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第十七話 『冒険者』の真価とインフレの予感

第十七話です。ついに『冒険者』の能力が明らかに…!



ちょっと引くくらい文章量が少なかったので増やしました。

 水晶に表示された僕のステータス。それは、驚くべきものだった。


ラルク LV.8

職業:冒険者(運以外のステータスが15%上昇し、あらゆるノーマルスキルに対する適正を得る)


HP 60

魔力 6593

力  75

器用 45

敏捷 90

運  53


ノーマルスキル

「投擲」LV5 「渾身の一撃」LV6 魔力操作」LV9

「初級魔法・全属性」LV- 「魔力回復」LV2



「…なんだこれ……なんだこれ!?」


 驚きのあまり思わず僕は叫ぶ。目の前のシルクさんも驚いているのか、大きく目を見開いたまま動かない。


 仕方ないだろう。だって、ステータスが色々とおかしいんだから!


 まあ、しれっと「魔力回復」のレベルが上がっているのはまだわかる。問題はその上だ…!


 まず、魔力6593!?上級の魔法使いと同じだけの力があるぞ!?たったのレベル8でこんな数値が出るわけがない!

 

 それに『冒険者』の能力…「全てのノーマルスキルに対して適正を得る」だって?

 つまり『武芸百般』と合わせると、4倍もの強さでノーマルスキルを使用可能ってことなのか…!?


  つまり、もしこの能力が本当に「言葉の意味通り」だとしたら、僕は『投擲』や『渾身の一撃』などのスキルを実質的にレベルが2つ上がった状態で使えることになる。


 『魔力操作』に至っては、『レベルアップ時の上昇率』が四倍となる。

 つまり、本来のレベルの上昇量よりも、尋常じゃない量の補正がかかることは容易に想像できる。


 本当に、こんなジョブが…『冒険者』なんでジョブが、存在していいのか?普通に考えて、強すぎる。僕はそう考える。


 しかし…同時に、この能力が言葉通りの意味ならこの壊れた数値の魔力についても、納得がいく。今の僕の「魔力操作」のレベルは9。


 すなわち、僕の補正後の魔力量は、補正前の魔力量×1.8の10乗…つまり、およそ110倍の魔力があるということだ。


 さらに、一週間半ほど前の異常な『投擲』の威力。レベル1(実質レベル2)で木に風穴は開けられないが、もしもこれが実質レベル3だった…としたら?


 石を投げる速度は二倍…レベル2でも木の表面を凹ませるほどの威力はあるため、レベル3なら木に風穴を開ける事が出来てもおかしくはないだろう。


 やはり、『冒険者』のジョブの能力は、言葉の通りと考えて良さそうだ。まだ信じられないが。


 なる程、基礎のステータスを上げる能力の補正は、普通の発動系のスキルと違ってさらに効果が上昇するのか…


 そしてその瞬間、僕はあることに気づく。



「HP」を上げるノーマルスキル「頑丈」。


「魔力」を上げるノーマルスキル「魔力操作」。


「力」を上げるノーマルスキル「剛力」。


「器用」を上げるノーマルスキル「精密行動」。


 そして、「敏捷」を上げるノーマルスキル「神速」。




 この5つのスキルを極めれば、とてつもない強さに…そう、「重戦士」よりも固く、「魔法使い」より魔力が多く、「戦士」より力が強く、「錬金術師」よりも器用で、「盗賊」よりも速い。


 そんな、まるで「勇者」のような力を得ることができるのではないかと。ノーマルスキルだけでも、最強を目指せるのではないかと、そんな期待を抱く。


 そんなことを考えていると、さっきからずっと目を見開いてフリーズしたままだった目の前のシルクさんが動き始める。


「ラルクくん」


 さっきの声とは違う、落ち着いた低いトーンの声。まるで、僕に何かを迫ろうとしているような…そんな声だ。


「…はい」


 僕は少し身構える。何を言われるのだろうか。このステータスの口止め料とかか…?

 ジョブ『冒険者』とスキル『武芸百般』の重ねがけ。この二つの効果により、僕のステータスの成長率は異常なものとなっている。


 きっと国や学会に報告したら、とてつもない波乱を呼ぶことだろう。なんせ、使えないとされるノーマルスキルがとてつもない効果を発揮するのだから。きっと、褒賞ももらえるだろう。


 もしも彼女がそうした場合、僕が王都に連れて行かれて軟禁状態になることは想像に容易いことだが。


 それを仕事上の契約とはいえ、隠しておくんだ…口止め料を追加で請求されても仕方ない。いや、むしろ彼女の性格は知らないが、メリットから考えるに、そう考えるのが妥当だろう。


「一つお願いがあるんだ」


「…言ってみてください」


 どのくらいのお金を請求されるのだろうか?金版…いや、聖金貨くらい取られるのだろうか…!?僕は何を言われてもいいよう、心の準備をする。


 彼女は、何かを決意したような表情と声で、僕にゆっくりと近づいてきて…僕に抱きつきながらこう言った。


「私と、結婚してくれないか」


「.……………は?」


 側から見たら、推定8歳の初めて会った少女に対して抱きつかれながら求婚されているという、とてつもなくカオスな状況に立たされて、僕はそんな返し方しかすることができなかった。


…何を言われてもいいって言ったけど、これは流石に予想してないよ。

補足です。『冒険者』の能力を簡単に言うと、「あらゆるノーマルスキルの適正ジョブ」ということです。


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