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第百十八話 毎日の訓練と繰り返す日常

第百十八話! づがれだ。

「アルス、魔法使い相手には手間取っちゃダメ! ホープも、魔法を斬るのはいいけどそればっかりに気を取られたら不意をつかれるよ!」


「「はいっ!」」


 私がアルスとホープの教育係を任せられてから1週間が経った。私が担当しているのは、2人の戦闘面……特に、エルヴィン騎士団長が実戦で教えることができない遠距離や搦手を使う相手との戦い方だ。


 いくら私から志願したとはいえ、どうしてこんな急に教育係になりたいなんて言った人を『剣聖』と『勇者』の担当につけたのか不思議に思い、エルヴィン騎士団長にさりげなく聞いてみると……


「私は実力主義者ですので。それに……勇者様の身内の方なら、裏切られることもないでしょうしね」


 と言われた……この騎士団、裏切り者が混ざっていないか不安だ。


 ……と、そんな話は置いておいて。


 私は冒険者をやっていた時に培った知識や戦闘方法を、2人にどんどん教えていった。ちなみに、基本的な戦い方や剣の素振りなどはエルヴィン騎士団長が教えているらしい。


 アルスもホープも、『勇者』と『剣聖の加護』に選ばれただけあり、戦いのセンスは私が見てきた中で誰よりもずば抜けて高かった。


 エルヴィン騎士団長曰く、


「たった3日で素振りの型がさまになっている……初めて剣を持った子供とは思えない」


 とのこと。2人とも……特に『剣聖の加護』を持つホープは、素振りをするたびに自分の中で最適なフォームに変化していっているのが、少し見せてもらっただけでも分かった。


 アルスも剣術という面においてはホープに劣っているものの、咄嗟の判断力や反射神経、常に相手の動きを予測する……などの実戦での立ち回りでのセンスがとてつもなく高かった。


 つまり何が言いたいかというと……この2人、戦いの天才だ。固有スキルに選ばれたからなのか、それとも……天才だから、固有スキルに選ばれたのかはわからないが。


(どれだけ強くなっても、損はないからね)


「ほら、次行くよ! 今度はさっき言ったこと意識してこう!」


「「はいっ!!」」


 この天才たちに、私が経験した全ての技術を教え終わるのは……もしかしたら、案外すぐなのかもしれない。



 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 王城の近くにあるこの騎士団の駐屯地の近くにある寮。私とアルス、そしてホープはそこの部屋を一つずつ、宿泊所として割り当てられていた。


 もちろん、私とアルスには帰る家があるし、ホープもグロウハート公爵家の屋敷があるのだが……訓練で疲れた時には、そこに帰るまでの道のりさえ面倒臭く感じるものだ。


 なので基本、2人との戦闘訓練のあとは、私たちは一緒にその寮まで向かい、それぞれの部屋で寝泊まりすることが多い。


 今日もいつもと同じように、寮に備え付けられた(王宮騎士団は好待遇なのだ)お風呂に入って、ベッドに入って寝ようとしたその時……


「……エフィーさん、一緒に寝てもいい?」


「ホープ、また来たのかい?」


 ホープが私の部屋に、枕を持ってやって来た。


「1人で寝るの怖いもん……泥棒とかくるかもしれないし」


「君に勝てる人の方が少ないよ、うん」


 1人が怖い、って……そもそも君に勝てる泥棒とか侵入者とか多分いないよ。


「……もう! エフィーさんと一緒にいたいの! だめ……?」


 ホープは戦いの時こそ大人顔負け……いや、大人でもここまで強い人は少ないが……な力を誇るが、まだまだ精神は年相応。10歳の子供なんだ。


「はぁ……いいよ。おいで、ホープ」


「やったー!」


 そう言って、ベッドに飛び込んでくるホープ。あぁ、アルスが家に来たばっかりの頃はこうやって一緒に寝てたなぁ……


「おやすみ、ホープ」


「エフィーさん、おやすみ」


 アルスもホープも、2人とも強い力(こゆうスキル)に選ばれたとはいえまだまだ子供。多くの人がやれ勇者だの剣聖だの持て囃すが……私だけは、2人が安心して側にいられる存在でいようと思った。



 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「ホープ……お前、自分の足で歩けよ……」


「いーやーだー! 疲れたよ、私は……」


「俺も疲れてるんだわ! お前と同じ訓練してんの!」


「アルス、そんなこと言いながらおんぶしてあげるあたり優しいよね」


 私が2人の教育係になってから1年。日々の訓練で2人は想像以上のスピードで力をつけていき、既にSランク冒険者並の力を持っていた。


 もしかしたら、ソロで『フォーマルハウト』くらいなら踏破出来るかもしれない……そのくらいには強くなっていた。


 アルスとホープはこの1年でとても仲良くなり、まるで兄妹のような関係になった。というか、ホープがアルスによく甘えているのだが……


 今日もそんな2人の問答を見ながら、日が傾いたくらいの時間に私たちはいつものように寮に帰っていたのだが……


「仲が良さそうですね、お二人とも」


「「「エルヴィン騎士団長!?」」」


 いつもの帰り道に、エルヴィン騎士団長が立っていた。何かあったのかな……?


「アルスとホープに何か用が……?」


「いえいえ。用があるのは貴女ですよ、エフィロスさん」


「私……ですか?」


 私、なんかやっちゃったかな……!?


「そんな心配そうな顔をしないで下さい…….まさか、取って食おうなんて思っていませんよ」


「そこまでは思ってませんよ!?」


「軽い冗談です……まあ、立ち話も何なので、少しついて来ていただけますか? すぐに終わりますので」


「あ……はい。アルスとホープは先に帰っておいて。私も後から行くから」


「「う、うん……」」


 話って……何だろう?

やめて! 1日4回の連続投稿で、ス○ラトゥーンの時間を焼き払われたら、毎日のゲームで友達と繋がってる作者の人付き合いまで燃え尽きちゃう!


お願い、死なないで作者!

あんたが今ここで倒れたら、読書の人との約束はどうなっちゃうの?

ストックはまだ残ってる。ここを耐えれば、誘惑に勝てるんだから!


次回「作者死す」デュエルスタンバイ!

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