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第百六十八話 お叱りと信頼の理由

第百六十八話! 最近アルトの能力が1番チートだと思うようになったのは作者だけでしょうか?

「……なるほど。つまりラルクは、私たちと『魔王討伐』のクエストを受けたい、と」


「はい」


「で、フィーズはそれにキレてラルクを攻撃したんだね?」


「……うん」


「そしてラルクも乗って……あのクレーターができる事態になったんだね?」


「「……はい」」


 怖い。物凄く怖い。あの後、アルトさんに包み隠さず事情をアルトさんに説明したのだが……アルトさんはその間ずっっっと無表情で、全く笑っていない。


 何が怖いって、怒っている……のは確かだろうが、どれだけ怒っているのかが全く分からない。静かに怒るタイプの人がなんだかんだ1番怖いということを僕はよく知っている。


「…………はぁ……ラルクはまだまともだと思ってたのに……いや、元からぶっ飛んではいたけど」


 あ、完全に失望されたわこれ。というか最後の方にしれっと酷いこと言ってなかったか?


「まず、ラルク。なんでフィーズに相談しちゃうかな……まぁ、なんというか……分かるでしょ?」


 既に包帯ぐるぐる巻きにされた僕の右腕を見ながら、アルトさんが呆れたように言う。つまり、フィーズさんのことだからこうなることくらい予想は出来たのに……ってことだろう。


「あっ、はい」


 すみません、分かっててやりました。


「フィーズは加減を知らないんだから……本当、取り返しのつかない事になってたら……」


「……本当にすみませんでした」


 どうやら、怒りながらも本気で心配してくれているみたいだ。もう少し考えて行動するべきだったな……


「…………で、フィーズは……そろそろ落ち着こう? もう3 じ 「永遠の18歳だっ!!」 ……30歳だよ?」


 ブレないなぁ……


「はぁ。フィーズは……もういっか。とにかく、2人とも……」


 そう呆れたように呟きながら、アルトさんは僕とフィーズさんの前に手を伸ばしてきて……あっ、もしかしてこれ……幽閉されるんじゃ……


「「ひぃっ……!!」」


「行くよ」


 あぁ、終わった……そう思って、僕が目を閉じた瞬間。僕の額に少しの痛みが走って……って、え?


「……あれ?」


 今……デコピンされたのか? 何がしたかったのか分からず、当のアルトさんのほうを見てみると……


「アルトさん……!?」


「おい、アルト……?」


 アルトさんの頬には、涙がつたっていた。


「2人とも……怖かったんだよ……!! 本当に……!!」


 ……本当に、心配をかけてしまったみたいだ……ダメだな……僕。


「ごめんなさい……」


「……ごめん」


「……いいよ。途中から見てて止めなかった私も、ちょっとは悪かったしね。それに……2人とも、譲れないものがあったんでしょ?」


 そうだ。元はと言えば、僕が『魔王討伐』に参加したいって言ったから……


「……まぁ、今回は私が折れなきゃいけなくなったけどな」


「……そう、なんだね」


 一応、フィーズさんは説得できたが……まだ、アルトさんとシェイラさんが……


「いいよ。私は、フィーズの決定に従うよ」


 はい? まさか、そんな即決で……


「……えっ? でも……」


「どうしたの、ラルク?」


「いや、まさかそんな簡単に認めてもらえるなんて……」


「あぁ……そういうこと、かぁ……安心してよ、私だって何も考えずにそう言ってる訳じゃないよ」


 じゃあ、どうして……


「うーん……信頼、って言えば良いかな? 私、あんなに本気で戦ってるフィーズなんて久しぶりに見たから。まずそれでラルクの実力の証明にはなってるでしょ?」


「確かに、そうかもしれませんけど……」


 だとしても、そんなにすんなり認めてくれるなんて……


「それに、フィーズは良いって言ったんでしょ? フィーズは基本的に何も考えてないし頭悪いし大人気ないというか完全に子供だし……」


「アルト? そこまでいう必要ないんじゃ……」


「カップルを見つけたら恨みの目を向けてるし、もう30なのに結婚できてないし、何回注意しても……」


「もう……やめてくれ……」


 あ、まだまだフィーズさんに対してはお怒りのようだ。


「……でも、それでも私たちがフィーズを信頼して、リーダーにして一緒にいるのは……真剣に本気を出した時のフィーズの判断は大体正しいからなんだよね」


「……ツンデr」


「ラルク、何か聞こえた?」


 あ、フィーズさんが異空間に閉じ込められた。


「なんでもないです、はい」


「はぁ……折角いい話になってたのにさぁ……まあとにかく、私たちは……少なくとも私は、フィーズの判断が正しいと思ってるし、信じてる。だから、私はラルクを応援するよ」


「……ありがとうございます!」


 まあ、何はともあれ……良かった。これで、あとはシェイラさんだけ……


「それに……シェイラも多分だけど、もう見てるよ。ねぇ、シェイラ?」


 そうアルトさんが問いかけた先にいたのは……小さな、虫?


「まさか……」


「多分、結構前から見てたね。もう向かってきてるんじゃないかな?」


 シェイラさんにも虫を通して見られてたのか……!!

イメージとしては タ○ー・○ブ・グレーみたいな感じですかね?

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