動する。魔力を流し、発動した対象の固有スキルを増幅して発動させる。




