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第百二十七話 vs魔王

第百二十七話! 魔王戦、開幕!!

「これが、最強……!!」


 目の前で巻き起こっている、人智を超えたレベルの争い。魔王ディルボアの城の中で起こっているその戦いは……まさに、最強同士の争いというべきものだった。


「【アークレイン】!!」

「『剣聖技・一閃』!!」


『【(アイン)】……そんなものかい? 本気で来てよ……もっとボクを楽しませてよ!!』


 実際にその場にいるわけではないのに伝わってくる力の奔流。一撃ごとに空気が揺れて、ファフニールとは桁違いの量の弾幕が飛び交う。


 勇者アルスから放たれる金色の魔力で出来た矢と、剣聖ホープの銀色に輝くミスリルの剣。そして、魔王が放つ漆黒の魔力……それはある意味幻想的で、あるいは世界の終わりのようだった。


 流れ弾は魔王の張った結界によって受け止められているが、その結界でさえ少しずつヒビが入り始めている。まさに異次元の威力と言えるだろう。しかし……


『ねぇ……君たち、本当にその程度なの? これじゃあ待ってた意味がないじゃないか』


「これが魔王……!? 強すぎるだろ……」


 魔王は、そんな勇者と剣聖を凌ぐほどに……桁違いに強かった。【(アイン)】と一言唱えるだけで勇者の魔法攻撃を無に返し、剣聖の剣技と互角に素手で渡り合う……そんな化け物だった。


「アルス、諦めないで!!」


「くっそ……最初からそのつもりはねえよ! ただ……どうすりゃいいか……」


『……おかしいな? 勇者にしては弱い……』


 こんな強さしてるのに、これでもまだ弱いのか!? って、後ろ……


「独り言言ってる暇あんのかよ!?」


『うおっと!? 不意打ちとは卑怯だね!』


 とんでもない言葉を口走った魔王に、背後から不意打ちの一撃を決めに斬りかかる勇者アルス! これは……


「戦ってる時に気を抜くお前が────はぁ!?」


 腕で攻撃を止めている!? しかも剣は少し腕にめり込んでいる程度で、切り飛ばすには至っていない。


『うーんどうやったら目覚めるか……なっ!』


「がぁっ!!」


 魔王はその腕を大きく振り払い勇者アルスの体はいとも容易く吹き飛ばされ、結界に叩きつけられる。


「嘘……だろっ……!?」


『うーん、どうしようかなぁ……』


 勇者アルスが、まるで子供のように蹂躙されている。こんなの、勝ち目がない。だが……魔王は、その攻撃の手を緩めない。


『あ、そうだ! 【無限(アイン・ソフ)・チャージ】』


 そんな無邪気な声を発したかと思うと、魔王は何かを詠唱する……その瞬間、魔王の手に莫大な量の魔力が集まっていき……その手を剣聖ホープに向かってかざす。


『さて……どうする? 希望の勇者、アルス!』


 その手に込めた魔力、およそ上級魔法の300倍。こんな莫大な量の魔力が込められた一撃、いくら剣聖だって受け止められない!!


『【開放(リリース)】』


 魔力が濃密に込められたその真っ黒な魔力弾は剣聖ホープに放たれて────


「『サザンクロススマッシュ』」


 それが着弾する寸前。勇者アルスがその間に割り込み……真っ白に光る魔力を纏わせた拳で殴り飛ばした!? 殴り返された魔力弾はその白い魔力を纏い、魔王の元へと帰っていく!


『【(アイン)】……これは……ぐぁっ!!』


 魔王がその魔力弾を受けとめること叶わず、ついにダメージが通る。しかも……相当効いている!!


「……俺のホープに手を出すな」


 勇者アルスは体の周りに溢れ出す白いオーラを纏いながら、魔王を見つめて言う。その体から溢れ出る光は辺りを照らし、剣聖ホープを包み込んでいて……まるで太陽のようだった。


『ふふ……ふふふふ……!』


 結界までものすごい勢いで吹き飛ばされた魔王。しかしその顔は……笑っている!?


『そうそう……そうだよ……それでいいんだよ! やっと力が出たじゃないか!!』


「お前、なにを言って……」


『勇者の力の根源は! 何かを守る()()!! ようやくそれに目覚めたみたいだね!』


 まさかこの魔王、勇者の力を目覚めさせるためにわざと……


「あぁ、だからか。通りで力が湧いてくる……だが、どうしてホープを狙った?」


『見たところ……君は、世界を救うなんてどうでも良さそうに見える。だから力が出せなかったんだろ? だったら……君の1番大切なものを壊そうとすれば……』


 なんだ、こいつ? 人の命をなんだと思って……


「お前は、ホープの命をなんだと思ってるんだ!!」


『うーん……特に何も。命の奪い合いなんだから、覚悟はしてるもんでしょ?』


「……っ。ああ……そうだな」


 確かにそうだ。命の奪い合いをしているはずなのに、誰かを狙うな……なんて都合が良すぎる。


「……だったら、勝手にしろ……だがホープは俺が守る。お前には傷つけさせねえ」


『別にもういいよ。ボクはただ君が強くなれば良かったから……強くない彼女より、強い君の方がボクにとっては重要さ』


「……お前、相当狂ってんな? 自分で敵を強くするなんて……正気とは思えねえ、戦闘狂の方がまだマシだぞ」


『かもね。ボクは飽きちゃったのさ……永い時を生きて、強くなりすぎた。邪神も厄介なもんさ、力を与えるなんて聞こえはいいけど……所詮、あいつらのゲームの駒でしかないのに』


「……おい、それってどういうことだ? あいつらのゲーム……それに、俺たちが駒?」


 ……ゲーム? 駒? あいつら? 一体、魔王はなにを言って……


『本当になにも知らないのか。ならば教えてあげよう。この世界の真実を……』

次回、まさかの事実が明かされる……!!



怖い話を寝る前に見てしまったので本当に寝れませんでした。今日も無理な気がします誰か助けてください。

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