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第百七十四話 出発前の準備

第百七十三話! グレアさんがいる時の安心感がすごい……

「やはり、聞いていた通り6人ですか……フィーズさんは?」


「いつも通りです」


「本当、あの人は……」


 ついてくる『あの人』って、グレアさんのことだったのか……


「ほら、フィーズ出ておいで」


「────っ出れたぁ! グレア、久しぶりだな!」


「お久しぶりです」


 ここの間に面識あったのか……あ、そういえば『ダンジョンアタック』の時にライアがグレアさんと会ったことあるって言ってたな。強い人どうしだと繋がりがあるものなのか。


「ししょう……どうしてここに……」


「フィリア、とりあえず静かにしていろ。大人しくしていた方が早く治……」


「「「キェェェェェェエ!!」」」


 って、喋ってたらグレアさんの背後魔物の群れが!


「危な────」


「『剣聖技・一刀両断』」


「ギャァ!?」


 ……凄い。振り返ってから斬るまでの動作が一切澱みなくほんの一瞬で行われて、近寄って来た魔物達をたった一太刀で真っ二つに切り裂いた……ん? 今、『剣聖技』って……


「なんで使えてるんですか!?」


 剣聖技って、確かフィリアの持ってる『剣聖の加護』の力でしか使えないんじゃ!?


「いや、先の戦いで奇跡的に動きを『模倣』することに成功してな。所詮、剣聖のスキルが行うのは動きの補助だ。試行錯誤した結果、『剣聖技』ほどとはいかないが……それにも劣らない剣技が出せるようになったんだ」


「相変わらずぶっ飛んでんな……小さい頃から天才だとは思ってたが……」


『ホープ、お前の妹は強く生きてるぞ』


 フィーズさんと勇者アルスがここまで言うって相当だな。でも、以前より強くなったグレアさんも参加してくれるなら心強い……ん?


「そういえば、フィーズさんもグレアさんも着いて来て大丈夫だったんですか?」


 多分、この国の最高戦力が2人とも『魔王討伐』に来てしまったわけだけど……それ、国が許してくれるのだろうか? エルフの森に『神龍の翼』を派遣するのも渋ってたのに。


「大切な姉と弟の仇だ、国くらい説得してみせる」


「可愛い妹が行くんだ、頭の固い上層部も『お話』したらすぐに理解してくれたよ。なぁ?」


「有意義な『話し合い』でしたね」


 僕は今、国の安全よりもこの2人がいつか叛逆剤で逮捕されないか心配だ……


「大丈夫なんですか、それ」


「「大丈夫だ、問題ない」」


「問題しかなさそうですね」


 ま、まあとにかく大丈夫というなら大丈夫……なんだよな? そう信じていよう。


「じゃ、そろそろ行こうか〜。リュート、空は頼んだよ」


 おっと、そろそろ出発か。空から襲ってくる魔物はリュートに任せるみたいだ。リュートは任せてくれというように一度咆哮して、紫色の空へと飛んでいった。


「そうだね。武器は今から全員分()()から」


 アルトさんがそういうと、僕たちの目の前にはそれぞれにあった装備一式が出てきた。ちなみにグレアさんだけは持参だったので別だ。


「ボクが作ったんだけど……上手にできてるかな?」


 少し不安そうにライアが聞いてくる……ライアの魔具が使えなかったことなんてないのに。


「私のは……うん、いい着心地。ふぅん、『魔力回復』と『防塵』、それに他にも色々……」


 アルトさんに渡されたのは、白色のローブ。どことなくシルクさんが着ていたのと似ているな……


「私は……プロテクターか! ……うん、うん。『身体強化』と『守護』とか付いてる。動きやすいね!」


 シェイラさんには急所を守るためのプロテクターが出てきた。多分、魔物と一緒に動きやすくするためだろう。


「私のは……ってなんだコレ、革なのに硬いな!? 軽くて硬いとか最強じゃねえか!」


 フィーズさんに渡されたのは革の鎧とメリケンサック……ゴリゴリの武闘派だな。見るに恐らく、フィーズさんの肉弾戦に耐えられるようしなやかな革の素材を使って、限界まで耐久性を高めたのだろう。


「私のは鉄の鎧と剣……私のには何が付いてるの?」


「フィリアのには確か、鎧に『魔力吸収』、剣に『斬撃強化』を付けてたと思うよ」


「すごい……使うのが楽しみ!」


 なるほど、フィリアのはどっちも見たり付けたりしただけじゃ分からないな。多分、『魔力吸収』はフォーミュラの時みたいな魔力酔いを避けるため、剣のほうはシンプルに戦いやすくするためだろう。


「みんな喜んでくれてるみたいで良かった……ボクのは、いつものコレだよ!」


 そう言って、ライアは自分の装備を見せてきた……って、この服は試験の時のマジシャンみたいな格好か。


「懐かしいね、それ」


「あの時とは結構違うけどね。コレを使えば、ちょっと離れているだけのところなら触れなくても魔力を付与できるようになるんだよ!」


「「強っ……」」


 しれっと凶悪だな……


「ほら、ラルクのも見てみてよ!」


 それもそうだな。僕の装備は……ん?


「これ……革の鎧と、短剣?」


「うん! ラルクって戦い方が色々あるから悩んでたんだけど、シルク様がそれがいいってさ」


「へぇ……シルクさんが」


『懐かしいな、これ』


 僕の、最初の装備。僕の始まり。僕が冒険者になった時に、初めて付けていた装備……シルクさん、こんなのを覚えていたのか。


「ラルクのはちょっと特殊でね……『自律型魔具』って言って、自分で魔力を流すと効果が発動するんだ!」


 僕と相性抜群じゃないか。


「へぇ……どんな効果なの?」


「革の鎧も剣も効果は一緒。硬くて丈夫になるだけだよ……でも、その分魔力に対する効果は大きいよ!」


「そうなんだ、使うのが楽しみだよ。ありがとう」


『シンプルなのがなんだかんだ1番強えからな』


 それはよく知っている……というかフィーズさんに教えられた。クセがない分、使いやすくて強い能力だ。


「それじゃ……行くぞ、みんな!!」


 そうして、僕たち7人の『魔王討伐』は始まった……!!

ラルク「せめて男の子がもう1人いたらなぁ……」

アルス『分かる、俺もそうだった』


なんでだろう、男1人女6人のパーティーなのにハーレムになる気配がない……主に性格的に。

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