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第十九話 特訓の効率化

第十九話、本日二話目の投稿です。

そろそろ評価ポイントが二百ポイントに届きそうです!ありがとうございます!

「やー、ラルクくん!待っていたよ!」


 多くの人がいるギルドの中で、まるでいつものこととでもいうようにそう言う彼女を見て、僕はとりあえず家に引き返すことにした。僕は何も見ていない。帰って約束の森で特訓でも…


「待って待って待って!待ち伏せしたのは謝るから!話を聞いて!少しだけ!先っぽだけd…」


「話を聞きますからそれ以上何も言わないでください!」


 これ以上この人に何か喋らせてはいけない!何かあらぬ誤解を招いてしまいそうだ。周りの人めっちゃ見てるし!

 そんな視線に耐えられなくなった僕はとりあえず話を聞くことにして、外のベンチに腰掛けた。




「それで話ってなんなんですか?研究の手伝いはしませんよ?」


「違う違う。確かにそれもあるけど、君にとっても利益のあることさ」


「そうですね…僕と一緒にクエストをしてくれるとかですか?これなら、ソロよりクエストの達成も簡単になりますし」


「それも考えたけど、もっといいことさ…なんだと思う?」


 僕にとってクエスト達成より利益のあること?なんだろうか?


「降参です。何ですか?」


 そう聞くと、彼女は少し小声になり、トーンを落としてこう答えた。


「君さ…結構ノーマルスキルの特訓をしてるだろう?でも、多分だけど、やり方が効率的じゃあない。だから、私に特訓の手伝いをさせてもらえたらな…なんてどうだい?」


「……!」


 つまり、特訓に付き合ってくれるってことか!

 というか、何故『効率的じゃない』なんてわかったんだ!?


「それは…どういう意味ですか?」


「まぁまぁ…それは君がこの話を受けてから教えようじゃないか」


 ぐっ…知りたい。でも、何を対価として出させられるか分からない…


「その対価は?」


「簡単さ…私に君を鑑定させて欲しい。出来れば毎日。あ、もちろんお代はタダだよ?」


 え?それだけ?てっきりもっと厳しい条件を出されると思っていたので、少し拍子抜けしてしまった。


 そんな僕の反応を見越していたのか、彼女は僕にわかりやすく説明してくれる。


「君は毎日効率的な特訓をして、鑑定を受けられる。私は私の知識欲を満たせる。どうだい?ウィンウィンの関係だろう?」


 なるほど…と僕は感心すると同時に、目の前の彼女に対して少し恐怖に似た感情を憶えていた。

 

 やはりこの人、ただのうるさい人じゃないのかもしれない。

 最初は提案を受け入れるどころか、まともに聞く気さえ無かったのに、今ではもう承諾する気になってしまっている。この人、かなりのやり手だ。


「ふっふっふっ。中々に驚いた顔をしているね?そうだろうそうだろう!なんせ私が昨日徹夜で考えた案なのだからね!」


 やっぱりそんなことないか…。僕はまた拍子抜けするのだった。




 結局、僕はその誘いに乗った。少し話がうますぎる気もしたが、何かあったまあその時はその時だろう。

 そんな不安より、僕はもっと強くなりたい。だから提案を受けたのだ。


 その後、とりあえず僕たちは特訓を行うため約束の森に向かって、そこで詳細な話をすることにした。


 森についた僕は、とりあえずシルクさんに僕がどのような特訓をしていたかを伝えた。すると、彼女は少し考えてから、話を始めた。


「…うん、大体わかった。ところで、ラルクくん。まず、特訓において君がするべきことはなんだと思う?」


「長時間やること…じゃ、ないんですか?」


「それは間違ってはいない。ただ、それよりも、特訓の効率を上げることが大切だ。あくまでも推測に過ぎないが…もし、これを効率化出来れば、今までの5倍の速さで成長出来るはずだ」


「5倍!?本当ですか!?」


 思わず声が大きくなる。そんな方法が本当にあるのか!どうやるんだ!?


「その方法は….スキル『神速』の獲得さ!」


 スキル『神速』。自身の能力のうち、敏捷を上げることができる基本的なスキルだ。なるほど!つまり…


「『神速』の効果で敏捷を上げて、量を上げようってことですか!」


 確かに、それならもっと速く…


「ラルクくん、惜しいけど不正解!マイナス10ポイント!」


 え?違うの?ならどうするつもりなんだ…?


 ……ポイントについては突っ込まないよ?この人にいちいちツッコミを入れてると疲れるからね。


「ならどうするんですか?」


「私のボケがスルーされたのはまあ置いておくとして….私がとって欲しい本命のスキルは『分身』。さっき言っていたスキル『神速』のレベルを上げないと手に入らないスキルさ!」


 『分身』だって!?それは思いつかなかった…というかスキルを知らなかった!でも、大方『自分の分身を作り出す』能力だろう。


「つまり、『分身』を手に入れてそっちでも特訓しろってことですね!」


「正解!では、早速始めようか!」


 そして、まずは『神速』と『分身』を取ることを目標に、シルクさんによる僕の地獄の訓練…

通称、「シルクズブートキャンプ」が始まったのだった。




補足

スキル『神速』『剛力』『精密行動』の効果は、魔力操作と違って効果がステータス上昇のみの代わりに上昇率が25%となっています。つまりラルクは1レベル上がるごとにステータス2倍ですね。もうただの壊れやん。

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