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第二十五話 反撃の時間

第二十五話です!果たして戦いの決着は…

 僕にウォードさんの拳が向かってくる。もう…終わりなんだ。


 (…僕が守りに徹する時間は、だけどね!)


 僕はずっと虎視眈々とこの時を待っていた…彼が()()()()()()()()()()()()()()この時を!


 「入れ替われ!『陽炎』!」


 僕はちょうどウォードさんの拳が届くギリギリの位置に分身を作り出し、『陽炎』で入れ替わる。その手に握られているのは、僕が常に装備している短剣。

 土魔法【アースウォール】を展開した時に、既に懐に忍ばせておいたのだ。


「ここは空中ですから…急には止まれませんよね!」


「ラルク、お前何を…っ!まさか『反撃』か!?だとしたら、俺には効かん!俺より強い力でないと『筋肉は裏切らないパワー・イズ・ザ・ベスト』は打ち破れん!」


 ああ。なんとなくわかっているさ。()()()()()!僕は短剣を構え、スキルの発動を意識する。


(スキル『武芸百般』…LV2、発動!)


 固有スキル『武芸百般』LV2。その能力は、「ノーマルスキルの効果を複合発動させる」能力。

 複合発動は、同時に発動するのとは違う。発動した複数のスキルが一つのスキルとなり、新しい力を発揮するのだ。僕はその力を使い…


(『受け流し』『反撃』『渾身の一撃』複合発動!)


 その反撃は、受けた力をいなし、それを倍以上にして相手に跳ね返す技となる!!その名も…


「喰らえぇぇぇ!『ダブルアップ・カウンター』!!」


 これで終わりだ!その拳はウォードさんの無防備な体に向かっていくが…


「クソッ!右手で守るしかねぇ!捻じ曲げろッ!『筋肉は裏切らないパワー・イズ・ザ・ベスト』ッ!」


 そう言って、なんと急に空中で強引に加速してもう一回転し、右腕で拳を殴りつけてきた!

 これでもまだ届かないのか!!これがギルドマスターの力!固有スキルで、慣性さえも捻じ曲げて防御してきた!迸るほどに強い!でも!


「ここで負けてて…最強になんてなれるかぁぁぁぁあっ!!」


 フィリアを守れるくらいに…世界最強になるためには、こんなところで負けている暇はないっ!

 拳と剣がぶつかり合い、とてつもない音と衝撃波を出して…


「コイツ…力を増してっ…!マジかよっ…!」


 驚いたように目を見開いてそう言うウォードさん。なんとしてもここで終わらせる!!


「うぉぉぉぉ!」


 凄まじい力と力のぶつかりあい。その中で不意に、何かが砕ける音が聞こえる。僕の短剣が砕けたのだ。だが!


「まだまだぁ!スキル複合発動!『渾身の一撃』『投擲』!行け…『ローグ・メテオライト』!」


 これも予想内!僕は『ローグ・メテオライト』…『投擲』と『渾身の一撃』を用いて最大威力で物体を投げる、最高火力の技。

 それを使って、僕は持っていた短剣の柄を思いっきり投げる!それはウォードさんにとっても予想外の一撃となり、迫り来る拳に直撃してウォードさんを吹き飛ばした!


(決まったぁ!)


 僕は作戦が決まったことに心の中で歓喜する。でもまだ安心出来ない。なぜなら…


(そういえばここ、空中だったぁぁぁ!)


 『ローグ・メテオライト』を撃った反動で、僕の体は地面に向かってもの凄い勢いで落下していた!地面が迫ってくる!怖すぎる!


(間に合え!複合発動『受け流し』『受け身』『鋼の肉体』!!」


 ズドォォォォォン!という着地の時に鳴っては行けない音と共に、僕は何とか衝撃をいなして着地する。


 そして、その眼前には。


「ラルク…お前、さっきの一撃はマジでヤバかったぞ…」


 全身傷だらけになりながらも、まだ立ち上がり闘いを続けんとするギルドマスターがいた。何故立っていられるのか…そのまさに鬼神のごとき闘いへの姿勢に、僕は戦慄する。まさに正真正銘の戦闘狂だ…


「まだやるんですか」


「当たり前だ!こんな楽しい奴との闘いは久々だっ!なぁラルク!お前、本当に最高だ!」


 戦闘狂。まさにその表現が的確と言えるほど、前に立つ男は闘いを求めている。


 ならば僕は、それに全身全霊で答えよう。僕は今出せるありったけの力を込める。


(身体強化最大…『覚醒』使用…『渾身の一撃』『鋼の肉体』『跳躍』『縮地』『粉砕』複合発動…土魔法【ロックアーツ】:ガントレット生成…水魔法【ドライ】で乾燥させて…火魔法【ブレイズ】を纏わせ、光魔法【アークブレス】闇魔法【カースブレス】でさらに強化…出来た)


「行きますよ!」


「おうっっ!こいやぁぁあ!」


 ギルドマスター、これが僕の今の全力…全身全霊の一撃だぁぁぁ!


「『一撃必殺(ザ・ワンショット)』ッ!!」


「『筋肉は裏切らないパワー・イズ・ザ・ベスト』ッ!!」


 その攻撃の衝突は、爆風と衝撃波を生むほどの激しさとなり…




「で、帰ってこないから探しに行ったら両方傷まみれでぶっ倒れていた、と…あんたら、正気ですか?本当に馬鹿ですね」


「「本当にすみませんでした」」


 結局、どちらも力の使いすぎで気絶してしまい…あのめちゃくちゃ怖い受付嬢さんに怒られることとなったのだった。

 どうやら彼女の恐ろしさには、筋肉でも、僕の『武芸百般』でも太刀打ちできないようだった。

【作者からのお願いです!】


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