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第百三話 唐突な戦闘

第百三話! まさかのいきなり大ピンチ……!

 僕らが転移魔法陣の先で見た光景。そこでは、魔族に攻められて森が燃やされていた。向こう側にはとても大きな世界樹が見えていて……少しずつ、火の手がそっちに向かって行っている。


 燃え盛る森をバックに、大量の魔物たちがこちらを見ながら近寄ってきている……これ、相当まずいのでは!?


「……っ、ラルク! ぼーっとしてる場合じゃない! とりあえず今は、ここを切り抜けないと!」


 ライアの言う通りだ。今はこの状況を切り抜けることを考えないと!!


「……ライア、援護お願い!」


「いくよ! 『シャッフルレイン』!!」


 ライアが『シャッフルレイン』を使うのに合わせ、僕も『身体強化』と『思考加速』を使い、一気に魔物に向かって駆け出す!


「「「ウルフォォォォン!!」」」

「「「グモォォォォ!!」」」

「「「グギギギギァァァ!!」」」


 今見たところ、モンスター一匹一匹のレベルはせいぜいランクC程度……これなら、『不可視の奇襲(ブラインドタッチ)』で……


(スキル複合発動、『索敵』……って、ダメだ! 周りの魔力が濃すぎて、僕の魔力が広がらない!!)


 世界樹のあるエルフの森は、魔力濃度がダンジョンの中とさえも比べ物にならないほど異常に高い!! こんなんじゃ、『索敵』はまともに使えないな……だったら!


「ライア、『イリュージョンマント』で避けて!」


「分かったけど……何するつもり!?」


「全員、吹き飛ばす!!」


 僕はそう言うと同時に『跳躍』を使って高く飛び上がり、『空中歩行』の効果で()()()()()()()()()()()


「スキル複合発動!! 『衝撃』『渾身の一撃』『突っ張り』『覚醒』『縮地』『跳躍』『空中歩行』『受け身』『粉砕』『鋼の肉体』……『彗星衝(コメットバースト)』!!」


「『イリュージョンマント』!!」


 僕はその姿勢のまま、地面に向かって跳躍する! そしてその勢いを全て拳に乗せ、地面を……殴るっ!! その威力は全て『突っ張り』によって、()()()()()()()()()()()()()!!


「「「クォォォォォォォン!?」」」

「「「グォァァァァ!?」」」

「「「ンモォォォォォォ!?」」」


 ……周りの魔物が、全員見えない所まで吹き飛んでいってしまった。まさか、こんなに威力が出るとは思わなかったが……まあ、いいか。


「綺麗に吹っ飛んだね……で、ラルク。今ここで何が起こってるか分かる!?」


「わからない! でも……とりあえず、誰かと合流しよう、話はそれからだ! さっき跳んだ時に、かなり遠くだけど村みたいなのが見えたから……とりあえず、そこまで走ろう!」


 何が起こってるか聞きたいのはこっちもだよ! いきなり飛ばされたところが既に戦争状態なんて……シェイラさんの言っていたことと正反対じゃないか! でも、そんな愚痴を言うのは後だ。


 とりあえずあの村らしきものを目指して進まないと……ここがエルフの森のどの辺かも分からないような状態だしな。


「僕が先導する! ついてきて!」

「了解!」


 そして僕らは、燃える森の中を走り始めた。ここからはスピード重視、なるべく流れ作業で近づいてくる敵を倒さないと……


「ラルク! 前の方に何匹かいる!」


「了解……『ショックフィスト』!!」


 『渾身の一撃』と『覚醒』、そして『衝撃』を複合させた簡単な複合技『ショックフィスト』。Cランク以下の魔物なら、これで……


「「「グギャァァァ!?」」」


 よし、前にいる奴らは全員吹き飛んだな。……しかし、結構周りの火が強いな。今なら、敵が周りにいないはず……少し周りの火を消すことにしよう。


「ライア、敵が来たらよろしく! 今から周りの火を消すから!」


「『火を消す』って……こんなに燃えてるのに、魔法使いでもない限り無理でしょ!」


「まあ任せて!!」


 僕は確かに魔法に向いている固有スキルを持っているわけじゃない……でも、『魔力操作』の恩恵で魔力の量だけは多いんだ!!


(『無詠唱』……水魔法【アクアバブル】50連!!)


 上級水魔法【アクアバブル】を心の中で詠唱した瞬間、僕らの頭上に50個の大きな水球が生まれ……それらが全て弾け飛ぶ!!


 上級水魔法【アクアバブル】。本来は大きな水球を作り、それを相手にぶつけたり盾にしたりする魔法だが……僕はいま、それを使って()()()()()()()()()()!!


「たしかに火の手は弱まったけど……これじゃ、全然消えないよ! やっぱり地道に誰かを探すしか……」


 もちろん、そんな程度でこの火事が収まるとは思っていない。だが、僕の推測が正しければ────!!


「『剣聖技・月輪』────!!」


 その声と共に、あたりの木々が一刀両断され、同時に起こった風と【アクアバブル】の雨によって周りの火の手がさらに弱まる。


 さっき、『彗星衝』を使おうと跳んだ時に見えたのは、僕たちが今目指している村だけじゃない。ほんの一瞬だけだったが……その手前で戦っている、剣を持った女の子が見えたんだ。


「来ちゃったんだね、ラルク……加勢するよ」


 きっと、この魔法が見えたとしたら、()()は飛んでくるって分かってた。だから僕は、目立つように【アクアバブル】を放ったんだ。


「ありがとう、すごく頼もしいよ……フィリア」


 とりあえず、この場を切り抜けることはできそうだ。

チートキャラ、降臨────!

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