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第百五十八話 特訓終了

第百五十八話! キンクリしました!

 その後、第二の特訓開始から僕たちは毎日特訓(おにごっこ)を続けた。特訓(おにごっこ)と並行して基礎訓練も途中から行うようになったため、日に日に厳しくなっていったが……そのおかげで、全員の力が底上げされていった。


 もちろん何度か休みもあったし、一度長い休みがあった時は村に帰ったが……それでも、基本は特訓三昧だったのである意味辛い一年だった。


 そして今日、特訓開始から一年がたち……ついにそれは終わりを迎え、成果発表という形で実演形式のプレゼンのようなものが行われた。


 まずはケント。彼はもともと、攻防共にバランスの取れた『魔力装甲』という固有スキルを持っていたが、逆に言えば起用貧乏のようになってしまい出力不足に陥ることが多かったらしい。


 しかし逆に言えば、それさえなければ弱点のない超優秀なスキルと言える。そして、ケントは特訓の末にそれを克服した。


 まず『魔力操作』をレベル10まで上げ、魔力量の底上げを行った。そして『魔力装甲』を使いまくることでスキルの効率と精度を上昇させたことにより、特訓前の数倍の出力と精度が見込めるようになったらしい。


 ちなみにそれがどのくらいかというと、周囲の木およそ10本を『魔力装甲』で引っこ抜いてぶん回せるくらいにはなっていた。表現の方法が脳筋に染まってしまった気がしなくもないが、まあ考えないことにしよう。


 続いてセイル。彼の『魔法剣』は魔法を敵味方問わず吸収し、剣に魔法を付与したりその魔法を放出することで普通の剣士よりも柔軟に、かつ魔法に対して強く出られるのが特徴だ。


 だが魔法を吸収するのも、その状態を維持するのにも結構魔力を使うらしく、ケントとは違い魔力不足に陥ることが多かったらしい。


 だが、ケントと同様に魔力を増やしてスキルの精度を高めた結果、魔法を吸収できる量と時間が増えた。以前まではリュートのブレスを5、6回吸収するのが限界だったが、今ではその5倍は余裕らしい。


 さらに、一度に吸収できる魔法の量も上がっており、僕が【フレイムランス】を50発打ったら全部吸われてしまった。敵にしたら厄介な能力だ。


 そして、多分この特訓で1番化けたライア。彼女はなんか……もう、能力そのものが変わっていた。


 気の抜けない鬼ごっこ、そして最初の頃の大量に素早く魔具を作る特訓により、用意した魔具で戦うスタイルからその状況に応じた魔具を瞬時に作って戦闘を行うようになっていた。


 そうなると必然的に近接戦闘にも対応できなければならないわけだが、そこはフィーズさんの妹。魔具による強化と、スキルによる身体能力の底上げ、そして戦闘センスが相まってシンプルに強い。多分、並の冒険者なら魔具無しでもボコボコにされるだろう。


 実演の時には、まず剣に『切断力強化』を付与して周りの木々を切断してその木全てに『重量低下』を付与、そして用意していた『イリュージョンマント』でそれは全てを遥か高くに持っていき『重量増加』『硬化』を付与して質量爆弾にしていた……やっぱりえげつないな、これ。


 その次は、僕と一緒に特訓していたフィリア。彼女はケントやセイルとは違い、もともとの強さがさらに強化された形となった。


 フィリアの武器は『剣聖の加護』による圧倒的な剣術の才能と理不尽なまでの身体能力。それにフィーズさんの脳筋性に加えライアとフィリアの発想力が加わり……信じられないことに、新しい剣術の型をいくつか作ってしまった。


 そう、男の子なら一度は夢見たことがある『ぼくのかんがえたさいきょうのひっさつわざ』である。正直めちゃくちゃ羨ましい。それを聞いたグレアさんが、


『固有スキルもそうだが……元々の才能と発想力も必要だ。たしかに剣術の型は多くの先人が積み上げてきた奇蹟だから、作れてもおかしくはない、か……俄かに信じられないが……』


 と、ぶつぶつ呟いていて面白かったとフィーズさんが爆笑しながら教えてくれた。


 剣を上げるように斬りつけることで相手の防御を捲る『剣聖技・登龍』、一点に集中した突きを連続で繰り返す『剣聖技・破天』、大きく進みながら剣を前方向に薙ぎ払うように振る『剣聖技・円弧』などレパートリーが増えていた。


 そして、肝心の僕は……!

環境破壊は気持ちいいZOY(ちゃんと木を切る許可はもらっています)

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